わだかまり

わたしの「わだかまり」のイメージは、
角が円い、四角の吹き出しの中に、黒くて、細い糸が、ぐっちゃぐちゃに絡まっていること。

食道のように、やわらかくも狭い、生温い道に迷い込んだ、その食道の幅ギリギリの大きさの吹き出しだが、角の取れた形であるゆえに道の内壁を傷つけることはない。しかしながら、しっとり湿った、ぶにぶにと波打つ壁に翻弄され、上にも、下にも、進めない。
次第に、自分はどこから来たのか、わからなくなる。上だったか、下だったか。どちらに進めばよいのだ。上を見ても暗い。下を見てもまた、同じ暗さであることがわかる。

ガクガクと、きれいな平行移動はできそうにないことを悟りながら、その吹き出し、「わだかまり」は、不規則的に波打つ食道に揉まれている。

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