見出し画像

ケモ着ぐるみ文化との遭遇

※本記事は「(1stシーズン)謎解きクラスタによる謎以外の Advent Calendar 2023 」13日目の記事です。 #謎なしAdvent2023

ご挨拶

 こんにちは。田中太郎です。謎解きでは今年はLAST QUESTIONSの中の電子ゲーム脱出を作ったり、またもや流し場を借りてナゾガクに出たりしてました。

 はじめにお断りしておきます。やや長いです。趣味100%。推敲ほぼしていないので読みにくいかも。ご承知おきください。

 さっそく本題。これを読んでいるあなたは「ケモノ着ぐるみ」というものをご存知でしょうか。もうご存知の方は記事後半にある私の推し・好きキャラ紹介だけ読んでいってください。

 ざっくりいうと「ケモノ」キャラの「着ぐるみ」です。
 身近な所ですとテーマパークにいたり、ご当地キャラのものだったりが思い浮かぶかもしれません。しかし、この記事で出てくるケモノ着ぐるみはそういった企業のものではなく、ほぼすべてどこかの個人が趣味で制作、所有、出現しているものとなります。
 初めて知ったとき個人で所有って何事?と思いましたし、なんなら今でも思っていますが、今年2023年、世の中にはそういった方がだいぶたくさんいることを知って非常に衝撃を受けた、そしてケモはかわいいぞ、というのがこの記事の主な内容です。


もふもふな世界への過程

あしあと①

 最初は2022年6月26日、#最後の獣脱出こと「コアエネルギー研究所からの脱出」という謎解きゲームの再演に参加したときでした。
 感想などがまとまったTogetterを見ていただくと話が早いと思いますが、会場内にキャストとしてケモノの方々がいらっしゃいました。
 初演時は会場の動線が悪かったという感想もたくさんまとまってますが再演で参加したのと、企業ではないとは書いてありましたが映像がとにかくすごく、またデザインや謎なんかもだいぶしっかりしていたのとで、このときはまだ「へぇ、こんな衣装(着ぐるみ)とか映像とか凝って謎解きゲームを作った団体があるのか」としか思っていませんでした。
 パンフレットなんかも含めクオリティが高すぎて、全部このゲームのために用意したそういう企画ものだと思っていたわけです。

あしあと②

 2022年の秋か冬ごろ、Twitterのスペースにてケモノ着ぐるみの作家をやっている人と知り合いました。まだそんなの作れるんだすげー、くらいの認識。
 ケモ絵描きの方が自キャラの着ぐるみで撮影をしているのも何回か見ていたのでそういうのがあることはなんとなく知った状態。

あしあと③

 ちょうどスタッフとして関わっている同人誌即売会の当日企画として周遊謎解きをやろうと構想していた時期でした。このとき例として知っていたのはゲムマと東方Projectの例大祭でやっていたもの。この2つは開催規模やスタッフ数などが違いすぎて内容はともかくとして運営面があまり参考になりません。もう1つ、過去にどんなジャンルのイベントかは知らなかったのですが「ふるもっふQ」という同人っぽいイベントでやっていた謎解き企画の解説記事を見たことがあり、会場規模はなんか近そうでした。まあできるんだろうなと思い実施は決めました。(これはまた別のお話。本当にやりました)
 でもなんか直近でやってる同人イベント系の会場でやっている謎解きで実地調査したい……と考えていたところ、2023年1月の頭に愛知県の豊橋で行われるらしい「JMoF」というケモノ系イベントで「JMoF消滅の危機からの脱出」という謎解きがあるらしいという情報をTwitterで入手。会場が豊橋にあるホテルだということしか知らないままとりあえず申し込みをして、当日の参加を決めました。(これはこれで特殊すぎて全然参考にはならなかったものの楽しかったのでよし)
 たぶんここが分水嶺。

 なお、ここまでに紹介してきた「コアエネルギー研究所からの脱出」「ふるもっふQ謎解き」、2つとも謎制作が(記憶が間違ってなければ)ナゾガクにも何回か出展されている「こんこんくえすちょん」の代表の方のようで、「陰陽師の筆」や「SAI」など超面白公演を作る人であると知っているのもあり、ケモノ界隈の謎解きイベントならそこそこの率で制作この方だろうしそう悪いことにはなるまいという雑な推測のもと「JMoF消滅の危機からの脱出」の参加を決めてました。実際関わってたっぽい。すごい。
「JMoF消滅の危機からの脱出」はネタバレ解禁されているので(まとめは見つからなかったけど)探せばどんなイベントだったかわかるかもしれません。

