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6月25日
台所は、不思議な場所だな と思う。
一日ひとつ、料理を作るようにして、一週間が経つ。テレビで見たのや、フォロワーの人が作るもの、同期や後輩の子たちがインスタに載せる料理などなど。とりあえず自分がおいしそうだ(かつ、できそうだ)と思ったものを片っ端から真似をして、朝のうちに買い物に出る、一日のどこかで作る。作っているうちは他のことを考えなくて済むから(というよりは、そんな余裕がなくなってしまうから)、少しだけ健康でいられる。洗い物もごみ捨ても全部後回しにして食べることができれば、より少しだけ健康になれる。
立つだけで感情が整理される台所は、不思議な場所だなとつくづく思う。そういえば、よしもとばななの「キッチン」に出てくる主人公・みかげは、なぜかよく台所で寝る。自分は絶対やりたくないけど、一回だけまねをしてみたらやはり嫌な気持ちになった。
アボカドを剥いたら種まで割れてしまったり、モッツァレラチーズの塊が意外と大きくつるつるとしていて驚いたり、豆腐を手の上で切るときに緊張したり、そうして発見したことのひとつひとつを、私はしっかりと覚えておきたいと思う。
淡々と連なる日々の、隙間で起こる事件に救われていたいと思う。
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