ミスタードーナツ8808号で遠くまで連れてって


22時25分。

ティッシュ配り。ヘルプで他店舗にまできてティッシュ配りをしております。焦げた肌色をしたイカつめのお兄さんに渡したら、あっさりもらってくれた。ローカル電車が走りだす。田舎だと風情があるけど、東京だとなんだか地味だ。

他の女の子たちは客のあれこれや、パパ活したいよねなんてことばかり話している。食事で2万くらいでいいよね。わかる。でも食事だけなんて、そんな都合のいい話はありえなかったよ。ああ寒い。ハイヒールってこんなに薄いのか。すこしずつ爪先の感覚がなくなってきた。ミスタードーナツの店の灯りはいつの間にか消えている。

3時48分。

足が痛い。今日は仕事中、トイレですこし泣いた。どうでもいいことだった。私にとって大切なことではなかった。仕事においては必要なことだった。それでもどうしようもなく抗いたくて、けれど事実は離そうとしない。逃げたくなった。はやくすべてが終わってしまえばいいと思った。消えたい。文字に打つと、するりと毒が抜けていくような気がするね。気がするだけだよ。ねえ、はやく帰ろう。

家のちかくのコンビニでチョコレートを買った。許してほしくて。あーあ、甘すぎるよ。ほんと、ばかだなあ。

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