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皐月賞 前哨戦ラップ分析 2022

久しぶりに無料コラムを書きました。

どの前哨戦がレベルが高く、各馬がその前哨戦でどんな走りをしたか振り返りながら、本番(皐月賞)でパフォーマンスを上げる馬を探るヒントになり、皆さまの予想の一助になれば幸いです。

一緒に牡馬クラシック第一弾 皐月賞を楽しみましょう!


回顧対象レースは以下の8レースです。

・東スポ杯2歳S
・ホープフルS
・京成杯
・きさらぎ賞
・共同通信杯
・弥生賞ディープインパクト記念
・若葉S
・スプリングS


東スポ杯2歳S

レースタイム:1.46.2
12.8 - 11.4 - 12.0 - 12.4 - 11.7 - 11.6 - 11.0 - 11.9 - 11.4 <22.6-23.3>
前後半(48.6-45.9) 後傾瞬発型失速ラップ戦

ナバロンがハナに立ち前半は48.6のドスローの展開だったが、後続のペース自体はさらに緩く、イクイノックスの位置で1000m通過が61.5程度のラップと、重賞としてもかなりスローの流れになった。
それでもレースタイムの1.46.2は過去10年で4番目の速さと、タイムが出やすい馬場だったことを考慮しても速く、後半の脚力勝負に優れた馬が台頭したレースになった。

勝ち馬のイクイノックス
この前半がドスローの流れからレースタイムを1.46.2でまとめるのは高い能力が無ければできない。
勝ちタイムから逆算すると、イクイノックスは残り800を44.7で走った計算で、後半800mのレースラップは、コントレイルの年に次ぐ2番目のタイムで、イクイノックスがいかに後半の4Fを速く走る能力に長けているかが分かる。

イクイノックスは少しずつエンジンをかけてギアを上げていき、トップギアに入ってからは、そのスピードを持続させるいかにも長い直線向きの走り。
L3Fを上がり32.9と推定(10.9-10.8-11.2)で差し切ったポテンシャルは間違いなくG1級。
ただ、ここまでの2戦は後傾ラップのスローでしか走っていないことや、東スポ杯の走りが鮮やかすぎることを考えると、ペースが上がる皐月賞で追走力を求められたときにこの脚を繰り出せるかは未知数。
本番の位置取りは、相当出していかないと好位を取ることは難しいはずで、いつもの競馬では必然的に後方からの競馬が予想されます。
ペースが上がり多頭数の競馬を後方からどこまで差し込めるか。
ダービーを見据えるのであれば、結果度外視で好位で競馬をしにいったほうがいいと思いますが、ルメール騎手がどんな競馬でイクイノックスを導くか注目しています。


ホープフルS

レースタイム 2.00.6
12.6 - 11.3 - 12.0 - 12.2 - 12.0 - 12.0 - 12.2 - 12.2 - 11.7 - 12.4
<24.4-24.1> 前後半:60.1-60.5 前傾瞬発型加速ラップ

過去8年のホープフルSで最速タイムの決着になった2021年。
映像を見た印象とラップを確認した際に、きっと似ているだろうなと感じたのが、
コントレイルが優勝した2019年のラップバランス。

2019年ホープフルS

レースタイム 2.01.4
12.6 - 11.5 - 12.4 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.0 - 11.9 - 12.5
<24.1-24.4> 前後半:60.9-60.5 後傾持続型失速ラップ

無敗の3冠馬コントレイルと今年の勝ち馬キラーアビリティは、道中の位置取り・逃げ馬との距離、踏んだラップバランスをみるとコントレイルの走った軌跡によく似ている。

どちらも後半5Fを12.0~12.2と流れたラップで推移しながら60.5で走破、L2F目の最速区間で逃げ馬を捕まえ、35秒台と上がりがかかるなかでもしっかりギアチェンジして抜け出した走りは、スローの瞬発力を問われることが多い2歳戦の中距離レースで底力を問われる内容になった。

2019年の2着馬以降は以下のメンバー

2着:ヴェルトライゼンテ→日本ダービー3着・スプリングS2着・神戸新聞杯2着
3着:ワーケア→弥生賞2着
4着:ラインベック
5着:オーソリティ→青葉賞1着・アルゼンチン共和国杯1着
6着:パンサラッサ→ラジオNIKKEI賞2着

その年のクラシック戦線の中距離路線で軒並み活躍馬が出ていて、この厳しいラップで走れる馬は後の中距離路線でも馬券になるような活躍をみせている。(11着のガロアクリークを含め、3コーナーで中団より前で進めた馬がその後に好走)

