少女ファイトはいいぞという話


noteに登録したならこれは是非記事にしたいと思っていたので、記事にしました。
既にご存じの方はご存じかもしれませんが、少女ファイトという漫画の話です。
レビューと言うより、私の私的な感想の部分が多いと思われます。


ファンの間では「人生のバイブル」「人生の早いうちに読みたかった」などという言葉が出てくるこの漫画。
中身はバレー漫画なのですが、バレー漫画と一言で納めるには難しすぎるくらい、深いテーマや複雑な人間関係、複雑に変化する人の心の動きが描かれています。

↑作者さんは「G戦場ヘブンズドア」などを描いてきた日本橋ヨヲコ先生です。



少女ファイトとの出会い

少女ファイトとはいいぞ!と五月蝿い私ですが、実は少女ファイトとの出会いはまだ最近で、始めて読んだのは2023年の去年となります。
コミックDAYSと言う漫画サイトで、全話無料キャンペーンを行っており、そこで読んだのがきっかけでした。
読んでいて、度肝を抜かれました。めちゃめちゃに面白いのです。

この漫画、実は2006年から連載をしている漫画らしいのです。
私はこの辺チェックが甘いので、去年までの間ずっと、こんなに面白い漫画を見落としてたと言うことです。なんてこった。
全話無料してくれてありがとう……。そしてそれを宣伝してくれたファンの方々、ありがとう……!!

少女ファイトはいいぞ

漫画を紹介するなら、まずは一番好きな台詞を紹介したいところなのですが、この漫画で私はそれが行えませんでした。

好きな台詞が多すぎるのです。
次点で、好きなシチュエーションなどの紹介にしようかと思いましたが、これも好きなものが多すぎるので選べませんでした。

そして何より、最初にぶち当たったのは言葉と漫画という情報媒体の持つ、特性の違うもので良さを伝えるのが難しいと言うことです。

個人的に、少女ファイトは文字という媒体で非常に説明しにくいところに面白さがある、というタイプの漫画と感じています。
と言うのも、そもそも言語では説明のしにくい、感情の揺れ動きなどを「漫画」と言う絵と文字の組合わさった媒体で行える情報伝達力のインパクトやメリットをフルに使って面白さを表現している漫画だと感じました。
私も何度か試みたものの、文字で説明した段階ではどうやっても、漫画の面白さを伝わりやすく説明するのは難しいです。

SNSで良く見かけるこの画像、少女ファイトのものでした。
ネット上でこの画像と共に発信される情報と、漫画を読み進めてこのコマを見たときでは、かなり印象が違い、驚きました。

上記の画像のように、少女ファイトはその台詞だけでも印象に残る、キャッチーな台詞が使われるシーンが非常に多いです。
しかし、この漫画の驚くべき所は、その1コマだけ見て台詞を読んだ時と、前後の流れを含めて台詞を読んだ時では印象が全く違うというところです。
漫画などで、前後の流れを見ていないと台詞の意味を勘違いをしてしまうと言う現象は良く見かけますが、少女ファイトはそう言った流れが多いように感じられました。

この漫画の好きなシーンを紹介しようとすると、前後の流れの説明も必要になってしまい、文字媒体では説明がしにくいのです。

結果として、ストーリーなどを面白いと感じるが、具体的な説明ができないので、とにかく「少女ファイトはいいぞ!」「少女ファイトを読んでくれ!」と叫ぶ事にしています。

言語野が発達した人々が多くいらっしゃる場で探せば、きちんと説明が出来る人もいるのかもしれません。
この辺の説明がお上手な方をお見かけした方、もしお見かけしていたら教えてください。私の命が助かります。

こちらの名言も、SNSでよく見かける気がします。

少女ファイトが面白い

さて、前置きで話した通り、私の言語能力ではこの漫画の面白さを十分に紹介は出来ないのですが、少女ファイトはいいぞと言っておいてなんも書かないのはアレなので、出来る限り足掻こうと思います。


まずは少女ファイトの概要の紹介ですが、この漫画はバレー漫画です。
題名通り、少女達がバレーコートを舞台に戦うスポーツ漫画となります。

スポーツ漫画でありながらテーマが重いのが本作の特徴ですが、スポーツ漫画の醍醐味であるライバルチームとの激突やその間で育まれる友情の爽やかさ、躍動感のある描写やスポーツというものの持つ爽快感などは要所できちんと残っているという、非常に異色の作品であると感じています。

序盤のストーリー

主人公は「大石 練(おおいし ねり)」という、姉の死をきっかけに心を病んでしまった、高校1年生の女の子です。バレーの実力が高いに関わらず、他者と距離を置いてしまっているため、周囲から実力を理解されない練。本人はそれでも良いと思っていたのだが、ある出来事が原因で「黒耀谷(こくようだに)高校」に転校することになってしまう。新人への指導が厳しいせいで、バレーボール強豪校でありながら、部員が3人しかいない黒谷女子バレーボールチームに入ることになった練は、どうなってしまうのか……!?そして、そこから話が一気に進みます。

