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クイーンS 考察&予想

今年のクイーンSは大きなテーマを二つ持って考察を始めました。

1. 札幌芝1800と他場(他レース)との相関関係。
2. これまでの古馬牝馬中距離路線のストーリーが、どのようにクイーンSに繋がるか。

この2点を大きなテーマで、ロジカルラップアプローチを進めます。


まず過去5年のラップを確認

15年 12.3 - 11.6 - 11.6 - 12.1 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 11.6 - 11.8 
★L4F:23.8-23.4 加速

16年 12.5 - 11.6 - 12.4 - 12.6 - 12.4 - 11.9 - 11.6 - 11.2 - 11.5 
★L4F:23.5-22.7 加速

17年 12.2 - 11.2 - 11.8 - 11.6 - 11.5 - 11.9 - 12.1 - 11.5 - 11.9 
★L4F:24.0-23.4 加速

18年 12.1 - 10.8 - 11.5 - 12.1 - 12.6 - 12.5 - 11.8 - 11.3 - 11.5 
★L4F:24.3-22.8 加速

19年 12.2 - 11.9 - 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.9 - 11.5 - 11.1 - 11.9 
★L4F:23.4-23.0 加速


スタートから1コーナーまでの距離が短く、比較的ゆっくり前半は入るケースが多いが、17年・18年は逃げ馬の存在もあり、前半4Fが後半4Fより速い前傾ラップ。
メンバーによって道中のラップに多少変化はあるものの、ある一点は全て共通している。

後半4Fを2分割ラップにすると、
過去5年はラストのほうが加速する【加速ラップ】であること。

特に、4角から直線半ばまでの8F目(L2F目)が最速ラップを踏むラップ構成。
このラップを踏む背景は、札幌芝コースのコーナーが、ローカルのO字コースの小さくキツイコーナーではなく、<大きく緩いカーブ>であることが関係している。

コースとしては全場で2番目に大きく緩いカーブの札幌芝であるからこそ、直線に向く4角から直線半ばまでのラップが最速になるラップ構成が生まれる。
最速ラップを踏むL2F目が4角出口付近ということを考えても、ここの急加速で反応できる瞬発力、差しタイプであっても後方との差を一気に詰める脚が求められる。
穴パターン事典に例えれば、ロンスパ一辺倒の馬より、ギアチェンジができて差し脚を使える馬のほうにチャンスが大きいと感じます。
ロンスパタイプでもノーチャンスではないですが、やはりある程度馬群との距離を詰めておかないと、直線が短い札幌では差し届かずとなるケースが多くなっています。

そして、この後半ラップをみたときに感じたのが、大きく緩やかなカーブで直線に入るコースとの相関関係。
注目したのが、【東京芝1800】特に【府中牝馬S】との関係性。

正直言って自分の昔のイメージでは、
洋芝+O字コース+直線短い札幌 ≠ 野芝とのミックス+U字コース+直線長い東京1800がリンクするとは考えもしませんでしたが、そのラップ構成や実際の好走馬を見てみると、より結果からもその相関関係が裏付けられます。

以下、クイーンS好走馬の同年、府中牝馬S出走結果

19年 1着馬:ミッキーチャーム →(抹消により未出走)
  2着馬:スカーレットカラー → 1着 ★上り最速

18年 1着馬:ディアドラ → 1着 ★上り最速
    2着馬:フロンティアクイーン → 3着(19年は2着)

17年 1着馬:アエロリット → 未出走(毎日王冠・天皇賞秋・安田記念等好走多数)
    2着馬:トーセンビクトリー → 5着(0.3秒差)★上り最速

過去3年で、上り最速で連対した馬は、府中牝馬Sに出走した場合の好走率が高く今年もこのパターンで好走した馬の次走は注目していいのでは?と思います。


と、競馬はストーリーですので先のことも大事ですが、まずは今週の競馬。
この関連性を考えると、重視すべきはO字コースでの実績より、カーブが大きいコースでラスト2Fが加速ラップでの好走歴と、馬個体の近走結果から、最もパフォーマンスを発揮できそうな馬を探していきたいと思います。