今年のラップを好位で押し切った、上位馬も皐月賞では有力候補か。

勝ち馬、キラーアビリティ
好位3番手から押し切る競馬。
レースラップは前傾ラップだが、向こう正面で約5馬身差であったことを考えると自身の推定ラップは(61.1-59.5)と後半に向けて速くなる後傾ラップで、しっかり脚を温存しながら流れに乗ってラストの末脚を繰り出した。
前走の萩Sでは、距離短縮+前半がドスローの流れで前走以上に瞬発力への適性を求められるラップになり、ダノンスコーピオンの瞬発力に僅かに屈した形でしたが、より持続性を求められる流れになったことで、キラーアビリティの新たな強さが引き出された形。
未勝利戦の純加速ラップから瞬発力勝負に長けたイメージもあるが、今回のように中盤が流れたラップのレースで結果が出たのは、クラシックに向けて楽しみが大きい。
皐月賞も有力の1頭として注目です。

2着、ジャスティンパレス
新馬・黄菊賞と少頭数+ドスローのレースを連勝してきていただけに評価が難しい馬だったが、新馬からルメール騎手が連続騎乗していただけのことはある馬で、初めてラップが流れたレースでも中団から早めに手が動きながら垂れることなく前を追い、直線もかなりフラついていたがゴールまで脚を伸ばした。
過去2走はスローの3F戦で連勝していることから、一見瞬発力勝負に向きそうな印象だが、過去2走の上がり3Fは34.3(上がり1位)・34.6(上がり3位)とそこまでキレを活かすタイプではないだけにホープフルSの流れは向いた感がある。
勝ち馬とはスタート後の位置取り分の負けともいえる内容で、キラーアビリティに対してあまりに人気に差があるようなら、オッズは美味しい一頭になりそう。



京成杯

レースタイム:2.01.3
12.5 - 10.6 - 12.6 - 12.2 - 13.0 - 12.5 - 12.4 - 12.0 - 11.4 - 12.1<24.4-23.5>
前後半(60.9-60.4) 後傾瞬発型加速ラップ戦

ルメール騎手はレース後のコメントで『超スロー』と言っていたが、ラップだけをみると前半ラップ毎の緩急は大きいがドスローというほどではなく、前後半のラップ差も0.5秒後傾で収まった。
レースタイムも意外と速く過去10年で4番目(最速タイムと0.2差)だったが、実際にスローに感じるのは、先頭の仕掛けが遅くL3F目まで12秒台で推移し、4コーナー出口付近で一気に加速するレースラップが表すように、ハイレベルなギアチェンジ力を求められるレースラップになったことが要因。

特に勝ち馬や3着馬のように、純加速ラップ戦で勝ち上がった馬や上がり最速の馬が上位にきたのは、このラップバランスになったのが大きな要因の一つだった。

勝ち馬のオニャンコポン
新馬戦を純加速ラップで勝利しているように、一瞬の加速力を求められるラップバランスで強さを発揮する馬。
父エイシンフラッシュの現役時代を知る自分としては、かなり似てきたなという印象。
中盤に息が入る後傾ラップに強く、道中も動きが少ない3F戦のギアチェンジ勝負であれば、この世代では上位の素質があると見ています。
ホープフルSは中間の熱発など調整面での不安もあったなかでの出走だったことも影響したとは思うが、息が入りにくい前傾ラップを追走した経験がなかった影響も大きかったとみていて、今回はホープフルSの流れを経験できたことで追走が楽になったことも大きかった。
この後は皐月賞かと思うが、今回のような息が入る流れにならない限り、今回のようなパフォーマンスを発揮することは難しいように感じるが、現段階では皐月賞よりむしろダービーのほうがラップバランスは向くのではないかと考えています。



きさらぎ賞

レースタイム:2.00.5
12.7 - 11.3 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 11.9 - 12.1 - 11.9 - 11.8 - 12.2<24.0-24.0>
前後半:60.6-59.9 後傾持続型失速ラップ戦

昨年のきさらぎ賞と比べると、馬場が稍重であったにも関わらず、1~2コーナー地点の前半3F目のラップが12.2と緩まず、その後も一貫して12秒前後のラップが続く、持続型ラップ戦。
先行馬も遅すぎないペースで走り、息を入れる区間もないため決して楽ではなかった。
結果、中団からレースを進め、上がりの脚をしっかりと繰り出した2頭のマッチレースに。

