すりぬけた窓

21時18分。

バイトが時短営業になってから、はじめて出勤した。店内には客がひとり。女の子ふたり。しゃべり声がやけに響いていた。営業をかけてなんとかもうひとり客を呼び、20時に閉めた。

帰りに豚こま、もやし、おつまみのスナック菓子を買う。ビールも買ってしまおうか悩んだけど、赤と白のワインが中途半端に残っているのでやめた。自転車をこいで冷えた風と一緒に走る。

走りながら思いだす。この間のラジオ収録での不穏な空気は一向に解消されず、もう集まらない雰囲気になった。許せないことは許さなくていい、ともちろん思う。だけど、私はできるだけ許していきたいと思う。どちらも人間なのだ。許しても許さなくても、どちらも人間味があって好きだ。けっきょくあの集まりがどうなるのかはわからない。正直もうどうだっていいような気がする。片方のイヤリングをなくしたときみたいだ。あ、なくなった。まあいっか。って。いつか出てくればいいなあ、みたいな。

あしたは休み。給料日。

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