そしてもう一つ、【今年の古馬牝馬中距離路線のストーリー】がこのレースにどう繋がるか。

この1年の古馬牝馬中距離戦のスタートは<愛知杯>

愛知杯→中山牝馬S→福島牝馬S→マーメイドS→クイーンS

クイーンSまでの4レースは、コース形態や馬場状態によって、
それぞれ違う適性を持つ馬が好走してきた経緯がある。
この4戦の結果とクイーンSへの関連性、力関係をしっかり評価できれば、先の適性判断に加え、更に的中に近づくのではと考えています。

この大きな2点を焦点に、
今年のクイーンSをロジカルラップアプローチで考察してみました。
まずは上位人気4頭から。

近5年のクイーンSでの共通点は加速ラップ。
ただし、17年と18年の2年は瞬発型加速ラップ
15年・16年・17年は持続型加速ラップ
この違いはペースを握る馬たちの脚質によって生まれる。

今年は逃げたい馬が複数いる状況だが、このなかに人気の一角である
【コントラチェック】がいます。

この馬のことは、ガチャピンさんもTwitterでどこかにコメントされていましたが、単騎で楽に行けないと持ち味が全くでないと思います。
コントラチェックが好走して強い印象を残した、ターコイズSは以下のラップ。

12.4 - 10.5 - 11.0 - 11.5 - 11.9 - 11.8 - 11.1 - 12.0 
上り4F:★23.7-23.1 0.7加速の瞬発型加速ラップ

道中は単騎で進み、道中も息を入れながら走り、ラスト400地点で一気に加速し後続に脚を使わせ、この開催で有利だった内ラチ沿いを逃げ切って快勝。
つつかれず、自分の形でスパートできればラストも脚を使えて強いが、コントラチェックにとって厄介な存在になりそうなのが、持続型ラップで逃げたい【ナルハヤ】と【モルフェオルフェ】の存在。
そしてレースラップは急加速ではなく、じわじわ加速していくコーナー形態。

1800のスタート位置だと1角までの距離が短く、ハナを奪うには好スタートを切る必要があるが、スタートは決して速いとは言えないコントラチェック。
特徴は二の脚の速さ。
果たして1角までの短い直線で先頭に立てるか。
単騎で逃げて、瞬発型加速ラップになった場合は相当強いが、今年のメンバーと札幌1800のコースで番手になった場合はリスクが高いと考え、ここは来たらごめんなさいで、思い切って消します。

続いては、昨年の2着馬【スカーレットカラー】
この馬は、加速ラップに強く、失速ラップでは能力出せないタイプの差し・追い込み馬。
クイーンS向きのラップで好走。
そして、先に書いた府中牝馬Sを快勝した、相関関係の強いコースで勝っていて、このレースに対してのラップ適性が高いことを既に証明している。

これだけのパフォーマンスができる馬を、馬券から外すのは明らかに危険だが、近走は去年の同時期に比べて、さらに後方から競馬をするようになっている。
これは、直線の短い札幌では流石に厳しい。
昨年も結果的に差し切れずの2着。
今年もラップ適性や流れは向きそうだが、後方から一気では差し切れるかどうか疑問。

そしてこの馬を上位に評価できない理由が能力の上昇は流石にないのでは?との見立て。
いくら近代競馬の育成技術で競走馬のピークが伸びてきているとはいえ、
スカーレットカラーは6歳牝馬。
今回が21戦目と2歳戦から活躍してきた馬。

クイーンSが行われるこの真夏の時期は競走馬の能力がちょうど一回りするタイミングなのかもと思わせるのが、古馬になってクイーンSで好走した馬が上位に入った場合、翌年の同レースに出てきた場合に着順を落とす傾向がハッキリ表れている。

15年:1着 メイショウスザンナ(5歳)→ 7着
15年:2着 レッドリヴェール(4歳)→ 4着
16年:2着 シャルール(4歳)→ 13着
17年:2着 トーセンヴィクトリー(5歳)→ 4着
18年:2着 フロンティアクイーン(5歳)→ 7着
19年:2着 スカーレットカラー(4歳)→ ??

