散骨の流れと事前準備について解説。

海洋散骨をおこなうには、どのような事前準備が必要でしょうか?
ここでは、海洋散骨の相談から申込み、そして当日の流れについて解説します。

■散骨とは

海洋散骨は、祭祀の目的をもって、故人の火葬したあとの焼骨を海洋上に散布することをいいます。(一般社団法人日本海洋散骨協会ガイドラインより)
自分の死後は自然に還りたい、大好きだった海に眠りたい、といった故人の意志や、様々な事情でお墓に入れない、お墓を持てないという悩みをお持ちの方に最適な葬送方法とされています。
海洋散骨の方法として、「船舶でおこなう方法」と「ヘリコプターやセスナ機で沖合いまで飛び、空から撒く方法」があります。

■散骨の流れ

◇事前相談・生前申込み

まず、海洋散骨を検討されているなら、信頼のできる事業者に相談しましょう。ホームページや取り寄せた資料の情報だけでなく、実際にスタッフの方の対応をみて判断することをお薦めいたします。
すぐに散骨をすることが決まっていなくても、生前から相談しておくことも可能です。実際にどのような場所で、どのように海洋散骨がおこなわれるのか、事前に把握するために、散骨体験クルーズがおこなわれている海域では参加してみるのもよいでしょう。

◇申し込み

海洋散骨の申し込みは、対象の方がご逝去されてから、ご火葬後に正式に書類を揃えておこないます。
・申し込みに必要な書類
事業者の所定の申し込み用紙のほかに、「埋葬許可証」のコピーが必要になります。「埋葬許可証」とは、自治体が発行する「火葬許可証」に、火葬場の火葬証明の印鑑が押されたもので、焼骨を墓地に埋葬する際に必要となる書類です。
墓埋法第14条「許可証のない埋葬等の禁止」では、墓地の管理者や納骨堂の管理者に対し、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を受理しなければ遺骨を埋葬、収蔵してはならないと規定しています。
現在のところ、散骨業者に対する許可証受理の規定はありませんが、お預かりするご遺骨が事件性がないことを証明する書類として、提示が必要になります。
・葬儀後に埋葬をしないで散骨する場合
「埋葬許可証」は、火葬場で納骨後に発行され、ほとんどの場合は骨壺と一緒に収納されています。墓地に埋葬する場合は、許可証を管理者に提出しますが、散骨の場合は提出の義務はなく、複写を提出する場合がほとんどです。
全てのお骨を散骨せず、分骨して一部を散骨、一部を納骨する場合は、埋葬許可証の原本が必要になりますので、遺すお骨と一緒に保管しておきましょう。
・お墓に埋葬している遺骨を取り出して散骨する場合
長くお墓に埋葬されているお骨は、埋葬許可証が保管されていないことも多いです。遺骨を墓地から取り出して、別の墓地あるいは納骨堂に移動する際は、「改葬許可証」が必要になります。「埋葬許可証」が存在しない場合、「改葬許可証」がその代わりの書類として有効ですが、すべてを散骨する場合は、自治体で「改葬許可証」が発行されないケースもありますので、その場合は、墓地の管理者に「遺骨引き渡し証明書」を発行してもらいましょう。
埋葬されているお骨の関係性が明らかでない場合は、「除籍謄本」などの書類が必要になる場合もあります。詳しくは事業者に相談しましょう。
なお、お墓に埋葬されている遺骨を取り出して散骨する場合は、書類の手続きに時間がかかることと、お骨が水分を含んでいたり、土と混じっていることが多く、洗浄・乾燥のプロセスが必要となりますので、予め余裕をもったスケジュールで申し込みましょう。

◇遺骨の引取り・郵送

散骨の申し込みが決まったら、粉骨のために事業者に遺骨を受け渡しをする必要があります。粉骨に立ち合う場合は、ご自身で遺骨を事業者に持ち込みますが、遠方などの理由で、運ぶことが難しい場合は、引取り、あるいは郵送という方法を取ります。
大切なご遺骨は、できるだけ対面で受け渡しをすることをお薦めいたします。対面することにより、事業者のスタッフの対応を確認したり、細かい要望を伝えるなどその場での打合せが可能になります。
やむを得ず郵送する場合は、骨壺が割れないように厳重に梱包し、「コワレモノ」扱いで送ります。なお、国内で遺骨の郵送が許可されているのは、郵便局のみです。民間の宅配業者は、原則として、約款で遺骨を運ぶことを禁じています。

