小さい時よく遊んだお兄さんの話

 幼稚園に通ってた頃から小学校の低学年ぐらいまで仲良くしてた近所のお兄さんについて。ちょっとあるきっかけで疎遠になってたんですけど、最近再会していろいろ整理がついたのでnoteに書いてみます。

 お兄さん、2つ上のお兄さんで、「だいちゃん」って呼んでたんでました。だいちゃんとは家がすごい近くて、親同士も仲が良く、家族ぐるみの付き合いをしてました。幼稚園ではよく一緒に遊んでくれて、だいちゃんの家にお泊まりも定期的にしてました。
 小学校に上がってからは、あまり他学年の子と学校で遊ぶ機会もなくなったんですけど、それでも放課後に公園やだいちゃんの家で遊んで、お泊まりも継続的にしてました。

 僕が2年生の時です、夏休み。長期休暇ってことでお泊まりの頻度も増えて、頻繁にだいちゃんの家に行ってました。だいちゃんの家に泊まる時は、和室の客間に布団を2枚引いて、だいちゃんと僕の2人で寝てました。
 その日もいつものように遊びまくって2人ともぐっすり寝てたんですけど、なぜか、夜中にふと目が覚めたんです。寝つきは良い方でそんなこと滅多になかったので、目が覚めても部屋が暗いことにちょっと驚いてました。
 ただ、暗い部屋をぼーっと見てると、横に、だいちゃんが立ってるんです。というか、だいちゃんが立ってる風に見えました、彼の背丈と同じぐらいの影があったので。
 あれ?と思ってそっちを見ようとするんですけど、どうも体が動かない。なんでやろうなと思いながらそちらに意識を向けてると、どうやらだいちゃんじゃない。大人が 膝立ちでこっちを見てるんです。ああ、だいちゃんパパかママかってなったんですけど、でもなんで僕を見てるんやろ?とは思ってました。
 すると、その影が屈むように、僕の顔を覗き込んできたんです、膝立ちのままで。あんまりはっきり顔は見えなかったんですけど、すごい怒られてるような気がして、めっちゃ怖くて目を瞑りました。で、そのまま気づいたら朝になってたんです。
 朝起きたらだいちゃんにそのことを言うわけですよ、僕なんかだいちゃんパパかママ怒らせるようなことした?って。でも彼もよーわからへんって言うんですね。不思議やなあって思いながら、でも本人達にわざわざ聞く勇気もないし。たまたまその日は朝からパパの方はいなくて、ママもめっちゃ忙しそうにしてて、朝ご飯食べたら解散ってことになったから聞く機会もなかったんです。

 それからパタっとだいちゃんの家に行くことはなくなりました。だいちゃんパパあるいはママを怒らせてしまったんやろうなって負い目もあったし、だいちゃんの方からも誘われなくなりました。学校では遊びませんから、そのまま自然とだいちゃんとの関係がなくなったような感じです。

 ついこの前、偶然だいちゃんと再開しました。そのまま2人でご飯に行ったんですけど、あの日のことを詳しく聞いて、半信半疑ですけど、いちおう納得はできました。

 僕を覗いていた影、あれをだいちゃんは「お覗き様」って呼んでました。父方の家系の当主の家に住み憑いて、たまに家人の寝てる顔を覗くだけのよくわからない存在だそうです。(だいちゃんの父方の家系では、神様として祭ってるらしいですけど)ただこのお覗き様、家に家人以外が寝泊りするのをすごく嫌がるらしく、余所者が泊まるとすごく怒るらしいんですね。
 当時はまだだいちゃんの父方の祖父が存命だったので、だいちゃんの家には普通に泊まれてました。ただ、ちょうどあの日の夜、その祖父が急逝したらしいんです。だから、当主がだいちゃんパパになって、たまたま私がだいちゃんの家に泊まってたから怒られたと。そしてもう二度と泊まれなくなったと。
 親の間で話は通っていたらしく、僕の両親も「なんで最近お泊まりしないの?」とかはそういえば聞いてきませんでした。家にお化けが出ると噂されるのも良くないので、僕には黙っていたそうです。

以上がだいちゃんから聞いた話です、そしてここの話もおしまいです。
最後に言っておかなければならないことがあって、これは全て作り話です。ここまで読んでくれた人、騙したような感じでごめんなさい。ありがとうございました。


余談
別にわざわざ作り話って言う必要もないんですけど、本当の話としてしまうと、「本当」になってしまう恐れがあるので念のため。











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