5歳という年齢はお肌の曲がり角ならぬ、能力の曲がり角にある5歳牝馬。
近走からも去年から大きくパフォーマンスがあがっているとは考えられず、実績上位で上位人気は必至ですが、ここは押さえまで。

3頭目の人気馬は、【ビーチサンバ】
この馬が未だ1勝馬だということが正直ビックリですが、重賞では2着が3回。
勝ちきれないが、実力は周知の事実。
それだけに、前走は期待した方も多かったのではと思いますが、内枠を活かしれずに前残りのレースを後ろからではノーカウントでしょう。
それ以外のレースでは、堅実に掲示板を確保していて、いつ馬券に絡んでもおかしくはない実力馬。
近走好走時(勝ち馬から0.5秒以下)のラップバランスを確認すると、
目を引くのは、ローズSの内容とラップバランス。

12.8 - 11.2 - 11.4 - 11.7 - 12.2 - 11.7 - 11.0 - 10.5 - 11.9 ★L4F:22.7-22.4

阪神の外回りを徐々に加速しながら、L2Fで10.5と一気に加速し、ラストは急激にラップが落ちたところを、ダノンファンタジーの差し脚に屈しましたが、これを先頭で3着以下をハナ差でも封じた内容は素晴らしい。

クイーンSはここまで加速することはないが、それでもL2Fでの加速力が馬券内に必要不可欠なのは良い材料。
ビーチサンバ自身は、勝ち切ていないもののメンバー上位の上りも使える総合力の高い馬。

一つマイナス材料は、この馬が掲示板には載っても3着以内を外しているときは、持続力を問われるラップの方が着順が良くない。
どちらかというとスローの瞬発型のラップを前で捌けるときが適性は高い。
今回は逃げ・先行馬が多くいるのでラップ自体は比較的締まった形で進み、スローの加速ラップにはならないのではと想定していますので、能力は評価はしますが、適性面で1枚下げて3番手グループに。

最後に、想定1番人気【フェアリーポルカ】
前走、この馬の走りには個人的に驚かされました。
内に進路を取った直線で前が開き、突き抜けたのは恵まれたとみることもできますが、L2F目11.7と最速区間でそこに入って抜け出す脚の速さは素晴らしかった。
福島牝馬Sまでの近2走が、後半失速ラップでの好走だったので福島牝馬Sは斤量増もありラップ適性面でもやや厳しいかと思ったが、楽々クリアして重賞2連勝。

前走の福島牝馬Sは持続型ラップで、
11.8 - 11.9 - 11.7 - 11.8 ★L4F:23.7-23.5
持続型の平均ラップだがL2F目が最速になっているラップを上り最速で駆け抜けた内容は、今回に向けて悪くない。

苦手(好走が無かった)条件での好走の考え方に近い、
<異なる適性条件での連続好走>は
フェアリーポルカの成長曲線がピークに向かっているものと考え、今のフェアリーポルカは凡走するまでは素直に評価していきたい。

斤量は更に2キロ増えて56キロも克服できれば、想定オッズ4強のなかでは最右翼とみて対抗にします。

ここから本命と穴馬の考察
本命合わせて印は3頭。

1頭目は【オールフォーラヴ】
正直前走の内容が物足りないが、相関関係があると評している3走前の府中牝馬Sの内容がいい。
好スタートから馬群の中で脚を溜めて、ラップが上がったところもしっかり反応しラストまで垂れることはなく走って4着は高く評価しておきたいポイント。

それでも頭まで?と言われると、それは難しいと考えます。

ディープ牝馬にしてはキレが足りない印象で、事実新馬戦から1度も上り最速がない。
このレースへのラップ適性の高さをとって穴馬にしましたが、相対的な力関係からは本命にできるほどの力がなく、現在13番人気であれば買う価値があるとしての穴馬指名です。