勝ち馬のマテンロウレオ
道中も1頭でプレッシャーの小さい位置で進めたジョッキーの位置取りも素晴らしかったが、このタフな馬場を外から差し切った末脚は素晴らしかった。
ホープフルSで大外から上がり3位で6着とした走りの価値が本物であったことを証明すると共に、ホープフルSのレース価値がまた一段と高まったと感じます。
マテンロウレオの走りに話を戻すと、新馬戦・きさらぎ賞共に、持続型失速ラップ戦となっていて、特に後半1000mのラップバランスは新馬戦の酷似。
ロンスパ戦を長く脚を使って差し切る形が今のマテンロウレオにとっての適性ラップバランス。
ホープフルSのように、4角で一気に加速して瞬間的なスピードを要求されるラップバランスよりは長く脚を使える方が良い。
レースとしては皐月賞の高速持続型戦には適性が高そう。
馬群に入れての競馬が鍵だが、新馬戦で内を割った走りから問題は無さそうで、新馬戦で馬群を割ったのは本番へ向けて大きい経験。皐月賞で内枠を引き当てることができれば、期待を持てる1頭だと思います。



共同通信杯

レースタイム:1.47.9
12.7 - 11.3 - 12.1 - 12.5 - 12.5 - 12.5 - 11.3 - 11.2 - 11.8 <23.8-23.0>
前後半:48.6-46.8  後傾瞬発型加速ラップ戦

雨が降り稍重馬場で行われた今年の共同通信杯
4コーナーでも芝生の塊が跳ねていたように、馬場が悪化してきて重くなってきたことが映像でも分かる状態だったが、その馬場状態の中でギアチェンジ力と持続力が問われるラスト3Fの瞬発型加速ラップ戦に。
このレースタイムの価値は、同日9Rの初音S(4歳上3勝クラス)の勝ちタイムが、1.48.7
と、古馬3勝クラスと0.8秒上回ったことからも評価はできますが、前半4Fが1.1秒速く、後半4Fは同ラップと、前半から脚を使いながらも後半のトップスピード区間も同タイムで走り、一気のギアチェンジを求められた後も失速幅を最小限にする持続力を見せた、質の高いラップバランスで走破している。

勝ち馬のダノンベルーガ
新馬戦のラップから、底知れない才能を秘めている可能性を評価し、共同通信杯では本命に推しましたが、その評価が間違っていなかったことを証明してくれた快走でした。
想定通りの3F戦になり、11.3で差を詰め、11.2の最加速区間で他馬より一段上のギアチェンジ力を見せ抜け出し、ラスト1Fも失速幅をしっかり抑えた走りでゴールを駆け抜けた。
当時の考察時に、新馬戦がエフフォーリアの共同通信杯を彷彿させると書きましたが、このギアチェンジ力を再度見せられると、その評価も過大ではなかったと感じています。
2走目でスタートも五分に出て、スッと好位に付けることができ、その後の折り合いも問題なくしっかりと流れに乗れたのも、次走に向けて大きな収穫。
今回は仕上げも慎重に行われたとの報道もあったことから、まだ更にもう一段階かそれ以上に奥がある可能性を残すのであれば、イクイノックスやキラーアビリティとの戦いが楽しみで仕方ない。
皐月賞を考えれば、初右回り+後傾ラップ経験しかないことが現段階では不安材料となりそうではありますが、その不安も凌駕するほどのポテンシャルを持つ馬では?と可能性を感じさせる走りの共同通信杯でした。

2着のジオグリフ
距離を延長したことで、追走が楽になった分、位置取りを大幅にあげることができ好位から、しっかりと脚を使ったが勝ち馬の決め手に屈した。
稍重馬場でもブレることなく走り、この3F戦の適性は見せたが勝ち馬との1馬身半差は、着差の付きにくいレースラップを考えると、大きな不利も無かっただけに、このレースラップバランスでの差は大きい。
それでも、朝日杯FSでは位置取りが厳しいなか追い上げ5着。
今回も3着以下はしっかり離した内容から、中距離では世代上位の能力を再度示した走り。
好位から競馬ができることに加え、前傾ラップ経験は皐月賞へ強調できる材料で、ダービーより皐月賞のほうがチャンスは大きいのではないかと現時点では感じています。



弥生賞ディープインパクト記念

レースタイム:2.00.5(過去10年で2番目)
12.7 - 11.6 - 11.9 - 12.5 - 12.4 - 12.4 - 11.8 - 11.5 - 11.4 - 12.3 <23.3-23.7>
前後半(61.1-59.4)  後傾持続型失速ラップ戦