異世界に迷い込む

 2023年1月6日、豊橋のロワジールホテル豊橋を訪れるとそこは異世界でした。

 まず会場のホテルが信じられないくらい大きい上になんか貸し切られている。しかもロビーとか中庭とかにやたらケモノがいる。なんなら人よりケモノの方が多い。ここが現実であるかいまいちよくわからないまま謎解きに参加し、会場展示物で過去に行われた企画一覧を見つけたので今後やれそうなイベント内企画のアイデアを頂戴し、DJイベントを覗きにいくと会場の隅でずっと基盤にはんだ付けをしている本当によくわからない光景(しかもその後すぐ完成したものを使うっぽかった)を目撃してますますよくわからなくなり、なんかすごい世界を見たなぁ……とフワフワしたまま帰りました。
 帰り道、ケモノの着ぐるみって足が逆関節になってるけど人間の足とは構造が違うわけで、じゃああれはどうやって再現してるんだろう、着ぐるみの構造ってどうなってるんだろうという部分についてずっと考察していました。未知のもの、たのしい。

 この日まで、まずケモノの着ぐるみが趣味で個人所有している人がこんなにもたくさんいるなんてことを知らなかったので、かなり衝撃でした。

あしあと④

 実はこの段階ではまだすごい文化の世界があるものだと知った程度で、そんなに刺さってはいませんでした。

 ただ、だいぶ前から比率でいうとリスみたいなサイズ感のデカい尻尾に抱きついて寝たいと思っていたので、こういう形なら抱きつきうるデカい尻尾も存在しうるのか……ということに気づきはしました。

 月日は流れて2023年9月17日、修行も兼ねてたまには普段とは違うイベントにスタッフやりに行こうと参加した「けもケット」。このイベントには着ぐるみふれあい広場というものがあります。担当部署が違ったので休憩時間に覗きにいった程度でしたが、信じられないくらい人が集まっていてびっくり。
 そして、イベントにスタッフとして参加するとスタッフ間で交流が発生します。当然のことながらケモノ系のイベントのスタッフはケモナーの方が多いわけで、知り合った方々のアカウントをXでフォローしていくとケモノ系の人を一気にたくさんフォローすることになります。
 すると、いまのXの仕様により、おすすめタイムラインには新しくフォローした人に関連する投稿がどんどん流れてくるようになるんですね。急にタイムラインが半分ケモノみたいな状態になりました。

 数が増えるとどうなる?
 知らんのか。刺さるものに出会う確率が上がる。

 そこからはケモノ着ぐるみが侵食してくるのは早かったです……。本当にあっという間。

そしてキバが喉元へ

トドメ①

 プロダクション体育館。

 けもの系きぐるみアイドルごっこ芸能事務所風非商業サークル。
 これがいわゆる同人サークルっていうのが信じられないくらい超規模・超クオリティで活動されていらっしゃる。
 着ぐるみキャラが魅力的に活動しているのももちろんなのですが、YouTubeに着ぐるみの作り方動画キャラの中の人たちによるラジオ番組もあり、着ぐるみ文化を知る入り口にちょうどいいです。
 初見時にリオンくんにやられた。

トドメ②

「infurnity 獸無限」

 10月の末に台湾で開催されたコンベンションイベント。日本のJMoFと同系統のイベントだそうです。
 参加はしていませんが、イベントが行われるととにかくたくさん写真が流れてくるようになります。
 かわいい子が。

 というわけで、

好きな子紹介コーナー

 写真や活動を見て、あっ好き……となったキャラの紹介です。「顔がいい……」とビジュアルから好きになってしまったパターンがほとんど。
 顔の好みがバレる……。
 ※紹介順に意味はないです。

①リオン

 さっき上でもチラッと書きましたが、プロダクション体育館で活動している狐狼のキャラです。ケモキャラ、創作活動したことがある人ならあるあるかもしれませんが、種族は実在するとは限らない。

 顔がめちゃくちゃかわいい上にダンスが上手い。初見時「えっ着ぐるみ着てダンス? マジ?」と思いましたが、当たり前のように動いているのですごい。動きが柔らかいというか、本当に中に人いる……? これもうそういう生き物なんじゃない……? と思うくらい。腰ほっそい……。
 プロダクション体育館さんは急にあのガチャピンとコラボしたりコロナ時期の特殊な条件下とはいえ羽田空港でロケしてたりマジでなんなんだろう……。

 こちらのサークル、「最後の獸脱出」でキャストをしていたジッポ、ノクス、おりーぶも所属してます。踊ってみた動画はどれもすごいのでぜひ見てみてください。この3匹が出てる中でわかりやすくすごいのをひとつずつ紹介。

 最後にこれ、企画として純粋に面白いのでぜひ。着ぐるみで目隠しして気配斬り大会なんてそんなの面白いに決まってるじゃん。

②あお丸

 キャラご本人が写った写真や動画はほとんど見たことがない。好きというか畏怖とか畏敬の方が近い。プロダクション体育館のコンテンツ全てを制作・管理している激ヤバクリエイター。キャラを推してるというよりはこの人マジですごいなと思っているクリエイターにキャラのガワが付いてるという方が正しいかもしれない。でも見た目も色合い明るいはずなのにダークな雰囲気があって好き。
 ラジオでたまに聴ける口の悪いキャラと、真面目な話をしだすと一人称が変わる時があるので口が悪いのはそういうキャラでやってるんだなと察せるところ、なんかいい。
 (もはや楽しいで済んでるのかは謎として)こんなに面白い同人活動しやがって……みたいな、ヤベー人見るとやる気でるよね。

