しっかり者
しっかりしてるからと頼られる。
甘えられる。
小さい時から「なんでそれ私に言うことにしたの…」というとんでもない衝撃の秘密を話されることがあった。
会社の人もよく相談してくる。
母親もいつまでも寂しい寂しいと頼ってくる。
姉は基本的に自分が悩みがある時しか連絡してこない。
私の話は上の空で聞いていない。
しっかりしてる、強い人、信念持っている人、なのかな…
そうかもしれない。生まれた時からそうだったかもしれない。
「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」
漱石先生の哲学書が胸にズドンと響いた15歳。
ふんわりとした思いを言葉にしてくれた先生。
私はこの言葉と生きてる。
しっかりしてるのか、しっかりしないと生きられなかったのか、分からない。
ところが私はしっかりなんかしていない。
崩れ落ちそうなところで踏ん張って、サバイバルスキルがなんとなく上がっているだけ。
寂しくて、苦しくて、頼りたくて、甘えたくても、状況が許さなかったから、しっかりするしかなかったのに、結果可愛げがない女ができあがったようです。
頼れる女が好きな男は、こちらが弱っているとき頼りならないという。決めつけてはいけない?
そして孤独が待っています。
分厚い仮面が本物の顔のように巧妙に作り上げられています。
みんな、そんなものですか?
かわいい女になれないし、かわいいままでは恐ろしくて生きられない。
女である前に私は人。
しかし女でもある。
八方美人とも言われるが。
もう何なのかわからない。
アイデンティティは、私の中でいまだ構築されていないのか。
それにしても生存本能の強さには驚かされる。
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