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散文詩的な呟き

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日常の一コマを短い映像のように切り取っています。
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2024年4月の記事一覧

紙月ーしげつ

元来私は、下を向いて歩く人間だ。 石畳の境目を避けて歩き、横断歩道の白いところだけを踏む。 すれ違う人も、俯いた視界に相手の靴が映り込むまで気づかない。 20時の暗闇を、足下を確かめながらぽてぽてと歩く。 汚れた靴の先に、昼間の出来事を思い出す。 等間隔に並ぶ街灯の間を、泳ぐように渡って家路を行きながら、 ふと、今日は満月だったかと、上を向く。 見上げた先には明かりの灯るマンションの窓が溢れている。 それぞれの生活が真冬の夜に漏れ出して、しばし夜空を漂って消える。