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桃は台所で齧り付く

休日、本を読んで過ごすならどこで読んだって一緒でしょ

と、当然のようにあなたが家に招いてくれようとするので、不思議な気持ちになった

あなたとは会えることが稀で

私にとって、その寂しさこそがあなたの象徴だった

ある時はどちらか、あるいは両方に他の人がいて
ある時は単純に距離があった
そして一度は私から一方的に終わりにしようとした

それでも、いま、あなたは私の生活の近くに存在していて
風邪を引いたと咳をしながら
すいかよりスイカバーの方が好きだと言い
桃の一番美味しい食べ方を力説する

こんなしょうもない話でごめんなと言いながら笑う

そしてふと、私の心の奥を触ったかと思うと、そのまま電話越しに寝息を立てる

不要なものを手元に置くタイプでもなければ
会えない女をわざわざ構う必要もないあなたが
あの日くれた言葉

それが嘘でも、嘘じゃなくても
事実だけを抱いて

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