こどもはとってもたくましい


手の治癒の経過

長男が2歳の時だった
就寝前の突然40度の発熱。解熱剤+クーリングをしながら朝まで対応した。風邪っぽくはなかったからあれ?なんだろう。と思いながら看病していた。
翌朝トイレに連れて行きズボンを下ろすと全身に赤い細かい発疹がでていた。
アレルギーで何度もアレルギー性の発疹をみていたので「アレルギーの発疹じゃない。なにこれ、、」と思っていた。朝一かかりつけの小児科にかかり川崎病と診断されすぐに大きな病院へ紹介状を持って受診した。紹介先の病院でも川崎病の診断、長男は熱でぐったりしていた。入院しさっそく免疫グロブリン製剤の点滴治療がはじまった。小児科の入院は親付き添いのためわたしは少しの間祖父母と交代し家に入院の荷物を取りに帰りまた病院に戻った。
長男は相変わらずぐったりしており手には輸液ポンプ付きの点滴のルートと子供がルート抜去しないよう二の腕まで包帯が巻かれていた。看護師さんが適宜ラウンドにきていたが包帯は取らずポンプの確認のみだった。(祖父母話)

その日の夕方である。わたしが病院に戻ってすぐのこと。包帯の先から少しでた指が腫れている。まさか、、と思い包帯を解くと肘までパンパンに腫れ腕には水疱がぷつぷつできており、刺入部はすでに真っ白になっていた。点滴が漏れていた。ナースコールし点滴は抜去、担当看護師さんはすぐ薬剤師に相談してくれた。

点滴漏れの腕


刺入部

通常なら痛くて泣いていただろうに発熱でぐったりしていた長男は痛みを訴えられずそのまま治療を受けていた。荷物を取りに戻った自分に果てしない罪悪感と「看護師さんはラウンド来たときちゃんと毎回包帯解いて刺入部をみていましたか?」と祖父母に確認し、それがされてなかったことになんで??と疑問を持った。
薬剤師さんがきてくれ温罨法と冷罨法をし夜になった。夜勤の看護師さんが腫れている腕で血圧を測る。流石に痛かったようで長男が泣いた。「大丈夫だよ〜もう終わるからね〜」と言う看護師さんに「あの、左腕グロブリンが漏れていて腫れて水疱もできているんですがなんでこっちの腕で血圧測るんですか?申し送りは受けていないんですか?」と尋ねると「あ!!そうでしたね。すみません。」と返事が返ってきた。わたしは小児科は経験したことはないけど認知ではっきり話せない患者さんにポンプを使う時はとくに注意して刺入部確認したり点滴漏れで腫れている腕を第一選択として血圧測定しないのでなんでだろう?が重なった。

長男の手の甲は壊死してるだろうなと思っていた。幸いにも指が少し動いたので神経だけは大丈夫なことを祈りながら。

翌朝小児科医がラウンドに来た
「きのうは大変でしたね。」それだけだった。その日ラウンドに来てくれた看護師さんに手を皮膚科にみてもらいたい話をすると快く主治医に相談してみますと言ってくれ皮膚科にかかることになった。手は日に日に浅黒くなっていた。


市中病院だったので大学病院からの皮膚科drの診察日が週一らしく早めに見てもらった方がいいと形成外科のdrがみてくれることになった。
幸いにも子供の手背はぷにぷにで脂肪がのっていたため神経損傷までには至らなかった。
壊死組織を受診のたびに取り除くことになった。退院してからも軟膏処置と壊死組織除去が続いた。

退院してからいちばんわたしを悩ませたのは砂で遊びたい盛りの長男の砂遊びを禁止しなければならないことだった。この頃は手の傷がまだなかった長男の写真を見るたびに申し訳ない気持ちになっていた。

 

肉芽が盛るように軟膏処置を毎日した。車で1時間の通院も毎週した。次男が産まれて4ヶ月だったので治療中のほとんどが育児休暇中だったのがありがたかった。黄色の壊死組織を除去している時は最初は泣いていたが形成外科のdrがおもしろい先生で長男は会うのを楽しみにしますようになっていた。
次第に肉が盛り始めぽこぽこと良質な肉芽がでてきた。わたしは感染させないよう長男の手洗いも自分の手洗いも徹底していた。何度も褥瘡に黄色ブドウ球菌がついてしまったのを経験していたから。

ぽこぽこと肉芽

そしてついに、、

 

傷が塞がった。塞がったばかりでまだ痛いらしく触られるのを嫌がっていた。肉が余計に盛り上がってこないようお風呂の時以外はテープで固定して押さえていた。この時には念願の砂遊びも水遊びも解禁し長男ははしゃいでいました。

そして7歳の今。

三角の傷跡は残ったままだけど痛みもなく肌がつっぱることもなく無事に成長しています。

長男が生まれてから食物アレルギーにアナフィラキシーに川崎病、点滴漏れ、そこへきて次男も食物アレルギー(負荷試験終)、小児喘息(ステロイド吸入中)、三男は熱性痙攣持ち、小児喘息(次男より重い)と次から次へといろいろあるけどみんなが笑顔で過ごせていること、かけがえのない毎日だなと思います。



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