◇粉骨

令和2年度厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」研究報告書より発行された「散骨に関するガイドライン」においても、「焼骨は、その形状を視認できないよう粉状に砕くこと。」ということが規定されています。
一般社団法人日本海洋散骨協会では、1mm~2mm程度というガイドラインを定めていますが、いずれにせよ、遺骨はそのままの状態で海に手向けることはできません。(刑法190条で定める「遺骨遺棄罪」に抵触する可能性があります)
粉骨は、お骨の量が極めて少ない場合は、乳鉢を使って手作業でおこなわれる場合もありますが、ほとんどの場合は粉骨の機械を使って砕きます。
パウダー状になった遺骨は、海洋散骨のために、水溶性の袋に納めます。
また、手元供養として手元に遺す場合には、粉骨の際にお骨を取り分けることが多いです。
粉骨~袋詰めまでのプロセスは、事業者に任せる場合と、立ち合う場合があります。袋詰めの作業をご家族でおこなうことができる事業者もあります。

◇出航

粉骨が終わり、海洋散骨の事前準備が整ったら、いよいよ散骨当日を迎えます。海洋散骨は、お天気に左右されますので、前日までに気象情報などはチェックしておきましょう。船は、定刻に出航しますので、集合時間に遅れないように桟橋に到着しましょう。
・散骨式
出航に先立ち、ライフジャケットの着用や、スタッフや船長から諸注意や挨拶があります。出航してから散骨ポイントに到着するまでの間に、船上でセレモニーをおこなう場合もあります。参列者が祭壇に献花をしたり、代表の方が挨拶をする、場合によっては宗教者が乗船することもあります。
「こうしなければいけない」とい伝統的なしきたりがあるわけではないので、どのようなお別れの時間にしたいか、担当者とよく相談しましょう。
海域や船の形状によっては、散骨ポイント以外の場所で何かをすることは難しい場合もあります。
・海洋散骨
散骨ポイントに到着したら、デッキに移動し、遺骨の散布をおこないます。船は止まると揺れますので、移動する際は足元に十分気を付けましょう。
袋に入った状態のお骨を、どのように海に手向けるのか、担当者の指示に従います。
・献花・献酒
お骨と一緒に海に撒くものとして、お花や、故人が好きだった飲み物やお酒などを用意します。花は、包装紙や茎を取り除き、花弁だけの状態にして、出来るだけ環境への負荷を軽減します。最近は、水溶性の紙で作ったエコフラワーなども使われます。飲み物の中でも、とくにお酒は大量に撒くと海洋汚染に繋がりますので、節度ある分量にしましょう。
・黙祷
海洋散骨の最後に、海に向かって黙祷を捧げます。スタッフが船に備え付けられている号鐘(マリンベル)を鳴らしますので、静かに海に還る故人に想いを向けましょう。黙祷後、海況がよければ、船は散骨した場所を中心に旋回し、ゆっくりとその場を離れます。

◇帰航

船が桟橋に帰航したら、記念撮影などをおこない、解散となります。
・散骨証明書などの受取
散骨したポイントの緯度・経度、そして日時が記載された散骨証明書は、後日、事業者より郵送で送られます。
一般社団法人日本海洋散骨協会では、加盟事業者が散骨をおこなった緯度・経度の情報を保管しています。
・散骨後のメモリアルクルーズ
散骨したポイントの緯度・経度は、故人の墓標と同じ役割であると言えます。散骨をおこなう船舶には、GPSが備え付けられていますので、再び同じポイントに向かうことができます。散骨後、一周忌、三回忌、七回忌などの節目やお彼岸、お盆、故人の命日月などにあわせて、定期的にお参りにいくことが可能です。船をチャーターする場合が一般的ですが、合同乗船によるメモリアルクルーズが運航されている海域もあります。

■海洋散骨に関するお問い合わせは「ブルーオーシャンセレモニー」へ

海洋散骨について検討されているならば、2007年の創業以来、圧倒的な実績で業界を切り拓いてきたブルーオーシャンセレモニーに、まずはご相談ください。

◇故人とのお別れに後悔したくない方

海洋散骨は、ほとんどの方にとって、はじめて経験するお別れの方式です。
一度散骨をしてしまうと、二度とやり直すことはできません。納得のいくまで十分検討し、些細なことでもお尋ねください。

◇3つのプランから選べる

ブルーオーシャンセレモニーでは、お客様のニーズに合わせて、チャーター、合同、代行の3つのプランをご用意しております。それぞれのプランには、メリットとデメリットがございますので、最適なプランをご検討下さい。詳しくは、コーディネーターがご相談に応じてご提案差し上げます。

◇コーディネーターがサポート

「散骨コーディネーター」という職種は、ブルーオーシャンセレモニー独自のプロフェッショナルの呼称です。葬祭業などで多くの経験を積んだスタッフを中心に、チームでお客様の対応をおこなっています。年間600件以上の散骨施行件数を対応しているコーディネーターが一人ひとりのお客様を丁寧にサポートいたします。

■まとめ

海洋散骨の事前準備、そして流れについて解説いたしました。
まず、散骨をおこなうことを決めた場合には、施行の日時と、粉骨あるいはお骨の引き渡しの日時を決めて、それに合わせてスケジュールを組んでいくことをお薦めいたします。春と秋の繁忙期には、予約が難しい場合もありますので、早めに日時を押さえることは重要です。

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