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芝2200mはリピーターレース?を検証してみました

根幹距離・非根幹距離という言葉は、昨今の競馬界で頻繁にに使われる言葉になっていますが、400mで割り切れない非根幹距離のひとつである【芝2200m】
この距離に関しては、他の非根幹距離と一線を画しているように感じます。

そう思ったのは、AJCCの考察をしているなかで、昨年2着で大穴を演出したマイネルファンロンの成績をみていたとき。
AJCCと同距離・同コースの湾岸Sを勝利、AJCC2着後は天皇賞春の敗戦を挟み、続く宝塚記念で14番人気ながら5着(0.9秒差)好走と2200m戦での好走が目立つ。
この成績を見た時にふとある仮説が頭をよぎりました。

【2200mで結果を残した馬は、どこの競馬場の2200mでも好走確率が高いのでは?】

という漠然とした仮説。

なぜそう感じたかといえば、芝2200m戦のコース形態を思い浮かべたときに、競馬場が違えど似ているポイントが多い。

中央競馬における、芝2200m戦が行われる舞台は現行4つ。

① 中山競馬場(AJCC・セントライト記念・オールカマー・湾岸Sなど)
② 阪神競馬場(宝塚記念・エリザベス女王杯・京都記念・すみれS・オリオンSなど)
③ 中京競馬場(日経新春杯・神戸新聞杯・ムーンライトHなど)
④ 新潟競馬場(新潟牝馬S・日本海Sなど)

4つの競馬場の似ていると感じた点の検証と裏付けを行いました。

ひとつ目のポイントは、【スタートから1コーナーまでの距離】

先の4コースでスタート位置から1コーナーまでの距離(左):4コーナーからゴールまでの直線距離(右)の比較は以下になります。※距離は公表されていないものは概算値になります。

① 中山競馬場(432m):(310m)
② 阪神競馬場(525m):(356m)
③ 中京競馬場(510m):(412m)
④ 新潟競馬場(636m):(359m)

全てのコースでスタートから最初のコーナーまでかなり長い距離を走っていて、スタート位置が4コーナーの引き込み線のあたりからスタートすることもあり、長い直線を使ってのポジション争いが激しくなることで、テンのラップが厳しくなりやすい共通項があります。

ただ細かくラップを見ると、阪神・中京・新潟は2F目・3F目が11秒台のハイラップを刻んでいるのに対し、中山だけは3F目にガクッとラップが落ちている。
これは、中山競馬場が直線の坂下〜1コーナーの途中まで高低差5mほど上って行かなくてはならず、上り+コーナーでラップが落ちるので他3場とは前半ラップに違いが出ています。

中山はラップこそ落ちているものの、前半から急坂を駆け上がることで負荷が大きくなっていることに変わりなく、2200m戦は他距離で行われる中距離戦よりも前半の負荷が大きくなり、【瞬発力<持続力】寄りの構図になりやすい傾向があります。

この前半の入りが2200m戦は特徴的ですが、
二つ目の特徴は【レースの後半が高速持続ラップ】というポイント。

中山・阪神・中京はレースの後半部分にあたる向こう正面途中~直線の坂下まで下りが続くという共通点があり、レースの後半部分が減速しづらく高速持続ラップ戦になりやすい。
レース前半の負荷+後半の高速持続ラップで、競馬場が違えどレースラップバランスが非常に近くなりやすいことが2200m戦という距離の括りでリピーターが発生する要因ではないかと考えます。

つい先日行われた、日経新春杯の結果。
※( )は2200m戦の成績

1着:ヴェルトライゼンテ(1-2-0-1)複勝率 75%
2着:キングオブドラゴン(1-5-1-3)複勝率 70%

と2200mの複勝率2位・3位の馬でワンツー。(1位はロバートソンキーの80%)

過去のAJCC好走馬は、2200mの複勝率が高い馬が馬券になっているケースが多いので、お時間ある方は調べてみて下さい。

この要素だけで馬券が当たるほど競馬は簡単なものではないですが、特殊距離の2200m戦の距離実績は一つの材料として予想する際に利用できるのではないかと思います。

今週のAJCCで2200m戦における複勝率の高い馬(50%以上)は以下。

・アリストテレス(2-1-0-1)75%
・ガイアフォース(1-0-0-0)100%
・スタッドリー(2-0-0-2)50%
・バビット(1-0-0-1)50%
・ブラックマジック(2-0-0-0)100%
・レインカルナティオ(1-0-0-0)100%

3着以内に入ったレースのクラス差など考慮すべきことはありますが、好走実績があるのは間違いなく注目したい馬たちです。

また、今回ここで馬券になった馬は、マイネルファンロンのパターンで考えると宝塚記念や秋のオールカマーでの走りに注目したいと思いますので、今週の結果は今後も楽しみです。

※捕捉
新潟2200m戦はコーナー角がきつく、後半のラスト2Fでギアチェンジできる能力が必要になるコースなので、他の3会場に比べると同距離でも相関性はやや薄いと推察します。

【結論】
2200m戦において
中山・阪神・中京は相関性高し!
阪神・中京は特に相関性高し!!
新潟はやや別物!!!

これを頭に入れておくと、芝2200m戦のときに意外と役に立ったりするかもしれません。(人気薄が該当してたらヒモには入れておきたいですね✨)

シンプルですが、意外と強力なファクターになり得ると思っていますので、芝2200mを予想する上で、皆様の一助になれば幸いです😌


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