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散文詩的な呟き

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日常の一コマを短い映像のように切り取っています。
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#小説

時空跳躍列車

真夜中前のホーム 滑り込む上り電車と軋む車輪の音 ちかちかと光る終電前の電車は 時間を渡る 終着駅を目指して加速する車体 車窓を泳ぐ明かりが いくつも長い尾を引く 揺れるつり革 止まる空気 がたんガタン ごとん

雨の話し声

降り注ぐ水滴を 受けとめる。 ぽん さー ぴちょん 葉っぱが受けとめて、 ぽん 屋根が受けとめて、 さー 水が受けとめて、 ぴちょん あちらこちらでヒソヒソと、 みんなが雨とお話するので、 雨の日はさみしくない。 ひとりで居るのも、さみしくない。 みんなの声に隠れて、 わたしも雨とないしょ話。 傘を通してないしょ話。