マガジンのカバー画像

301号室

6
ずっと心に住みついている思い出について、綴っています。
運営しているクリエイター

#カフェ

午後8時、世界の一画を間借りする

午後8時のカフェは優しい。 訪れたのがどんな人であれ、誰も拒むことなく「どうぞ」と受け入れてくれる。 この時間のカフェは、たしかに現実に存在するのに、どこか現実離れした空間。 今日どこかに「居場所」を落っことしてきた自分が、ほんのひととき、世界の一画を間借りさせてもらっている感覚になる。 ひたすらパソコンの画面とにらめっこする会社員。 参考書の上に突っ伏して夢の中にいる学生。 そして、今日の反省会をするわたし。 それぞれの時間が、それぞれの速さで、それぞれのベクトルで流