心臓を一突き!ウエダアオイさんの「何者」を語りたい
心臓を一突きされる名曲!
ウエダアオイさんの最新曲、「何者」について語ります。
TikTokに御本人様の一分切り抜きライブ動画が有ります。
You Tubeのライブ配信でも最近何度か歌われています。
(例)ウエダアオイのリビアナイト#1 38:32〜
楽曲について
2023年の夏の傑作「おーべいべ」が軽快なスラップのリズムのノリの良い曲でしたが、「何者」はたぶん冬に出来たしっとり叙情的な曲として始まり、曲に季節の雰囲気が出ているところが感情を揺さぶってきますね。ギターはウエダアオイさんの得意な進行、オンコードでのベース移動とコードの装飾音チェンジでのアルペジオとストロークまじりの凝った展開が続き、「何も…」の続くラストサビ前の泣きそうな歌声から、ラストのサビでの全力の叫び、歌声、強いストローク。大きなカタルシスに感情持っていかれて、集中して聴いていると落涙必須です。
※歌詞の書き出しの為に聴いてたら一雫落ちました
歌詞について
グサッと刺さったのは、やっぱり歌詞でした。はい、凶器の特定出来ましたね。
毎度のことですが無許可で書き出してみましたので見ていきます。申し出があれば削除します。聴いて書いたので間違いも有るかと思います。
何かが変わると思って 人指と中指臭いつけて
タール1mmの可愛げと 似合わない指先の女々しさと
いつかの約束捨てたくて ガチャンと一息 穴を開けて
想像よりも呆気ない日々を ここに綴ろう
(間奏)
日付回って深夜何時 珍しく通知は大人しい
あの子と楽しく居るのかな 僕からの連絡止めとこうかな
正直何番目でも良い 僕の一番は僕が良い
大好きだって泣かれても 嘘つきだねって笑っちゃう Uh…
(間奏)
僕はほんと何者でもない 僕はほんと何も持ってない
君の心臓を一突きできる 誰かのようには叫べない
僕はほんと何者でもない 僕はほんと何も持ってないけど
愛されたいとは思うのです あなたの片隅に居たいのです Ah…
(間奏)
丑三つ刻に君が浮かぶ 可愛げない煙も呑んでみる
ずっと我慢させてごめんね 二番手三番手で良い訳ないね
(間奏)
何も考えず煙を吸って ヘベレケでヒーローを笑いながら
何も考えず誰かと眠って 明日の見えない夢に落ちて
何も知らないお前が言う 口だけお気楽で良いですね
何も知らないお前が言う 何も見たくない僕が泣く Uh…
(間奏)
僕に音楽がなかったら 予報ハズレの雨もなかったかな
僕に音楽がなかったら 今頃君と歩いているのかな
僕に音楽がなかったら 君は僕を見つけてくれたろうか
僕に音楽なかったら 僕に音楽がなかったら 僕に音楽がなかったら…
僕はほんと何者でもない 僕はほんと何も持ってない
君の心臓を一突きできる 誰かのようには叫べない
僕はほんと何者でもない 僕はほんと何も持ってないけど
愛されたいとは思うのです あなたの片隅に居たいのです
片隅に一曲 いかがでしょうか?
冒頭、喫煙とピアスの穴開けから始まります。煙草は吸わないとかピアスあけないとか、元彼から言われたようなシチュエーションから、やってみたら特に変わりない日々だった虚しさがこの歌の背景に基層として埋まっています。
続いてあの子と楽しく居るっぽい元彼…元彼なのかな?通知がよく来る間柄だし単純に別れてもない腐れ縁が続いているのか、とにかくはっきりしない状況です。でもその状況の原因は自分が一番の自分自身なんだと、嘘つきだねって笑っちゃう酷い言動をさらけ出し、僕は何者でもないと、自虐的に自己否定していきます。シンガーソングライターとしてのエゴを貫いていて、それが原因で別れになっているんじゃないのか。そこまでしても、世の売れてる歌手に比べて自分の歌はお客さんにも「君」にも刺さらないじゃないか。と、つらい気持ちをサビにして強く投げかけて来ます。逆説的に「君の心臓を一突き出来る誰かのようには叫べない」の一節が目茶苦茶刺さりました。愛されたい、聴衆の心に残りたい、個人としての気持ち戸シンガーソングライターとしての気持ちを分けて歌う必要も無い、ストレートな想いに心を撃たれました。
間奏から場面が変わって丑三つ刻、可愛げない煙とは、たぶん1mmの女子っぽい煙草じゃなくて強い煙草に変わっています。思い浮かべる「君」は別れた元彼か…。自分の都合で我慢させて後回しにしていた我が身を振り返っています。サラリーマン夫婦でも仕事優先して奥様は犠牲にしている面も有りますしね…。そこからの何も考えず自暴自棄気味な遊びの日々、自分を客観視なんてしたくないと泣けてきます。
そこからの深い自己分析、僕に音楽がなかったら…。これはシンガーソングライターがステージで歌う歌として、ファンは狼狽しますよ。音楽があるから出会って聴きに来ているので、そんなことを言い出すのかと目が離せない局面になります。シンガーソングライターになってなかったら「君」と別れていない人生も有ったのか?でも音楽がなかったら君とも貴方達(聴きに来ているお客さん達)にも会えていない。
僕に音楽がなかったらの三回繰り返しで、逆に音楽が有る!という現実を強めています。この辺りの歌声が泣きそうな感じで、聴いていてつられて泣きそうです。もういい歳になると過去の判断での現状に、あの時の別の道はどうだったんだろうと考えた事も有るので、余計にもらい泣きしそうなんだと思います。
ラストのサビでの「僕はほんと何者でもない…」の強い叫びも前半とは意味合いが変わってきて、歌の中で振り返ったり音楽が無い人生を考えたりした事で、「今は」まだ売れてないから何者でもない、心臓を一突きできていないけどシンガーソングライターなんだと強く訴え掛けて来ています。
最後の最後で「片隅に一曲いかが」と、一息ついてお勧めされていますが…僕には片隅どころか心臓に刺さって凶器です。
誰も読んでいないようなnoteの片隅の駄文ですが、もしこの文を読んでウエダアオイさんの曲が気になったら是非に聴いてみて下さい。僕みたいにど真ん中に刺さらなくても、片隅でも良いんです。一杯呑んで聴くのも良いですよ。
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