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Tinderにバクスターいるかもよ

TinderやPairsといった出会うためのアプリが増えてますね。ふと、『アパートの鍵貸します』のCCバクスター、ジャックレモンが現代にいたらアプリやってそうだなあ、そして失敗してそうだなあ、と思いました。

冴えないサラリーマンで、会話はやや一方的。すぐ調子に乗って空回りするタイプ。

これからシェルドレイク部長と秘密の約束があるフランをミュージカルに誘うのだが、これが若干しつこい。しかも風邪引いてるし。昨夜予約なしに別の部長がアパートにやってきたので仕方なしに外で情事が終わるのを待っていたため、引いてしまったらしい。
うだつあがらないとはこのことか、バクスター。。。
あまりにしつこいので、後で行くと約束してあげるフラン。しかし彼女はミュージカルには現れなかった。気の毒だよ、バクスター。。。

また、二人でジンラミーというカードゲームをしている時。しっかりお互いの得点を紙に書いて対戦している、細かい。それもフランが失敗続きの自分の恋愛を嘆いている時にである。バクスターの勝ちでいいよ、もう。。。

ただ、まじまじと観察していて思った。バクスター、優しい、、、!

予約なしでアパートに来た部長を断りきれない優しさもそうだが、ミュージカルをすっぽかしたフランのことも、腹は立ったと正直に言うもの「用事があるからって席をたつのは先約の人への礼儀に反する。」と許し、責めたりしない。

恋愛で自己嫌悪に陥ってるフランの気を紛らわすため、少しでも楽しい気分にさせるため、カードゲームをやっていた。あんなに普段一方的に話すバクスターが聞き役に徹し、包容力すら見せている。

その他にも、さりげなくワンピースをハンガーにかけてあげたり、眠るフランのために電気毛布をつけてあげたり、迷惑をかけるので帰ろうとするフランに一緒にいられて嬉しいと言い気を使わせないようにしたり、シェルドレイクが心配していたか気になるフランに優しい嘘をついたり、フランの自殺未遂が不倫によることが義理兄にバレないように代わりに自分が殴られたり、、、、etc

そもそも周りの男たちが不倫し放題なのに対して、彼は仕事一筋、フラン一筋。優しさも全ての女性に向けられたものではなく、フランのみ。助けたことを恩着せがましく、見返りを求めたりしない。

映画終盤では、シェルドレイクに嫌気がさし、管理職の証であるトイレの鍵を投げ返し、部屋を貸すことを明確に拒否する。
言い返せるようになったな!バクスター!!!!

心から優しい人はこれみよがしにアピールしたりせず、相手を思いやった行動する。『アパートの鍵貸します』のバクスターこそ、恋人にしたいNO .1な人柄である。人の良さは見た目からでは十分に理解することは難しい。

簡単に左スワイプしてしまった男性がバクスターだった可能性もなくはない、、、のかもしれない。


『アパートの鍵貸します』(英語名:The Apartment)1960年
監督・脚本:ビリーワイルダー
共同脚本:I・A・L・ダイヤモンド
出演:ジャックレモン、シャーリーマクレーン
<あらすじ>
NYの保険会社に勤めるCC・バクスター(ジャック・レモン)は、自身の昇進のため自宅アパートの部屋を部長たちの情事に貸し出している。課長に昇進したバクスターはエレベーターガールのフラン(シャーリー・マクレーン)をデートに誘うが、すっぽかされる。フランは人事部長のシェルドレイクの愛人だったのだ。
会社のパーティーでフランはシャルドレイクの秘書から彼の愛人遍歴を聞いて落ち込む。同じパーティーでバクスターもシェルドレイクの愛人がフランであることを知りショックを受ける。その晩はシェルドレイクに部屋を貸したバクスターだが、彼の部屋とは知らないフランがそこで自殺を図る。。。


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