2頭目は、【リープフラウミルヒ】
前走のマーメイドSは、L4Fが11.7 - 11.4 - 12.2 - 12.9の失速ラップ。
この日の馬場は前内有利で、後方外差しではノーカウント。
福島牝馬Sでこの馬がこのクラスならやれる能力の持ち主であり、適性が合えば更にパフォーマンスを上げることは証明された格好ですが、今回はリープフラウミルヒにとっては前走より大幅に条件は好転していると考えます。

まず、良馬場(状態の良い馬場)で戦えるのはプラス。
そして福島牝馬Sの考察で書いたことの繰り返しになる部分もありますが、典型的な夏馬でもあり今の時期はプラス。
美浦Sで苦手の坂を克服したことも、今のリープフラウミルヒが充実期であることの証明になっています。
それでも今回本命を打てない理由は、この馬が最も得意とするラップ適性は、加速ラップではなく、持続~失速寄りのラップが最もパフォーマンスを上げる点が割り引き。
機動力もあり、上手く立ち回れれば直線で良い位置にいるとは思いますが、リープフラウミルヒの走りでは、ラストの瞬発力を問われる部分で今回は僅かに上位評価した馬に劣る。
他馬との比較をした段階で、そう評価しました。
前走からの大幅なパフォーマンスUPを加味しても、今回は3番手タイの評価にしました。


そして本命に指名したのはこの馬、
【レッドアネモス】
この馬が適性ラップで走れる条件をずっと待っていました。
ようやく狙えるチャンスが来たと感じています。

この馬の適性と能力の証明は、スイートピーSと白百合S。

スイートピーS 
12.8 - 12.2 - 12.3 - 12.8 - 12.3 - 12.0 - 11.0 - 10.9 - 11.4 ★L4F:23.0-22.3 加速

白百合S
12.9 - 11.3 - 12.1 - 13.0 - 12.5 - 12.0 - 11.6 - 10.7 - 11.5 ★L4F:23.6-22.2 加速

加速ラップの走りであれば、カレンブーケドールとも好勝負できる馬であり、モズベッロには白百合Sで先着している。
2歳時ではあるものの、2戦目のサフラン賞ではコントラチェックにも先着。
能力の高さは重賞級のものがあるが、如何せん適性外のところを走らされすぎた。

☆時計がかかる馬場や失速ラップレース ラジニケ賞・秋華賞・中山牝馬S・マーメードS

馬場だけは条件が悪くなかった福島牝馬Sに関しては、4角で行き場がなく大外へ振るロスがあり6着も伸び脚は悪くなかった。
しかもこのレースは、中山牝馬Sで-18キロから更に-14キロと約1か月半でかなりの馬体減。体調もどうだったかというなかでもしっかり脚を使ったところに力を感じました。

どこの位置で競馬するかがポイントですが、レッドアネモスはスタートがいつも良い。
内枠を利して、逃げ馬勢を見る好位を上手く取って差し脚を溜めれれば、このメンバーでも十分一発あるだけの馬だとみています。

上りも自身の上りが、33~34秒台前半くらいの流れが最も力を出せるが、土曜日メインの上り最速が34.1。今の馬場にもコースにもフィットして、白百合Sからここまででやっと良い条件のレースに出走できるとなれば、この馬を狙わずにはいられない。

札幌1800と相関関係の高い、東京1800での適性ラップで好走。
適性条件ならG1好走馬とも互角に渡り合う能力。
調教もビーチサンバと併せて問題なく動けている今回。
適性外のレースで馬柱を汚し続けてきたこの馬を狙うには、
今回が最大の馬券チャンスとみて、クイーンSの本命に指名します。


のーむーの印
◎ レッドアネモス
〇 フェアリーポルカ
☆ ビーチサンバ・リープフラウミルヒ
△ スカーレットカラー・オールフォーラヴ

3連複の相手には印以外も手広くいきますが、
2連系やワイドは☆までの4頭を厚めに。
△を押さえで馬券を組みます。


以上、のーむーでした😌

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