③Larsen

 韓国の方。虎の子。チェロ奏者。チェロ奏者……!?
 かっっっっっこよ、ってなりました。演奏動画を見てくれ。

 短めの耳もキュート。

④デンジ

 圧倒的に可愛い。他の情報は知らないけれど、あまりに見た目が良すぎて見た瞬間きゃーってなった。見る限り日本が拠点の方ではないみたい。

⑤夏蒙

 台湾出身の方。シャマンって読むのかしら……。
 スノーウルフの子だそうです。ちょっとワルそうな顔がたまらん。

⑥Jeno

 中国の方。グレーウルフって書いてあるからたぶんハイイロオオカミの子。
 キリッとした眉がかわいい。2枚目のあごクイやばくない?
 あとここに載せたリンクの写真ではわかりにくいのですが、腕が肩が一番細くて腕、指先と先端に近づくにつれて円錐状に太くなっていくタイプの、デフォルメイラストをそのまま立体化したみたいなスーツの表現が大変好みです。

⑦小拍

 リルパイって読むのかな……。台湾の方。
 長めの耳とツノがシュッとしたかっこいい系の印象ですが、写真見るとわかる通りペロペロキャンディを持ち歩いてて、いいですよね……。

 なにこれ天国か????

 こうまとめてたら気づいたことですが、象山工作室さんのヘッドの造形が好きっぽい。つり目とお口がキュートよね……。

⑧フィル

 台湾の方。幼な目の印象のお顔の口から覗く犬歯がかわいい。首のしめ縄と鈴なんかの小物のデザインだったり色合いだったりも素敵。
 あと絵が上手い。自分のキャラを現実の三次元の世界に持って来れるっていうのは着ぐるみの大きな良さのひとつだと思ってます。

 これよこれ。自分の尻尾をモフるの……いい……。

さいごに

 ざっくりこんな感じ。他にも可愛い子はいっぱいいますのでぜひ探してみてね。
 10月末にあったinfurnityの影響でアジア圏のケモノさんたちの写真がいっぱい溢れて、こうなりました。日本周辺の東アジア圏のケモノさんたちはこれまでご覧いただいたような、日本のアニメ絵っぽいデフォルメの効いた造形の子が多く、欧州とかにいくと比較的リアル寄りのヘッドが多い傾向にあるらしいです。1月のJMoFで細身のスーツに眼光鋭いリアル寄りのケモノの方も見ましたが、ありえんくらいかっこよかったのでかっこいい系がお好きな方はそちらもぜひ。

 好きなキャラ紹介ってことで顔がいい画像を貼りまくったので、この記事はうぉお〜!、顔がいい〜!、かわい〜!と荒ぶりながら書いております。好きなタイプの顔がバレてる。

 ケモノ着ぐるみの何がいいって、通常二次元キャラを推しても現状本人に触れることは不可能じゃないですか。それがケモノキャラであれば着ぐるみという形をとることでハグとかできうるんですよ。できうるというか着ぐるみのキャラ出しがあるイベントだとツーショとか握手とかハグとかそこら中で行われていて脳が溶けます。しかも触るともふもふで柔らかいですからね、もう言うことありませんよ。

 キャラを作る人、キャラをデザインする人、着ぐるみを仕立てる人、実際に着る人の4者がすべて同一とは限らないところも面白いところです。
 こういったことをひとつの団体やサークル内でやっているわけではなく、自分のキャラを着たいけど絵は描けない人が描ける人に依頼したり、制作工房があったり、自分で着ると自分のキャラに抱きつけないジレンマが発生してたり、キャラのイラストコミッションをよく見かけたり、創作活動上での依頼の文化がケモノジャンルは非常に盛んに見えます。
 あと着たら撮影のためにいいロケーションを用意するとか……そういえば先日天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅や電車内で撮影会やってる獣快速なる投稿をXで見かけたり、そもそも着ぐるみの制作費も何十万の世界だったり、なんならJMoFもホテル貸し切ってたり、……ケモノジャンルっていろいろ規模おかしくない……?


 日本のケモノコンベンションJMoFは来年2024年も1月5〜7日に愛知県豊橋で開催されます。
 タイムテーブルを見ると1月5日のところに周遊謎解きの記載があるので来年も謎解き企画はあるようです。
 たしか会場企画への参加には当日参加登録で1日5,000円がかかりますが、参加登録さえすればその日はほとんどの企画を追加料金なしで見て回れるはずですので、もしご興味持たれた方は謎解きついでにケモノ文化の世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。

 行けるかどうか怪しかったので事前登録しなかったJMoF、行きたい気持ちは募っています……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?