中屋敷さんのツイキャスメモ

演出家・中屋敷法仁さんのツイキャスで話されていたことが大変興味深かったのでメモ。

【塚田くんの話】
・半蔵門線を使うときにA.B.C-Zのポスターを見かけた。撮影しようと思っていたのに気付いたらBABYMETALに変わってしまっていた。(A.B.C-Zポスターの掲載は6/19〜25までの1週間)
・国際フォーラムでの公演は、脚本や塚田くんや他の俳優さんのスケールを劇場の大きさにリサイズする作業だった。「塚ちゃんもっと大きな会場で(コンサート)やってるじゃん」とは稽古場でも話していた。
・塚田くんの初座長。演出家として誰かの“初座長”に立ち会えたことはなかなかない。塚ちゃんはとにかく素晴らしかった。まず自分が楽しんでいて、それが全て。この人についていきたいと思って、それを本人に伝えると謙遜していた。塚ちゃんはずっと生まれたてのような感覚をしていた。
・俳優愛の話から、「塚ちゃん好きなの伝われ!」と思って演出していた。
・塚田くんのソロ曲は視聴(済)。

【中屋敷さんとお芝居】
・5歳のときにお遊戯会で『ピーターパン』でフック船長を演じたときが自分の演出家としての根幹の半分を占めている。(残り2割は中学、1割は高校、とほぼ学生時代)
皆は主役のピーターパンが一番難しいと思っていたけど、ピーターパンはいつでもどこでも“ピーターパン”でいればいい。けどフック船長は、対ピーターパン、対手下、対チクタクワニと、相手によってキャラクターに変化があるから自分はフック船長が一番難しいと思っていた。そしてそんなフック船長を愛おしく思って演じていた。
手下の刀の持ち方、たとえば上段で構えたり
、肩で担いだり、ただぶらっと提げているだけだったりと、それだけで手下のキャラクターが違って見えることに気付いていた。他にも、ピーターパンが話しているときに、手下はピーターパンの方を見るか、親分であるフック船長の方を見るか、など。
・小4のときの音楽の時間に『鶴の恩返し』でおじいさん役をやった。友達はいなかったけどお芝居のことになると熱くなって、おじいさんはどんな気持ちで襖を開けたんだろうと考えたり、おじいさんは鶴に「決して中を覗いてはいけません」と直接釘を刺されていたから、襖を開ける役はおじいさんじゃなくておばあさんにしてほしい、と自分から意見した。
・高校進学の際に有名進学校に行こうと思っていたが、演劇部がないこと、男子校であることを理由にそこへの進学を辞めた。
・大学の演劇科に俳優として進学したが、自分の演技より共演者、周りの俳優さんの演技を見る方が楽しくて、「お前向いてない」と言われて演出家の方へと移った。今もオファーがあれば俳優をやりたい気持ちはあるが、今の所演出仕事が中心。

【溢れ出る俳優愛】
・とにかく俳優さんを見るのが好き。毎日見てる。俳優も劇団も劇場も全部好き。
相手の目を見て話すことが苦手。俳優さんの目を見ると好きになってしまうので、指示するときも目を合わさずに話す。そのやり方が自分には合ってる。「目を見て話してくださいよ」と言われた時は「目を見ると好きになるんです。ちゅーしますよ」と脅すと大体諦めて貰えるけど、「いいですよ」と向かってこられたときはこちらから逃げる。そうやって返せるのかっこいいよね。
(いろんな俳優さんの名前が挙げられても、どの方に対してもぽんぽんと答えていてすごかったんだけど、私が俳優さんに詳しくなくて具体例が挙げられない…!><)

【Q&A】
・「演出はどんなときに思いつくんですか」
いつも。むしろ皆さん、そういうこと考えないんですか?研究癖があって、なんでもどうしてそうなっているかを考えながら見るのが好き。

・「どうやってアイディアが思いつくんですか」
アイディアは誰でも思いつく。思いついたアイディアを形にすればいい(んだけど、それがなかなか難しい…)

