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ロッキンに見た関ジャニ∞の凄さ

関ジャニ∞の勢いが最もすごかったのはいつか。
その問いの答えはおそらく「いま」なんだろう。
そして「これから」なんだろう。
ロッキンの盛り上がりを見たらそれが答えで間違いない。
まさに「自軍最強」と思わせてくれた 2017年のメトロックのときの感覚に似ている。
そしておそらくあのメトロックをいまの5人のエイトは超えてしまった。
わたしのような渋谷さんファンのエイターからしたら、うれしくもあり、すこしさみしくもあるのが本音だったりもする。

いまのエイトがメトロックを超えたのは、メトロックでは音楽ファンの陣地に乗り込んでいく開拓者の挑み方だったことに対し、ロッキンでは自分たちの強みを打ち出し、自分たちの世界に音楽ファンを引き込んだことにあるのだろう。
どちらが正解とかではないし、そのときの彼らの強みやモチベーションによって挑み方は違ってくるだろうが、いまの5人にとっては今回のように自分たちの世界に引き込むことが一番強みを生かせたのであり、それが成功に結びついたと感じている。
それはまさにアイドルとしての誇りがそうさせたのだろう。

エイトのそれまでの道のりを考えたとき、どこが彼らのターニングポイントだったのか。
その意見はそれぞれ分かれるところがありそうだが、例えば最も売れたシングルではいまだに『無責任ヒーロー』であり、それをブレイクととる見方もある。
おかげでその後の音楽番組の特番などではこの曲を披露することの多かったこと多かったこと。
これについてはおそらくエイターならみんな知っていることなのであまり多くは語らないが、2008年のライブツアーの映像化がなかったこと、『無責任ヒーロー』の初回限定の特典にライブの映像が入ったことにある、といカラクリだ。
この頃の横山さんの口癖は「俺たち売れかけている」だったので、ブレイクしたという自覚は彼ら自身にもなかっただろう。

世間的に見た次のターニングポイントは『LIFE〜目の前の向こうに〜』ではないか。
それまでもライブではずっとやってきたバンドを初めてシングルとしてリリースできた曲だ。
この曲にかけるメンバーの意気込みはメイキングからも感じられた。
この頃から特にバンドに重きを置き、バンドができることが世間的にも認知されるようになってきたので、2011年の5大ドームツアー、8EST、JUKE BOXあたりがブレイクととる見方もあるだろう。
実際わたしもそれは感じた。

しかし、ここで別意見を見かけたことがある。
つまり、バンドを主軸にもってきたエイトを歓迎したエイターばかりではなかった、というものだ。
わたしのようにバンド大歓迎のエイターには気づかなかった一方で、アイドルらしさを求めるファンは離れていったのだという。
なるほど、エイト自身がファンを選り分ける形になったという側面もあったのかもしれない。
とはいえエイトはジャニーズとしてのエンターテインメントを忘れたわけではない。
その両方を並行して、エイトのやり方で魅せてくれていたからだ。

エイトのライブの作り方は、かつては全員でセトリを考え、全員で形を作っていく形だっと記憶している。
記憶が曖昧ではあるが、どこからかメンバーが手を挙げてその年のライブ演出を担当するようになった。
『JUKE BOX』は亮ちゃん、『関ジャニズム』は大倉さん、『元気が出るLIVE』は渋谷さん、のように。
エイターからしたら誰の演出かはすぐに分かるくらい、そのひとのカラーが出る。
メンバーの個性でライブのカラーが変わるので、それが関ジャニ∞のライブのおもしろさと醍醐味だった。

C&Rの一体感が生まれるバンド曲『勝手に仕上がれ』や『tokyoholic』の頃になると、自軍最強説はもはや実感をともなってエイターのなかに息づいていた。

あらゆる武器を手にアウェーの陣地に乗り込んだのが2017年5月21日のメトロックだった。
メトロックを大成功させ、怖いものなどなにもないと思わせるほどに思えたエイトを待ち受けていた未来は、渋谷さんの脱退、亮ちゃんの脱退、そしてコロナ禍だった。

だれも想像していなかったし、どこかで想像していたのかもしれないとも思う。

歌を牽引していたメンバーが抜けたこと、作曲ができるメンバー3人のうち2人が抜けたことは、関ジャニ∞にとって痛手だっただろう。
選択肢のいくつかがなくなるというのは、これからの活動の方向性も再考と熟慮を繰り返さなければならなかったからだ。
エイターのなかにもバンドとしてのエイトは今後見られるのか、そんな懸念もあった。
かつてのエイトのバンドは、ライブハウスを思わせるようなライブを見せられるのが武器だった。
それがバンドへのこだわりの強い渋谷さんのやり方だったから。
でも5人のエイトにそのイメージが色濃くあるわけではない。
では5人のエイトのバンドのカラーとはなにか。

わたしは今回のロッキンでその答えを知った。
そうか、そういうことか。
それが冒頭に記した、自分たちのジャニーズとしての強みを全面に打ち出し、こちらの世界に引き込む魅せ方だった。

これはTravis Japanがアメリカのオーディション番組に出たときの映像を見たときにも同じことを感じた。
ダンスとパフォーマンス力の凄さは素人目にも分かるけど、一瞬の隙間に入れてくるファンサ的要素に、決してジャニーズイズムを忘れていない信念を感じた。
率直に「凄い…」と思った。
あれは、あちらの世界に乗り込み挑むというよりは、こちらの世界に引き込み虜にさせる、という印象だった。

ロッキンの関ジャニ∞もまさにそれだったのではないか。
丸ちゃんが、ロッキン出演に当たってステージのセットにポップアップは組めないか提案したと、ゲスト出演したラジオ番組で話していた。
普段ジャニーズのライブを観たことがないひとたちに、ジャニーズのライブを観てほしい、感じてほしいと。
さすがにポップアップはできなかったが、それでもモニターなどを使い、歌詞やC&Rを観客に知らせることで、ジャニーズとしてのエンターテインメントの強みを生かした一体感のあるライブを作り出した。
「だれも置いていかない」ライブを作り出したことが、ロッキンでのライブを大成功に導いたのではないか。

ロッキン出演後のSNSでは、関ジャニ∞を絶賛する声がたくさん見受けられた。

「初めてだったけど、関ジャニ∞がズバ抜けて楽しかった」
「ステージの見どころの多さがエグい」
「関ジャニの一体感だけ異常ってレベルだった、それはみんなが知ってる曲だからってだけじゃなくてメンバーの煽りがすごかったからだと」

ジャニーズのエイターテインメントの魅力に引き込み虜にするバンドステージを確立させた関ジャニ∞はいま、最高で最強を更新し続けている。

ロッキン出演後、大倉さんがSNSを更新した。
「ドラムやっててよかった。アイドル続けててよかった。ありがとう、俺にドラムをやれと言ってくれた人々。」
この言葉で涙が出た。
たぶんきっと、この言葉のひとかけらに彼らの存在があると。
関ジャニ∞を作り上げてきたのは8人ないし7人であり、いまは一緒にいなくてもその存在を関ジャニ∞は、エイターは忘れてはいない。

それがきっと「永遠」と呼べるものだ。

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