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"改札"ではなく"棒"のデンマークの駅

 デンマークでは日本のSuicaに当たるRejsekort(ライセコート)が国内どこでも使える。電車の駅とバスターミナルが併設されていることが多く、バスもこのカードで乗ることができる。これだけなので非常に理解しやすい。また、信用乗車制を採用しているため駅に改札が無く、改札付近での混雑もない。郊外では駅のプラットホームが道路や歩道と地続きになっているので街に溶け込んでいるように見える。

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 駅に改札がない代わりにライセコートをタッチするための棒が立っており、切符や定期券は時々車内でチェックされる。チェックされる頻度はそれほど多くないのだが、自分が定期券を持っていたとしても車内でチェックする人に遭遇すると少し驚く。チェックされたときに切符や定期券を持っていないと、750DKK(およそ12,000円)の罰金を取られる。

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 私の友人でも何人か、定期券のエリア外であったり急いでいて駅のホームに設置されている「棒」にタッチし忘れてしまい、罰金を取られたと聞いた。私も駅でチェックイン(デンマーク語ではcheck ind)し忘れて次の駅までドキドキしたり、そもそも駅にある「棒」がすべて故障していてデンマーク人も文句を言っていることがあった。このような状況ではチェックインできなかったと主張すればいいのだろうかと考えつつ電車に乗るのだが、そういうときに限ってチェックされないのである。

 チェックする人には厳しい人も優しい人もいるようで、ある友人は「駅でチェックインした」と主張しても受け入れられず罰金を科されたと言っていた。私はデンマークに住み始めたころ、駅でチェックインするのを忘れてしまいそのまま電車に乗ってしまったことがあった。かなりドキドキしているとチェックするおじさんが来て、正直に忘れたことを伝えると「次の駅で一緒に降りてタッチしよう、内緒だけどな」と言われ、次の駅で一緒にホームに降りた。二人でホームにいる間に電車が出発してしまわないのだろうかと心配していたのだが、そのおじさんが電車のドアの開閉も管理していたので電車が出発することはなかった。

 コペンハーゲンを走っている電車は基本的に真っ赤なのだが、初めて乗った時にはその車内の作りに驚いた。何両かに一両は自転車を載せることのできる形状であり、大きなベビーカーにも優しい。

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 そして行き先が電光表示板に掲示されているのであるが、それも非常に分かりやすい。その路線の全ての駅が並べて表示してあり、現在どこを走っているのか分かるようになっている。通勤快速のようなものに乗った時には、止まらない駅は表示されずに消えているので、直感的に理解できた。

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 デンマークの電車やバスの乗り換えアプリにrejseplanenというものがあり、とても使いやすいデザインであった。(主にコペンハーゲンを中心に生活していたので、デンマーク全体の話ではないことをここで断っておく)電車もバスもよく遅れるデンマークにおいて、アプリ上ですべてのバスと電車の位置が把握できることはとても便利だった。もちろんGPSがズレていることもあるのだが、寒い日にどのタイミングで部屋から出ればいいのか決めるヒントになった。

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 そもそもコペンハーゲンはそこまで大きな都市ではないので東京やロンドンのように地下鉄が張り巡らされているということはないが、誰にでも分かりやすくデザインされていると感じた。路線名はアルファベットになっていて、バスも行き先はデンマーク語なのだが路線ごとに数字が振ってあるので、その数字のみで判断することも可能である。また、バスは路線によって黄色または水色、都心部の電車は赤、そして2025年に完成するライトレールは緑色である。

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サムネイル画像:https://www.dinletbane.dk/en/the-vision/

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