・「客層は意識する?」
お客さんありきなのでもちろんお客さんのことは意識する。お客さんに合わせるというより、俳優さんのどんな姿を見たいかを考える。自分がまず俳優さんのファンで、俳優さんを愛しているから。

・「初日は緊張するか」
一番緊張するのはゲネプロ。初日が開けるとあとは板の上の俳優さんと劇場スタッフの頑張り。劇場で「よかったです!」と話しかけられたりすると、その時点で自分の仕事は終わっていて、あとは現場の方達の頑張りなので、自分にお礼を言ってもらうのは申し訳ないな…と思ってしまう。

・「俳優さんが魅力的に見えるのは中屋敷さんのおかげ?」
僕のおかげです。僕が俳優さんたちを好きだな、素敵だな、と思って演出をつけているからそう見える。
俳優さんを見て、かっこいいな、と思ったら演出家がその人を「かっこいい」と言う目で見ている。「かわいい」「エロい」なんかもそう。板の上の俳優の印象は演出家の印象そのまま。だから自分は好きな俳優さんしか使わない。(演出家が俳優を好きでないとそれが観客にも伝わってしまうから)

・「脚本と演出、どちらが好き(楽しい)か」
俳優さんと一緒に作れるから演出。脚本は「 自分はなんてつまらないものを書いているんだろう…という孤独な作業なので。

・「いい俳優とは」「お芝居が上手いとは」
俳優は、まずなによりも愛されることが大事。どんなにテクニックがあっても、お客さんにいらしていただいて、見ていただいて、評価していただいて、そういったお客さんとのドラマを築けない人は俳優じゃない。ただのオナニー。
お芝居のうまさは無防備であること。テクニックでガチガチに固めた姿より、無防備な姿でいた方が魅力的。お芝居で大事なのは愛嬌。

・「自分のことが好きになれない」
人に会いに行く。人に会って話すことで自分の良さを見つけて貰う。合わない人もいるけど、この世にはたくさんの人がいるので合う人も絶対にいる。言葉だけ鵜呑みにして落ち込む必要はない。
自分も女子などに「気持ち悪い」と言われたりしていたが、いざ話を聞くと「その気持ち悪さがたまらない」と言われたりした。

・「口に出してからその言葉が間違っていたな、と後悔することはありますか」
ない。外に出してしまった時点でその言葉に対する責任を持たなくてはいけない。

・「明日からの仕事を応援されたい」
頑張って、ってあんまり言いたくない。あなたの今までの頑張りに比べたら、明日からの仕事なんてへっちゃら。今までよく頑張ったね。

・「2.5次元という呼称がなんだか低く見られている気がしてしまう」
名前がつくのはそのジャンルが確立してるということなので、いいことだと思う。需要がないと名前もつかない。

【その他メモ】
・自己分析はするけど他人のことは評価しないように気をつけている。他人に対して評価を下すと相手を下に見て偉そうに驕ってしまうので、自分だけに留めるよう気を付けている。

・顔は人生の履歴書。

・子供の頃、いじめっ子に悪口を言われた際に、何故自分をいじめるのか考えた。まず相手をよく分析しなくてはいけないと思い気付いたのが、いじめっ子は声が大きい。
いじめっ子のいじめる気を削がせるために、相手が「おい、お前よぉ」などと前置きを言った段階で語尾に被さるような相手より速いテンポで「なになになに?」と“台詞を食う”ようにした。相手の喋るテンポより速いテンポを被せることで、相手はリズムを崩して言うのを躊躇うようになる。
同じような分析で、何故クラスの女子はモテるのかも考えた。容姿ではなく、「語尾を伸ばすこと」。語尾を伸ばす子はモテてた。

・年齢差がある役を演じるときは、その年齢の筋肉をイメージする。幼ければ筋肉は俊敏に動き、歳を取ると筋肉の動きはゆっくりになる。

・音の母音と感情の母音。年齢に合わせた筋肉の動き。

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