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【実験結果】まちづくりにおける新しいコミュニティスペースの可能性を探る【the Port kakegawa】


こんにちは。香花と申します。
主にイベントの空間デザイナーとして活動しています。
ランサーズ新しい働き方LABの第三期研究員として、まちづくり企画に参加した実験結果をまとめていきます。

実験開始当初にまとめた記事も併せて、ご覧くださいますと幸いです。



◆実験テーマ

【まちづくり実験室】共創型の場づくりを通じて、地方のまちを豊かにすることはできるのか?

私はこの指定企画「【the Port kakegawa × CreativeLAB × ワークキャリア】 〜掛川市後援〜」のアート部のひとりとして、実験に参加しました。
そのアート部としては、

まちづくりにおける新しいコミュニティスペースの可能性

というテーマを掲げて活動しました。

◆実験の目標と背景

「the Port kakegawa」の階段をアートで彩る

静岡県掛川市の共創型コミュニティレジデンス「the Port kakegawa」が2024年1月にOPENするまでの準備のひとつとしても、玄関からすぐにある階段の壁をアートで彩ることを今回の実験の目標としました。

期間やアート部の動けるスケジュールを組んだ時に、一つしっかりとした結果を出せる目標を立てようと話し、入って最初のアプローチである場所を特徴のある空間にしたいとなりました。

この目標を達成するためにアート部は半年活動しました。

◆実験の流れ

6,7,8月

まず、the Port kakegawaについての成り立ちやこれからの展望、掛川市の特徴や他県民からの注目点をひたすらに集め情報をインプットしました。
というのも、アート部は5人で構成しましたが、そのうち私含め4人が掛川市にそもそも訪れたことがなく、活動を進めるにもとっかかりも何もない状態でした。勿論この実験のために集まったメンバーなので互いのことも全然知らずでスタートをしています。
掛川のこと、the Portのこと、そしてお互いのことを知ることから始まりました。

ただおおよそのスケジュールとして、11月にthe Port kakegawaに集まり、玄関から階段にかけてのアートワークショップをしたいという一つの基準は決まっていました。それに向けて、何をアートで表現してくのか、the Port kakegawaにアートとして何を残していくことができるのか。
手探りで進む方向の選択肢を増やす期間でした。

9月

9月17日と18日。私が初めて掛川市、the Port kakegawaに訪れた日です。
ひとまず訪れ、体感しないと何も始まらないとなり、掛川市を案内いただいたり、the Port kakegawaの実態を見に参りました。

そこで得たものをオンライン上で話し合い、具体的な方向性を固めていく作業に入ります。
まず規模感として、玄関と階段全てを今回施すのは難しいということ。
広さやスケジュールを照らし、階段の壁面をアートで彩ることになりました。現地で作業できる時間は、多くても11月24~26日の三日間。その範囲で確実に完成とできる目標を立てることに。それが、
「the Port kakegawa」の階段をアートで彩る
です。

同時に玄関から階段にかけて流すBGMとなる掛川の音を集めた曲作りもスタートしました。それについては制作くださったアート部のメンバーのnoteをご覧ください。

10月

では、階段にどのようなアートを施し、ワークショップとしてはどのように成り立たせるのか。
ヒントはthe Port kakegawaのロゴと掛川の色でした。

このロゴの線がをモチーフに、色がついていくイメージを最初に提案いただきました。そこから線が交差し、形作っていく様子。その形が掛川の色で色づくことで、the Port kakegawaにおける場所の意味を表現することができるのではないかと。

色は掛川市の市章の紫と広がる茶畑風景から茶の緑色、そして希望や輝きをしめすこととなる黄色で決まりました。

11月

11月25、26日にthe Port kakegawaで
『みんなで WALL ART!! in the Port kakegawa』を
開催しました。
事前にひかれた黒い線の中を3色のいずれを、訪れた方々に塗っていただくというものです。

ワークショップのフライヤー

私含め前入りできるメンバーは23日より掛川を訪れ、黒い線を引き、ワークショップ本番に備えました。

ワークショップ当日
想像していたよりも多くの方に参加いただき、ペンキの乾くのや四角が足りなくなるほどでした。
新labのメンバーや掛川市民の方々が実際に同じ場で作業し、それが残り続けることに意味があるアートワークショップになりました。

◆実験結果と考察

まちづくりにおける新しいコミュニティスペースの可能性とは

2023年12月現在。コロナという世界全体に変動をもたらした3年を経て、多くの人々の価値観にも変化を与えたと考えます。働く場所や方法、自身によるコミュニティの築き方、関わり方など生活していく上での基準値がそれまでのものと異なることも当たり前になりました。
ではコミュニティスペースはどうあるべきなのか。
新しいコミュニティスペースとは何が求められるのか。
はっきりしたことはわかりません。
しかし、今回の実験を通じて、何の縁もなかった人々がひとつ造りあげることはその場だけでなくこれからのコミュニティの場ともなり得るのではないかと考えます。

ワークショップで多くの人が彩ったウォールアートはthe Port kakegawaがある限り残ります。いつかその人々が掛川に、the Port kakegawaに訪れる理由に、そしてその時に居合わせた人との交流のきっかけになる可能性を秘めています。それは、誰かが自分の考えや感覚を表現するためだけのアートではなく、出身も年齢も違う様々な人々が彩ったアートだからこそのことだと思います。決して前者を否定しているつもりはありませんが、このウォールアートはそういった意味での価値が大いにあります。

アートは世界共通言語ともいいます。
その言葉通り、境界線のないコミュニティを生み出す場として、アートワークショップは有意義に働き、可能性をもたらす物になると言えるでしょう。


◆おわりに

この実験を通して、今までの自分では想像もしなかった多くの方々とお話し交流させていただくことになりました。縁もゆかりもないと思っていても、案外決まっていたご縁なのかとも思います。
この場を借りて、その皆様に心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
そして、また何かあれば今後ともよろしくお願いいたします。

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本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」の一環として、私個人が行う「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。
https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/


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