16時39分。

夕日に差しかかった光が右頬を容赦なく照らしていてあつい。私のとなりに座っている男があと4ページだけ読ませて、と言ってからおそらく10分は経っているだろう。彼とは先週の木曜日に飲んでいた居酒屋ではじめて出会い、その次の日も同じ店でWBCを観る約束で一緒に酒を飲み、そして今連日の雨が嘘だったかのように青々と晴れ渡った空の下、まぁまぁ大きな公園のベンチでふたり本を読んでいるわけです。パン屋でコーヒーとサンドイッチを買って食べ、それから2時間半くらいほぼ無言で各々の好きなように時間を過ごした。ぼーっと景色をみていると面白い。日曜日だからか大抵は子どもたちとそのママさんたちで賑わっていて、かと思えば知らぬ間に子どもたちが入れ替わったり、車椅子で散歩している老夫婦や棒のようにじっと立っているだけの謎のおじさんがいたりする。ひさしぶりに昼間にでかけて穏やかな時間を過ごせているな。そういえば公園へ向かっている途中のちいさな神社の空気が澄んでいた。参道の両端に白い花が咲いていて、住宅地だけどあの場所だけはもっとべつの神聖な匂いがした。きっと守られているんだね。子どもたちよ、おとなたちよ、どうか伸び伸びと過ごしてくれ。

23時47分。

電車。2日連続で朝までのんだツケが今きている。眠すぎる。0時くらいになったら折り返し連絡すると行ってしまったのでどうにか起きていたい。ホワイトデーに頂いた客からのシャンパンを、元彼と飲むかじん君と飲むかなやんでいる。

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