ケーキに添えてある花
久しぶりに友人と会った。
適当に入ったハワイアンカフェでは、店員が元気よく「アロハー!」と客を迎えていた。
仕事がちょっと忙しいとか、同級生の誰が結婚したらしいとか、他愛ない近況報告をした。
昼食にも夕食にも中途半端な時間に集合したのでケーキを食べることにした。
ケーキの皿に、紫色の花が添えてあった。
これまでの人生、私はこの花を胡蝶蘭だと思っていた。
帰りの電車で調べたら「デンファレ」という食用花らしい。
こういうことを友人にいちいち伝えなくなったのを、少し寂しく思いながら帰宅した。
彼女が「烏賊が疲れてそうだから」とくれたルピシアのお茶は桜の香りがして、そういえばもう3月が近いなと思った。
今日の月は大きくて、ちょっと眺める時間があった。
ではまた。
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