「アイドルを苦しめるのはいつだって好きの感情」について

アニナナ視聴中、思わず涙が溢れて、今でも忘れることの出来ない、百ちゃんの台詞です………。
アイナナ、「アイドル」と「ファン」の関係性に初めに鋭く切り込んでいったのがまさにこの場面だと思っていて……
それまでも十分に作品として面白かったんですが、これをきっかけに私はアイナナにより深くのめり込むようになったと思っています………根が、アイドルオタクなので………………………………

「アイドルを苦しめているのは、"好き"の感情」
…………………………………………………………ファンが、気づかないようにしていた、あるいは気づきたくなかった負の側面をこんなにもはっきり言語化されてしまい、相当苦しかったですね………………図星をつかれたような感覚です……………自覚も、思い当たる節も、たくさん、あるので…………アイドルとファンの関係って「好き」や「感謝」の気持ちだけで構築されるような、キラキラした関係じゃないことは身をもってわかっているので……………


以前、某アイドルの熱愛報道が出た時、嘆き悲しむファンに対しての発言で忘れられないものがあって。
「私たちはアイドルに何もかもを求めすぎ。そこに存在して、歌って踊ってくれてるだけでいいじゃないか」といった主旨の主張でした。(アイドルと恋愛の問題に関してはここで触れるととんでもなく長くなってしまうので割愛します…)この人の全てに共感出来ると言ったら嘘になりますが、「アイドルに求めすぎている」という内容に関しては、私もとても共感しました。
アイドルだから歌とダンスは頑張って欲しい、テレビや映像作品にもたくさん出て欲しい、いつでもお洒落な服を着ていて欲しい、もっともっと上を目指して広いステージに立って欲しい、恋愛も結婚もしないで欲しい、もっとグループの中で前に出てきて欲しい、コンサートで自分を見つけて欲しい、ファンサをして欲しい、好きなビジュアルで居続けて欲しい、プライベートを見せて(見せないで)欲しい、SNSを上手く使って欲しい、変化しないで欲しい、でもたまには挑戦も見せて欲しい、ずっとアイドルでいて欲しい、ファンを悲しませるようなことをしないで欲しい……………

一つ一つあげたらキリが無いけれど、私が思いつく限りでも、こんなにもたくさんの「して欲しい」を意識的・無意識的関わらず、私はアイドルに求めてしまっているんです……好きだからこそ、「こうあって欲しい」がどんどんどんどん強くなってしまうんです………猛省………………取り上げた方の発言のように、「そこに居てくれるだけ」で好きで居続けられたら、どんなにお互い幸せなんだろうな………って………何度も、思ったことがあるわけです………

こんなたくさんの期待という名の「"好き"の呪い」を背負うアイドルが、辛く無いはずが無いと思うんですよね…………全ての期待に応えようとしたら押しつぶされてしまうし、期待と本来の自分とのギャップに悩んだりとか、絶対に、一度(あるいは何度も)は辛い思いを経験しているはずなんです…………………アイナナでも何人ものアイドル達が思い悩んだり苦しめられたりする、そんな描写があったように……まさに「アイドルを苦しめるのはいつだって好きの感情」なんです……

すごく、大変なことを強いてしまっている自覚があるからこそ、アイドルという職を、あるいはアイドルである自分を好き!楽しい!って思っていて欲しいんです………………………………………………これは、オタクのエゴです…………わかっています……………………でも、辛い、大変、って思いながらアイドルを、していて欲しくないんです…………………………だってそれは、少なからずファンの「好き」が要因にあるから……………………

だから、私「アイドルの活動が本当に楽しい!」って思ってくれているんだろうなっていうのがこちらによく伝わってくる子を推しがちなのかな………………って…………………………………………思う……ん…………です……………………
相当、身勝手でわがままなのは、わかっているんです…………………………勝手にたくさんのことを求めて、期待して、でもそれを辛いと思ってほしくないから、楽しいって思っていて欲しい、なんて………………さ…………………… 自分が罪悪感を持たないために、アイドルちゃんを利用しているんじゃないか……って自分が嫌に感じたこともあります…………………………

「アンチ」と「ファン」って本当に紙一重だと思っていて。よく言われることですが、「好き」の反対は「嫌い」では無くて「無関心」だと思うので…。好きの気持ちがある(あった)からこそ、深く知っていく上で嫌な部分が目につくようになったり、「こうして欲しい」という期待が膨らんだりして、いわゆる「アンチ」になってしまう人が大多数なのだと…思っているので…。ただただ粘着質で誹謗中傷をタレントに浴びせる人も勿論います。ただ、やっぱり「嫌」になってしまう根本には、「好き」とか「期待」があったからこそ、というパターンがほとんどなんじゃないかな…と思うわけです…。

私も推しの嫌な部分が目に付くことはたまにあるし、「こうしてくれたらいいのに」と全く思わないわけては無いです。でも、それを本人や、ファンに伝わるようなことはしたくないと思っています……。負の感情って見てるだけで引っ張られるし、好きな人が悪く言われて誰もいい気はしないと思うので…
もし今後推しが「変わってしまった」「自分の好きな推しでは無い」と万が一に感じることがあったとしても、それは私がターゲットの顧客層では無くなった、と思い、そっと距離を置けるようになりたい、と思っています…………………………いやそう簡単にはぜっっっったい無理だけど…………………………間違っても、「なんとかして自分の理想の推しに変えよう」なんて思わないように………………(これは今現在も気をつけたい……)
それがせめてもの推しを苦しませない方法なのだと、思う……ので…………………………


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