見出し画像

原因不明の不妊症の方への鍼灸師の私の見立て方

私は鍼灸師として不妊で悩まれている方をささない鍼とお灸を使って妊娠しやすい身体に変えるお手伝いをしています。

不妊の原因として挙げられるのが、多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害・黄体ホルモン機能の低下、子宮筋腫や子宮形態異常による着床障害、卵管癒着による受精障害などですが、これらは薬や手術といった西洋医学の力を借りて改善していく余地があると思います。
しかし、原因が見つからない・分からないといった原因不明の不妊症の場合は、不妊解決の糸口が見つからずに何をすればいいのか分からない方や、クリニックから処方された薬をとりあえず服用しているけれども、これで大丈夫なの??と疑問や不安を抱いたまま妊活をされている方がおられると思います。
鍼灸は、そのような方々を妊娠しやすい身体に変えていくのに有効な手段です。
そこで、鍼灸施術を行なっていく際に、私の見立て方を書いてみたいと思います。

私は患者さんを見る時に、必ず子宮・卵巣に栄養を届ける道の状態を確認します。
なぜなら、この道を見れば患者さんの今の妊娠力がどの程度あるのかが推測できるからです。
道が胃とつながっている状態がもっとも妊娠しやすく、その次は食道や頭(脳)とつながっている状態です。
逆に、道がどこにもつながっていない場合や道がない場合は妊娠しにくい傾向にあります。

妊娠しやすい人の道は、直径が5センチ前後で立体的に見えます。
この道は血管や神経ではありません。
また、おそらく実際に見えるものではないでしょうから、レントゲンやMRIを使っても確認することはできないと思われます。
それゆえ科学的根拠はなく、この道の存在について説得力に欠けるかもしれません。
しかし、人体が発している気(オーラ)が見える人やそこから健康状態や精神状態を読み解く人がいるように、私が見えている道は、気の集合体を見ていると考えるとわかっていただけるのではないでしょうか。
おそらく、私と同じように道が見えたり感じたりする人がおられると思います。

道を見る方法は特に難しいことはしません。患者さんをただ見ているだけです。
患者さんに意識を持っていきますが、凝視はしません。
感覚としては、電車やバスの窓から外の景色を眺めているよりは上、美術館や博物館で展示物を見るよりは下といったところでしょうか。
患者さんが座った姿勢でも横になっていても見ることができます。


実際の症例として、ある患者さんの場合
病院で検査をしても原因が見つからずにどうしたらいいか行き詰まり、何か別の方法を試してみようと来院されました。
問診を終えて、子宮・卵巣に栄養を届ける道を見てみると、とても細くて弱々しい状態でした。この状態はまだ妊娠する力が足りないことを示しています。
なぜ、そのような状態になっているのか、脈やお腹などを東洋医学の診察方法を行うと、この患者さんは体温調節機能に問題があって、体が熱くなったり冷たくなったりして、体温が安定しにくいことで道に負担をかけてしまっていて、道の状態がよくないことが考えられました。
その原因はどこにあるのかを見つけるために、さらに詳しく診ていくと胃と脾の働きが良くないことが分かりました。
西洋医学では原因不明の不妊と診断されたようですが、東洋医学の診方では脾胃の弱りによる不妊と診て、妊娠しやすい身体になるように施術をしていくことができます。

もう一例、この患者さんも原因不明の不妊症とクリニックで言われて、排卵誘発剤を服用していたそうですが妊娠する気配がないことから、来院されました。
道を見てみると、子宮・卵巣から伸びた道は短くて胃まで届いていない状態でした。
この状態では必要な栄養を届けることができないことが伺えます。
排卵誘発剤を服用しても、それが十分に卵巣に届いていたか気になりました。

脈やお腹などを東洋医学的に診ると、腎(蔵)の働きが良くないことが分かりましたので、鍼灸施術は腎の働きを整えることを柱として行なっていきます。
この方は腎の弱りによる不妊と診て、妊娠しやすい身体になるように施術をしていくことができます。


以上のように、原因不明の不妊症の方も、道の状態や東洋医学の観点から診ると不妊解決の糸口が見つかることがよくあります。
また、この道を指標として患者さんの妊娠力のつき方を見ていくこともできます。
正しい施術を行なっていれば道は完成していきます。
週一回のペースで施術を受けられると、多くの方が数ヶ月〜1年半くらいで子宮・卵巣から胃につながり妊娠しやすい身体に変わります(妊娠されます)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?