例年の弥生賞であれば、前半~中盤がスローペースになり、L3F目から徐々に加速し、L2F目(4コーナー~直線半ば)で一気にラップが上がる、瞬発型ラップ戦になり先行力+ギアチェンジ能力が高い先行馬が、後方から最速上りを使う馬を抑えるラップバランスになることが多いが、今年は少し勝手が違った。
出遅れたロジハービンが向こう正面の6F目あたりでマクリに出て、アスクビクターモアの外に並びかけたL4F目から一気にペースが上がり、11.8-11.5-11.4-12.3のややロンスパ気味のレースラップに。
持続型失速ラップではあるものの、L2F目が最速区間になっているように、直線入り口過ぎまでしっかりと速いラップで流れたことから、後方に構えた馬たちにとって差し込むのは厳しいラップに。
本番は前半からもう少し流れるラップになると思いますが、後半のロンスパ気味のラップバランスは皐月賞に直結しそうな近い感じを受けるので、今回の上位馬がどれだけ前半~中盤のラップに対応できるかが本番に向けては鍵になりそう。

勝ち馬のアスクビクターモア
レース前の考察では、もう少しレース全体の仕掛けが遅くなり、L3F目から一気に加速する瞬発型ラップを想定していましたが、今回は持続型失速ラップ戦に。
戦前の想定ラップではなかったですが、このラップバランスはアサヒを完封した未勝利戦のラップバランスに近く、マクリが入ったレースで後半のロンスパラップを外から進出し直線入り口で先頭に立つ強い競馬で押し切った内容に近い。
アスクビクターモア自身、トップスピード勝負になりやすい東京より中山向きと書きましたが、中山コースは東京ほどのトップスピードが求められにくく、アスクビクターモアのラップ適性には合っていた感があります。
皐月賞に向けて懸念点があるとすれば、中盤のスピードラップ経験がないこと。
例えばマイルを使って中盤の速いラップを経験していたり、1800~2000でも前傾ラップの経験などがあれば、皐月賞の舞台でどの程度能力を発揮できるかの判定がしやすかったですが、ここまでは全て中盤スローの後傾ラップ戦。
本番のラップバランスに対応できれば、皐月賞では有力の一頭になるのは間違いないが、このラップ経験の無さがどう出るか。

2着のドウデュース
ロジハービンのマクリで前に入られブレーキを踏まれたことで、3コーナーで一気に位置が下がったことが結果痛かった。
あれだけの不利がありながら、上手くリカバリーできたのは騎手の腕と馬の能力が高い証拠。
少し強いくらいの馬なら、あの不利で位置取りを下げたあと、差しづらいラップバランスの中、クビ差の2着までは迫れない。
本番に向けては決して悲観する内容ではなかったし、アスクビクターモアとの比較で言えば、朝日杯FSで前傾ラップのマイルでスピード競馬を経験しているのは大きい。
皐月賞が例年のような高速持続力ラップ戦になるのであれば、ドウデュースが今回経験した流れも、過去のレースラップ経験も大きなアドバンテージになりそうです。

3着のボーンディスウェイ
競馬が上手で切れ味を活かすタイプではないが、先行力がありしっかりと脚を使える中山向きの馬という印象。
葉牡丹賞でロンスパ戦への対応力を見せていましたが、今回はその葉牡丹賞に近いラップバランスを好位から粘り込んだ。
皐月賞でも面白い1頭ではありますが、G1級の決め手が必要なメンバーに入ると、現時点の絶対能力で一枚足りない印象。
さらに上積みがあるかどうかが鍵になりそう。

4着のジャスティンロック
皐月賞に向けて賞金を持っている馬でもあり、今回は3つの初めて<関東遠征+中山コース経験+持続型ラップ戦>を経験したことは本番に向けて大きかったのではないでしょうか。
持ちタイムも一気に2秒以上詰め、上位馬のなかでは、5着馬のインダストリアと同じく最速区間で外を回したコーナー負荷もあったものの、上がり2位の脚を使えることが分かったことで、本番での走りが楽しみになった一頭。
京都2歳Sで、ビーアストニッシド(共同通信杯3着)・フィデル(ホープフルS4着)・ポットボレッド(すみれS1着)を抑えた能力は本物。
本番では必ず印を回したい一頭です。

