「家-1グランプリ」を見て思ったこと
5月3日にAbemaにて生配信されていた「家-1グランプリ」
大好きな霜降り明星のせいやさんが出場されるということだったので、正直あまり期待はしていなかったのですが、賞レース大好き人間なのでちょっとどこかでワクワクしながら見ていました。
「家-1グランプリ」とは、最も面白い“自宅芸”を披露した芸人を決める大会で、事前にTwitterへ投稿した動画で多くの反応を集めた芸人20組の中から選ばれます。5つに分けたブロックごとに予選を行い、1番ポイントを取った人が決勝ステージに進み優勝者を決めるという流れで、次長課長・河本さんやミルクボーイ・駒場さん、消しゴムでできた差し歯を入れていることで有名な吉松ゴリラさんなど幅広い芸歴の芸人さんが出場されていました。「何をやるか」への制限はなく、自宅で行うこと(同居していない人を家に招くのはダメ)というルールのみ、というのが非常にシンプルで、賞金が家賃1年分というのも他の大会とは違ってとても斬新でした。
正直あまり期待していなかったのですが(2回目)、趣向を凝らしたネタばかりで皆さん面白かったです。その中でも優勝の天竺鼠・川原さんのネタは「家だからこそできるネタ」みたいな、家という状況をうまく利用されていてとても面白く、大会の趣旨に一番沿っていて納得の優勝でした。2本目で岸部四郎さんのポスターが出てきた時は声出して笑いました。これです。
家を上手に利用する、という点では守谷日和さんの1本目のネタ(衣装を隠された歌舞伎役者が家に探しに来るというネタ)も「実際の家、というシチュエーション」が相まってとても面白かったです。
せいやさんのネタも、何度か見たことがあるにも関わらずどんどん面白くなっていく感じが、さすがせいやさんだなあとしみじみ思いました。比較的誰にでも理解されやすいモノマネというネタ、更に「タイトルを2回ずつ言う」リモートという聞き取りにくい状況に配慮した工夫(着替えや準備するための時間でもあると思いますが)などもさすがでした。何より、親の顔より見たあのせいやさんの自宅をいじってもらえたのは嬉しかったですね。霜降りファンにとってはあの謎のすりガラスの部屋や無駄に長い廊下には見覚え、というか愛情しかないですから。それに撮影するためにベッドの位置などがマイナーチェンジされていたところも、色々考えて掃除したのかなぁなんて想像できてキュンってなりました。ファンとしては優勝してAbemaで冠番組を持って欲しかったという気持ちがあったのでちょっと残念でしたが、✨準優勝✨という素晴らしい結果、おめでとうございました!
ただ、リモートという環境上、やっぱり通信状況の不安定さがネックになると感じた場面がたくさんありました。ミキ・亜生さんもネタ中に止まってしまって残念だったし、ナダルさんのネタ中には混線がひどくほぼ声が聞き取れませんでした。混線で言うとせいやさんのブロックの視聴者投票中に「(霜降りの)ファンが入ってきてる、しもふりチューブとか」的なスタッフのダークな声が入ってきてとても焦りました。芸人側とMC側の会話がうまく噛み合わずヒヤヒヤする場面も多々ありました。リモート収録×生放送という性質上、仕方ないことなのかもしれませんが。
またネタ中にMCや審査員の声が入ってしまう点も残念でした。おそらく観客がいないという状況を考慮し声を入れていたのだと思うのですが、笑い声ではなく的外れなツッコミの声など聞こえてしまうと、ネタとして楽しんでいるのに「そういうことじゃないんだよなぁ」って、なんか一気に冷めちゃうことってありませんか。逆に部外者からのツッコミによって面白くなってしまうパターンもちょっと私は苦手です。
リモートで行うことへのデメリットはそれなりにありましたが、その緩さもまた良かった気もします。リモートだからこそどこにいても(それこそインドネシアからも)参加できる、また、自宅を舞台にすることで、使える小道具の幅や芸の幅が広がり、非常にバリエーション豊かなネタができる、普段見られない芸人さんの姿や自宅が垣間見れる、そして同じ時間を同じ自宅という環境で共有している安心感?親近感?を感じられた、そんな点が家-1ならではの良さだなと思いましたし、漫才やコントだけではない賞レースのこれからの無限の可能性を感じました。
もし来年も開催されるとしたらどんな風に進化するんだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?