キャラが濃いから面白い

私はこの漫画の話になると、展開が面白い!ストーリーが面白い!と言いがちですが、実は魅力的なキャラクターも豊富で、すぐ好きになりました。
この黒耀谷女子バレーチームも例外ではなく、初っぱなから飛ばしまくりで属性てんこもりの濃い人達が大量に出てきます。

理事長の娘で、飄々としており掴み所のない性格のバレーチームキャプテン「犬神鏡子(いぬがみ きょうこ)」、鏡子の幼馴染みで彼女のメイドでもある、ドがつく程に真面目な「鎌倉沙羅(かまくら さら)」、少し常識外れな前述2人のバランサー役であり、頼れるぽっちゃりお姉さんな「蜂谷ユカ(はちや ゆか)」の2年組から始まり、アイドル並みのビジュアルを持ち、天然で明るい「長谷川留弥子(はせがわ るみこ)」、ストイックで練と張るくらいにバレーが上手いが、気が強くツン感の強い「伊丹志乃(いたみ しの)」、ギャルで男を見る目がないが、仲間思いで愛嬌のある「早坂奈緒(はやさか なお)」、奈緒の幼馴染みでそこらの男より男らしく、熱くなりやすい性格の「延友厚子(のぶとも あつこ)」、そして入学テスト主席の秀才で、バレーボール初心者の漫画家志望でありながら、何故か女子バレー部に入部することになった「小田切学(おだぎり まなぶ)」の1年組と、
この時点で既に属性が濃い人達がわんさか出てきます。

これだけ出てくると、全員分の名前を覚えきれないと嘆く方もいらっしゃると思います。私もそうでした。しかし大丈夫。何故か読んでいると、名前をきちんと覚えてなくとも、話の流れや前後の会話内容などで誰の会話だか、誰を示しているのか、なんとなく分かります。

↑先生のX(旧Twitter)のpostから。黒耀谷チームだけでキャラクターが9人居ます。(マネージャーや監督も出てくるので、実際はもっと人数が出てきます。)


キャラが絡むから面白い

この黒耀谷女子バレーボールチーム(通称「黒耀谷ストレイドックス」)、入部した部員がほとんど「ワケあり」という非常に癖の強いチームです。
正直、この時点で既に面白いのですが、驚くべき事に話が進むと更に面白くなっていきます。

キャラクター同士が絡むことにより、キャラクターの性格が多角的に理解できるようになっていくのです。
端的に言えば、話が進めば進むほど、「キャラの新しい一面がどんどん出てくる」のです。

この辺り、ワールドトリガーを読み進めた時と似たような感覚を感じています。あちらもコアなファンが多いですね。

少なくとも、ワートリのキャラクターの関係性全般が好きな人は好きになってくれると思います。逆に、この漫画の関係性全般が好きな人にワートリを勧めればハマると思います。お互いに勧め合えば永久機関が完成できそうですね。

ともかく、キャラクターの関係性が大好きな人が楽しめる作品であることは確かです。

ストーリーが面白い

言わずもがなですが、この漫画はストーリーも面白いです。
ストーリーについてはネタバレになりやすいので深く語りにくいのですが、スポーツのリアルな泥臭さにフィクションの要素を上手く組み込むことでドラマチックに仕上げて居るな、と感じています。

いやもう、本当に面白いんです。信じてください。

これもどこが好きかと言われると選べないのですが、春高の選抜試合が終わり、いざ春高に臨む!と言うところで部員全員のパワーイベント合宿があると思っていたのですが、練さんが全日本に召集されたので、普通に全日本編合宿編に突入したところは死ぬほど度肝を抜かれましたし、その後も何度か抜かれました。
私の肝臓は1つしかない筈なのにおかしいぞ。

異色の戦いが面白い

この漫画は、スポーツ漫画としては異色の戦いを描いている所が多いなと思っております。

異色と言っても、某サッカーのゲームのように超次元な試合の応酬があったり、宇宙人がバレーボールを武器に地球に攻め込んでくるような展開の異色さではありません。

バレーの試合の外で、監督達や試合の運営者と言った、大人達の戦いが起こっているのです。
勿論、子供達もガッツリとこの戦いに巻き込まれるし、ふりまわされる時もあります。
試合の外で起こる大人達の戦いを見ることによって、試合に参加している選手達はまだ未成年であるという事実や、高校生という、大人と子供の間にちょうど位置する難しい立ち場なのだと実感することが出来る気がします。

この漫画は大人達もかなり癖が強く、同時に魅力に溢れているので、渋い立ち位置のキャラクターが好きな人にもおすすめです。

大人になったG戦場ヘブンズドアの面々も出て来ます。
旧来のファンは嬉しく、同時に彼らの話はメインキャラと絡めて軽めに出てくるので、
まだG戦場を読んでいないファンも楽しく読める良い案配の露出です。

最後に

と言うわけで、お気に入りのキャラクター、大好きな関係性など、まだまだ語れることはあるのですが、長すぎる記事になりつつあるのでこの辺りで締め括りたいと思います。

ほとんど私的な感想に関わらず、最後まで読んでくださった人は、ありがとうございました。


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