皐月賞に向けて注目したいのが、10着のマテンロウレオ
今回は印を回しませんでしたが、もとより弥生賞のラップバランスでは能力を出すことは難しいと感じていた馬。
この馬は皐月賞のラップバランスでこそパフォーマンスを上げてくるとみていて、今回の敗戦はむしろオッズが落ちるなら美味しいとさえ思える。
今回は道中~L3F目まで終始手綱を引っ張り通しで、折り合いをつけるのに苦労していた。
これだけ折り合いを欠いても大きく崩れなかった走りは評価できる。
あとは、本番でどう折り合わせるかが、陣営の課題でしょうが本番の流れは合うはずなので、上手く調整して万全の態勢で出てきてほしいと思います。



若葉S

レースタイム:2.00.2(稍重)
12.6 - 11.5 - 12.4 - 12.2 - 12.1 - 12.4 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 12.4 <23.2-23.8>
前後半(60.8-59.4) 後傾持続型失速ラップ戦

時計がかかり出した馬場だったが、後半59.4の区間は過去の若葉Sと比較しても速く、馬場を考慮するとラップが速いロンスパ戦になっていた。
2019年の皐月賞で2着したヴェロックスは、その年の若葉S(稍重)の後半を、
12.4-12.0-11.7-11.6-12.2(59.9)と持続型失速ラップとなったロンスパ戦を勝利。
この後半を持続的に速いラップで進みながらラストの失速幅を抑える形の走りができると、高速持続型ラップになりやすい皐月賞に直結してくる可能性は高い。

勝ち馬のデシエルト
この馬のポテンシャルは相当高く、それは1月のダート戦でも既に証明していた。
1/8のダート1勝クラスを勝ち上がった後にメモした内容が以下。

かなりの前傾ラップで推移したが、逃げ馬を見ながら2番手追走。
断然人気のジュタロウの追い上げを前受けして、失速ラップ戦を並ばせることなく押し切った内容は強い。新馬戦のように瞬発型ラップでも対応でき、高い持続力が問われる流れにも対応できたのは大きい。
翌日の古馬2勝クラスより0.3秒速いレースタイムであったこともレベルの高さを窺わせる。

持続力を問われるダート戦でのパフォーマンスだっただけに、芝でどうかと思った若葉Sも終始かかり気味に手綱を引っ張りながら、ラストまでしっかりと脚を使える持続力は脅威。
ダート戦とはいえ、前後半48.4-51.6の超前傾ラップを先行して押し切っていて、その48.4は若葉Sより速い。
芝の走りも問題なく、さらにペースが上がっても十分対応できそうで、有力馬の多くが後方寄りの競馬を強いられるのであれば、この先行力と持続力+前傾ラップ対応力は魅力的。
この走りは決してフロックではなく、本番でも要注目の一頭。



スプリングS

レースタイム:1.48.4
12.9 - 11.6 - 12.2 - 12.1 - 12.0 - 12.3 - 12.0 - 11.3 - 12.0 <24.3-23.3>
前後半(60.8-59.6)  後傾瞬発型加速ラップ戦

典型的な前有利のラップバランスに持ち込み、直線に向くまで全馬脚を温存して、L2F目に急加速する瞬発力勝負に持ち込んだ、前2頭のレースだった。

勝ち馬のビーアストニッシド
瞬発型ラップ戦を前で押し切る能力に長けた、今回のレースで最もパフォーマンスを出して走り切った馬の1頭。
年明けから、シンザン記念・共同通信杯・スプリングSと3戦に渡って上位に好走し、この世代でも中心的な存在になってきた本馬。
京都2歳Sでも急加速区間でしっかり反応し、勝ち馬と接戦を演じたように、この加速力は後続にとっては脅威で簡単に止まらない末脚が更に磨きがかかると、G1の舞台でも馬券内を賑わす一頭になり得るのではないでしょうか。
ただ、過去6走で上がり3位以内が1回と、G1の決め手勝負になった際に先行し押し切るには、もう一段階レベルアップが必要。

3着、サトノヘリオスは、エリカ賞で見せたレースラップが本物であったことを証明する走りで3着。
上り幅の小さいレースを中団から上がり最速で差し込み、持続的に長く脚を使っていた。
4コーナーを最内で上手くなだめながら回ってきた時の手応えは相当なもの。
直線も進路が開くまで追い出しを待たされた格好になり、しっかり終えたのがL1F地点だったが鋭く反応していて、スムーズなら・・・と思わせる十分な走りでした。



以上、皐月賞の前哨戦分析と注目馬の短評でした。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました😌

反響いただければ、今後のG1でもこの様なコラムを書きたいと思います。
皆さまにとって、最高の皐月賞になりますように!

以上、のーむーでした!

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