デジャヴの話

あれ、この景色前にも見たことあるぞ…という感覚を、デジャヴと言います。誰しも一度は経験したことがあると思います。私も何度もデジャヴは経験したことがありますが、その中でも何回か、「あれ、この景色前にもみたことあるし、前に見た時も『あれ、この景色前にも見たことある』と思ってたぞ…」というデジャヴを経験したことがあります。つまり、デジャヴの経験をデジャヴとして経験しているわけです。みなさんは、このような入れ子型のデジャヴの経験はありますか?
こういった入れ子型のデジャヴを経験した時に、数回に一回程度の割合で、デジャヴの中のデジャヴの中に景色に黒い人影が現れます。そしてその黒い人影は、さらに低い頻度で、デジャヴの中にも現れます。デジャヴの中に現れるかどうかは、デジャヴの中のデジャヴの中に現れるかどうかとは関係がないようです。入れ子型ではないデジャヴでは、今まで一度たりとも現れたことがありません。そして、その黒い人影は何もしませんし、デジャヴの中の自分(あるいはデジャヴの中のデジャヴの中の自分)は、その黒い人影がいることは何も気にしていません。その黒い人影の存在を奇妙に感じるのは、現実の世界の自分だけのようです。今のところ現実世界ではその黒い人影を見たことはありませんが、いつ現れるかとても不安です。


以上、創作、ありがとうございました。

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