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咳とその薬について

みなさん、こんにちは!
薬剤師のめいベジです🍀

この季節、乾燥や気温の変化などで咳が出やすくなっていませんか?

咳が出ると生活に支障が出たり、夜にひどくなると眠れなくなったりするので、できれば早く治したい症状ですよね。

そんなやっかいな咳ですが、体を守るための立派な防御反応なのです。

そんな咳についてまとめてみました!


この記事のまとめ

まずはこの記事のまとめから。

✔︎咳は異物や刺激から身を守るための生理的な反射である
✔︎咳が出る原因はウイルス以外にも空気中の物質、胃酸、薬、ストレスなど多岐に渡る
✔︎鎮咳薬には、咳をコントロールしている咳中枢をブロックすることで直接咳を止める中枢性と、咳を発生させる刺激をブロックして間接的に咳を止める末梢性がある
✔︎気管支喘息や痰絡みのある咳に対して中枢性鎮咳薬を使うと症状が悪化する可能性がある
✔︎原因を排除しても慢性的に咳が続く場合は病院受診を

それでは詳しくみていきましょう!

咳は何のためにある?

咳は、気道などの呼吸器が異物や刺激から身を守るために発生する生理的な反射です。
咳をすることにより以下のような効果が期待できます。

①異物排除:気道や喉に異物や粘液が溜まった場合、それらを体外に迅速に排除しようと咳反射が起こる。

②感染防御:咳反射により痰や呼吸器に存在する異物を排出することで、体内への異物侵入による感染を防ぐ。

③気道の清掃:咳は気道粘膜を刺激することで、気道粘膜上皮の繊毛運動を活性化させ、絨毛運動による異物排出を促進させる。

つまり、安易に咳を止めてしまうとウイルスなどの異物を排除することができず、体内に侵入してしまう可能性があるのです。

咳があることで気道がきれいに保たれ、ウイルスなどの異物から身を守ることができていると言えます。

咳が出る原因

咳が出る=感染症とは限りません。
咳が出る可能性のある原因には以下のようなものがあります。

①感染症:ウイルスや細菌などによる上気道感染症や肺炎など

②アレルギー:アレルギー性鼻炎や気管支喘息などのようなアレルギー反応による刺激

③喫煙:タバコの煙や喫煙によって引き起こされる慢性気管支炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD)など

④環境刺激:空気中の刺激物や化学物質、ほこり、花粉などによる刺激

⑤胃酸逆流:胃酸が食道に逆流することによる刺激

⑥心不全:心臓の機能が低下すると血流が滞り肺に水が溜まることで肺組織が浮腫み、その浮腫が気道の刺激となる

⑦医薬品:薬の副作用

⑧ストレスや不安:ストレスにより交感神経優位となることや、気道が過敏になることによる

咳が出るメカニズム


では、咳はどのようなメカニズムで起こるのでしょうか。

簡単にまとめると、
①気道内に入った異物などの刺激を感知
②脳の咳中枢に異物がいることを情報伝達
③咳中枢から咳を出すよう指令が出る
④咳をするための体の準備
⑤爆発的に空気が出る(=咳)
というメカニズムで咳が出ます。

つまり、咳が出るためには咳中枢に刺激が伝達され、咳中枢から咳を出すよう指令が出ることが必要なのです。

鎮咳薬の種類

鎮咳薬(ちんがいやく)とは、咳を抑えるために使用される薬の総称です。

鎮咳薬は大きく2種類に分けられます。

末梢性鎮咳薬

末梢性鎮咳薬は、呼吸器などへの刺激を抑制することで咳を抑えます。

例えば、抗生物質は細菌をやっつけることで細菌による刺激を抑えますし、気管支を広げる薬は気道が狭くなっていることによる刺激を抑えるため、どちらも末梢性鎮咳薬に分類されます。

つまり、末梢性鎮咳薬は純粋な咳止めではないということ。
末梢性鎮咳薬を飲んだら必ず咳が止まるということではありません。

中枢性鎮咳薬

中枢性鎮咳薬は、咳中枢を直接抑制することで咳を抑えます。

呼吸器が刺激を受けるとその情報が咳中枢へ伝達されますが、咳中枢から咳をするよう指令が出ないようにする。

つまり、純粋に咳を止めるのが中枢性鎮咳薬です。
ですので、末梢性鎮咳薬と比べて対症療法感が強いですね。

鎮咳薬を使うタイミング

ここまでのお話で、咳は体を守るための反射であり、安易に咳を止めない方がいいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん薬を使わないに越したことはないですが、咳が過度に出て日常生活に支障をきたす場合には頼ることも必要です。

例えば、
✔︎咳がひどくて夜眠れないとき
✔︎どうしても外せない予定があるとき
には薬に頼るメリットの方が大きいかもしれません。

鎮咳薬を使ってはいけないとき

咳が出るからといって、どんな咳に対しても鎮咳薬を使用していいというわけではありません。

特に、中枢性鎮咳薬には注意が必要です。

例えば、その咳が喘息による咳だった場合。
中枢性鎮咳薬は市販薬としても販売されているため、安易に使用すると喘息の悪化につながるおそれがあります。

また、中枢性鎮咳薬は痰が絡む咳の場合は使用しない方がいいでしょう。
咳を止めることで痰を上手く出すことができず、病状が悪化したり痰がより絡んでしまう可能性があるためです。

もし、薬を使いたいけどどんな薬がいいかわからない場合は薬剤師に相談を。
薬を使いたくないけど早く咳を止めたい場合は、コーレン(蓮根を粉末状にしたもの)をお湯に溶いて飲むのもおすすめです。

まずは自分の生活を見直そう

咳が出始めたら、それは体が何かしらのサインを出しているということ。

最近の自分の生活の中で、何か原因となる出来事があったかどうかを考えてみましょう。

思い当たる原因があれば、それを取り除く。
完全に取り除けなくても、それが原因だと自覚して取り除こうとする努力が大切だと思います。

そして、必要であればお薬を上手に活用するといいでしょう。

ただし、お薬を使っても症状が長引く場合は、病院を受診するようにしてくださいね。

自分と向き合い、自分のことを知らなければ体のサインにはなかなか気付けないもの。

最初は小さなサインをすでに体は出していたかもしれないけれど、自分自身がそれに気付かず、体は気付いてほしくて咳というわかりやすいサインに変えたのかもしれない。

自分と向き合っていれば、咳が出る前に手を打つことができたかもしれない。

もし咳もそのまま放置してしまうと、もっと体に悪い影響が出るかもしれない。

不調の予防とは、不調にならないようにすることはもちろんですが、不調として現れる前の小さな変化に自分で気付くことだと思います。

それに気付けるようになるために、まずは食事や生活を見直して土台となる身体を整えていきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


めいベジ🍀


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