ドロップ缶を蹴っ飛ばす、青灰色の街

6時19分。

歯みがきをしている。一定のリズムで。
今日は午後にあたらしく住む家の内見へ行ってきた。2DK6万5千円。バストイレ別。古いマンションだけど、造りは鉄骨だし独立洗面台もあって、かなり条件がいい。3階なので、窓から街が見わたせる。再来週あたりに引越しだ。

21時30分、出勤。店は暇だったが、だらだらと来店が続いてけっきょく3時まで開けていた。かなり疲れていたけど、家の下に着いたあたりでものすごくお腹がすいてしまい、よしラーメンを食べにいこうと決めた。

ただいま、と扉をあけると男が走りよって、ぎゅうっと抱きしめてキスをする。おかえり。ねえ、めっちゃお腹すいたからラーメン食べいこう。俺もめっちゃ空いてる。いこういこう。
まだ電車はないので、3駅ぶん歩いて向かう。そのあいだ部屋の家具をどう置くか、ああでもないこうでもないと話しあった。
手をつないでいるのに男の指先はずっとつめたくて、私の手は温かい。ポケットの中で温度を分けあう。

朝方にたべるラーメンは最高。帰りは始発の電車にのった。そのまま一緒にお風呂にはいる。
男が髭をそる仕草が美しくてすきだ。
そろそろ眠ろう。

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