夏休みの景色

都内から新幹線で30分程度の地方都市まで出張だった。


大宮駅を出るとみるみる車窓は緑の風景になり、駅の付近で急にビルが増える。

肌のべたつきと、電車の効きすぎた冷房、夏の薄い青空が小学生の頃の夏休みを思い出させた。

当時、新幹線に乗るというのは一大イベントで、乗れなかったら何か罰せられてしまうんじゃないかというくらいの緊張感があったのを覚えている。


仕事自体はあっさりと終わって、余裕を持って予約しておいた便を何本か早めることができるくらいには私は大人になっていた。


駅の売店でご当地の銘菓を買う。

たぶん味は想像通りなのだけど、そこで買ってきたということに価値がある。


今日はビジネスホテルに泊まって、明日も出張だ。

本当はこんな日は夜の街で1人で飲んだりしたら楽しいとわかるけれど、体力が目減りしていくような気がするのでおとなしく眠ることにする。

女性客が少ないのか、ささやかな露天風呂は貸切で、鼻歌を歌って過ごした。



ではまた。

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