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JC120(ギターアンプ)のガリ修理

こんにちは!
某音楽スタジオ店長の「アジ太郎(仮)」です。
修理代を少しでも軽減するために、独学で勉強しながら修理してます。

今回は音楽スタジオであればどこにでもあるJC120の「ガリ修理」をしましたので参考になれば嬉しいです。





プロローグ

ある日、いつも通り学生のバンドさんを部屋にご案内し
いつも通り、店舗の売り上げをどう上げようかと考えていたその時でした、

「ガリガリ」

爆竹が爆発(少し大袈裟ですが)したかのような音が聞こえて来ました。
いつもは部屋の扉を閉めていると防音の為聞こえないのですが、
その時は扉を閉めずに音出しをしていました。
学生の方たちは気にせずそのまま利用してくれましたが、
スピーカーが心配だったり、スタジオの印象も悪くなってしまう、、
店舗の売り上げより、そっちを今すぐにでも治したいところ。


ちょっとスピーカーチェック。。

お客さんが帰ったところで、待ちに待った修理開始、、の前にスピーカーをチェック。。

特にスピーカー割れもなく無事でした。
中のコーン紙をライトで照らすと簡単にチェックできます。
スピーカーは重いし取り付けも大変なので破損もなく一安心。

そしてガリの原因である「ポット」を見ていきます。


ポットとは

まず先に、修理開始前にガリの原因となっている「ポット」について説明していきます。

ポットとは主に『可変抵抗器』のことを指しています。

可変抵抗器とは機械的な位置の変化をアナログ電気信号に変換する電子部品です。

英語ではPotentiometer(ポテンショメータ)といいますが、アルプスアルパインでは、昔からオーディオ機器のボリューム調整に使われていたことからボリュームとも呼んでいます。

AlpsAlpine

Potentiometer(ポテンショメータ)の「pot」をとってポットと呼んでおり、
電子業界の人よりも主に音楽業界の人がそう呼んでいます。
詳しくはAlpsAlpineさんの記事をご確認ください。


修理開始

上の6個のネジと左右側面のネジをとると中身が取り出せるようになっているので、固定しているネジが曲がらないように注意して取り外し

JC120の中身

ネジを取ったらタンスの引き出しのように中身を引き出すとポットが見えてました。赤丸の場所がVolumeポットのパーツになるのでこちらを洗浄していきます。(他のポットはガリがなかったので今回は洗浄しません)

CH2の基盤

繋がっているケーブルを外し基盤を見てみると汚れが溜まっていました。
基盤に接点復活剤?がついていたので恐らく表から適当に復活剤をかけたのかも。。。
基盤や電子パーツにも影響がありそうなので綺麗に掃除。

基盤から取り外したポッド

基盤から半田を除去しポットを取り外しました。
このポッドは金具で固定されているタイプなので上記の写真のようにドライバーを入れて開いていきます。

ポッドの中身

金具を取り外すと分解できるようになっているのでとりあえずバラバラにしてみました。
ポットは主に上記の赤丸の黒い部分を洗浄すればガリがなくなるので、
綿棒に「無水エタノール」をつけてサッと拭き、「接点復活剤」を同じく綿棒につけて塗ります。
あとは洗浄したポットをそのまま戻して無事終了です。


まとめ

ポット洗浄は上記の通りになります。
注意点としてアンプのように電気を扱うものは感電する恐れがあるのでコンセントは必ず抜いた状態で行ってください。
またハンダなど基盤を触る作業があるので下手なことをすると悪化してしまう原因になります。
自信がない方は修理業者に任せましょう。
今回の記事を参考に行い故障しても、自己責任ですので修理する際はご注意ください。


最後に

ポットは消耗品なのでガリが出たポッドは手っ取り早く新品と交換した方が楽ですが、
中身はどうなっていて、どんな働きをしているのか、
など触ってみると知れることもあります。
ポットにも様々な種類があり今回のような簡単に中を開けられるポットではない可能性もありますが、
基本的にポットの中身は同じような構造です。

今回はパーツ代をかけない為にポッド洗浄をしてみましたがいかがだったでしょうか。
「自分でもできそうかも」「やってみようかな」など
この記事が皆さんの知識になってくれると嬉しいです。

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