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ゼロコ『フラッグ』みてきた


ネタバレでしかないですので、
これから初見の方はお気をつけてください。
ネタバレです。













好きだった!

「世界をみよう!」って、「いろんな世界(国・ジャンル)のパフォーマンスをみようぜ? by 座・高円寺」って意味だと解釈してたんだけど、「ゼロコと一緒にいろんな世界をみようぜ! by ゼロコ」って感じで楽しかった。わくわくした。


照明も音楽もすき、"なんとなくこうしました"を一切感じなかった。ぜんぶぜんぶ意味があって、考えて選んで、なのでこれをこうして、という感じにみえた。ふたりで歩いてるとこの音楽いいなって思ったんだけど、ふたりで歩いてるシーンたくさんあるよね。どこ?(7/15追記:海から上がったあとでした!)


the Writerではたくさん小物が使われていたけど、フラッグはパントマイムがたくさんだった。観客は、ひとつの空間で同じものを観ているようだけどそうではなくて、各々が各々でそこにないものを想像で補完して、各々で違う見方をしている。「各々で違う見方をする」というのはどんな作品でもそうだと思うけど、パントマイムはそれが際立つというか、他のジャンルよりも一段階手前にあるというか…。言葉にするの難しいな。パントマイムは一種の「足りなさ」を(想像力をもって)面白がるものだと思っていたけど、逆にすごく豊かなものなのかもしれないなと思った。


終わりの瞬間まで、ステージも観客席も、一度も真っ暗にならなかった。観客席はずっとうすく明るいまま。ステージは、幕間?にふたりがものを動かすところも、やんわり青く照らされている。記憶が定かじゃなくて…いつもだったかたまにだったか自信がないんだけど…これまでもゼロコは、場面転換のシーンをたびたび見せてくれていた。これ、粋だなあすごいなあって思った。気持ちの整理はつくけど、途切れない。


つくりかけ室、行こうと思えば行けたんだけど、今回は行かずに初演を見よう、と決めていた。なんとなく、結果として、良かったなと思った。なんとなく。

新しくて好きなゼロコをたくさん観れた。ここ最近で一番好きなゼロコ!うれしい。



以下こまかいところ

・ついたての大きな魚。しまう一瞬にくるっとひっくりかえすんだけど、それまで見えていなかった裏側にもちゃんと目とひれがついていた。なんだかすごく感動した。これがゼロコ…ってなった。

・角谷さんが船から海に落ちる時の前転がなんかすごくかっこよかった。
・ハードルを超えるときの濱口さんの跳び方がなんかすごくかっこよかった。

・これまで見てきたパントマイムと比べて、ひとつひとつの行動、所作が細かくて、濃くて、ゆえにテンポが速いなと感じた。でも置いてかれる感じもなくて、何をしているのかわからない瞬間もなかった。あ、ちがうかも。理解が必要なところは丁寧にやってた気がする…ストーリーに大きな影響がないパントマイムと、重要なところのパントマイムのメリハリがあったのかもしれない。

・↑の、細かいパントマイムの話なんだけど、角谷さんの、旗の穴を縫い止めたあとに糸を噛み切る動作が印象に残っている。ぴんと張った糸が切れる瞬間の動きがリアルで、わたしの視力が足りなくて見えなかっただけで、本当は実際に手元で糸を持ってたんじゃないかと思うくらい。

・↑をしているシーン、ふたりで座って雨宿りしてる景色がなんか良かった。雨が当たらないところに入ったら雨音が少し小さくなるの、すき

・風船で角谷さんが飛んでっちゃうとこ、予想外でびっくりした。そんなこともするの!?

・水中の、べろべろばろばろ、あれ近くで見たい。どんな顔してたの…? こういうとき、だいたい角谷さんの方にツボるんだけど、べろべろばろばろは濱口さんの方にめちゃくちゃツボった。観客が少し慣れて落ち着いても、わたしはずっと肩を揺らしていた。どんな顔でやってたか、見たい…笑いすぎて吐いちゃうかもしれない…

・洋館のところとか…子供の声が演出のひとつになる感じ、いいな。ベタなのもすき

・穴、ほんとに落ちてたよね?だって声が下の方から聞こえたもん。

・フラッグは、要所要所でつかわれるけど、しつこくないというか、ある意味最初から最後まで浮いたままというか…?キーアイテムすぎない感じが好きだなと思った。最後まであれがなんなのかよくわかんないというか、あれが何だったのか明確なメッセージが差し出されてはいないというか…。好きに見ていいよ〜っていう自由な空気を勝手に感じていた。合ってるかはわかんない

・終わり方の記憶だけがない。………あれ!終わった!?ってなった。何が起きてたか記憶にないのでもっかいちゃんと見てくる

15日にもっかい行くので、また追記します!
たのしかったとても。たくさん笑い声をあげた。

(7/15観た!追記)
初日は上手側の一番後ろだったけど、楽日は下手側一番前から観た。
前から観た方が没入できるものだと思っていたけど、後ろから観たときのほうが世界観にどっぷり入り込めた感じがした。初見だったからかな?前にいると、世界観に入り込みつつも、ふたりの演技力やパントマイムのテクニックがすごくよく見えてそちらに意識がいく。濱口さんと角谷さんがそれぞれ積み重ねてきたものやこの公演にかける想いを勝手に想像してじーんとしていた。パフォーマーとしてのふたりのありさまがめちゃくちゃかっこいい。

すこし予想はしていたのだけど、初日と比べて角谷さんが暴れていてたのしかった。かばんのジッパーが多すぎる。

べろべろばろばろ、細かい口の動きが見えて面白かった…あれ笑わないで見れる人間いないでしょ

角谷さんの水中の動きと風船の浮き、無重力のふわふわ感すごすぎる。ふたりが水面から出るとき、思わずこちらも、ぷはーっと新しい空気が肺に入ってくる感覚になる。

自分の頭の中に、1回目に観た時に想像でつくられた景色が記憶として残っているのに気づいた。実際に見えている舞台のそれよりもカラフルに補完された記憶。これはわたしだけのもので、観客ひとりひとりの頭の中にそれぞれの景色が残っているのだなと思うと、やっぱり豊かだなと思った。
わたしの想像だと、風船の色はピンク色。かばんは枯れ草色。レジャーシートは、クリーム色。みんなはどんなだった?

終わり方もちゃんと観てきた。記憶が途切れたのかと思ってたけど、そうではなかった。つづく、、という感じだった。雪山編が始まるのかと思って観ていたら終わってしまったので、もっとやって!!!というきもちになった。40分って短く感じるなあ。もっと観ていたい、ずっと観ていたい。

ときわ座での『二歩』のとき、わたしはこの作品のターゲットじゃないなと感じて勝手に寂しかったのだけど、今回引きずりこんでもらえて、夢中にさせてもらえて、うれしかった。



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