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ロンドンプランの能力とこれからを考察してみました。

小倉2歳Sを見た直後の感想として。
ロンドンプランが見せたレースぶりは、
グランアレグリアがスプリンターズSで見せた走りに近いなという感想。
グランアレグリア級という意味ではなく、1200を1600の流れで走ったなという感覚。

派手なパフォーマンスで快勝したロンドンプランですが、その走りをラップから検証し、
現時点での能力と今後の2歳~3歳戦において距離を伸ばしマイル路線で活躍が見込めるかどうかの可能性などを検証してみたいと思います。

☆昨年のラップとの比較から、現時点でのロンドンプランの絶対能力を探る


【2021年と2022年のレースラップ】
2021年 11.8 - 10.7 - 11.1 - 11.2 - 11.6 - 11.5 (33.6-34.3) 1.07.9
2022年 11.8 - 10.3 - 11.1 - 11.7 - 11.6 - 11.6 (33.2-34.9) 1.08.1

【後半3Fの個別ラップ】※のーむー調べ
ナムラクレア  34.0-33.9(個別ラップ)11.2-11.2-11.5
ロンドンプラン 35.0-33.1(個別ラップ)10.9-10.9-11.3

【同日の2歳未勝利・古馬1勝クラスとの比較】
2021年 小倉2R<2歳未勝利> 33.5-35.6 上がり最速(34.6) 1.09.1
2021年 小倉7R<1勝クラス> 33.4-34.6 上がり最速(33.8) 1.08.0
2021年 小倉11R<小倉2歳S> 33.6-34.3 上がり最速(33.9) 1.07.9

2022年 小倉2R<2歳未勝利> 32.9-35.0 上がり最速(34.7) 1.07.9
2022年 小倉7R<1勝クラス> 32.9-34.7 上がり最速(33.6) 1.07.6
2022年 小倉11R<小倉2歳S> 33.2-34.9 上がり最速(33.1) 1.08.1

※参考に2016年のレーヌミノル(後の桜花賞馬)も同日の古馬1勝クラス(牝)とは0.1差とほぼ同ラップ、同日の2歳未勝利戦より1.5秒速い走破タイムをほぼ自ら刻んで圧勝していました。

2021年も2022年も良馬場ではあるが、2022年のほうが馬場は速い。(馬場差は-0.3~-0.4)
22年は古馬1勝クラスとのタイム差も+0.5秒と大きく、21年との馬場差も踏まえると、21年より0.2秒も遅い今年の小倉2歳Sのレースタイムは低レベル。

ロンドンプランが差し切れたのは、全体的に低調なメンバーで行われ走破タイムが遅かったこと、且つ4F目が11.7と早めにコーナーで減速したレースラップになり、後方追走組も差を詰めやすく1200戦としては瞬発力を活かせるレースラップになったことも大きい。
幾分恵まれた感はあるが、それでも上がり2位より1.1秒も速い33.1での差し切りは、同世代の決め手比べにおいて高い能力を示す裏付けになっている。

時計面や映像から算出した個別ラップなどの観点から、自分なりに以下の3点を結論付けました。

① 今年の小倉2歳Sはロンドンプラン以外のメンバーはややレベルが低い。
② ロンドンプラン自身の刻んだラップは昨年のナムラクレアと同等クラスの価値がある。
③ ロンドンプランが今回見せた脚の使い方は、スプリンターというよりはマイラー寄り。

レースを改めて見返しました。
スタートのロスは自分の見立てで約5馬身、最初の加速がつきづらい区間であることも加味すると時計にして約0.5秒
その後は流れに乗っているので、松山騎手が無理せず追走させたことがラストの末脚に結びついた形。
乱暴な計算であと0.5秒はレースタイムを縮められたと考えれば、ロンドンプランの走破タイムは1.07.6
古馬1勝クラスと同タイムで走破している計算で、走破タイムからは昨年のナムラクレアとほぼ同等の能力があると判断しても良いと個人的には結論付けています。

ロンドンプランの将来性を考えたときに、能力はナムラクレア級だとしても、3歳春を見据えるならば距離はマイルまで対応できないと出走するレースの選択肢が限られる。
ナムラクレアは強い馬ですが、1200~1400がベストのスプリンター。
ナムラクレアは小倉2歳Sの時点でスプリンターとして適性の高さを示していたと感じるのは、先頭集団からそれほど離れていない位置でレースを進め、4F目まで11.2とスタートから長く高速ラップが続いたレースラップを、ゴールまでの持続力比べで差し切る持続性を活かした走り、これはいかにも1200や1400向き。

その点、ロンドンプランが刻んだレースラップは4F目で一気に11.1→11.7とラップが落ち着き溜めが利く後続も末脚を活かしやすい、1200としては瞬発力を求められたレース。
上がり上位3頭が1~3着を独占していることからも、瞬発力を活かす競馬に向いた流れであったことが示されている。
これは仮説ですが、例年のように前が速く持続力を求めるラップだったら、ゴールデンウィンドやメイショウヒュウガが馬券になっていた可能性は高いのではないかとみます。
今回のように瞬発力を求められたレースで、上がりが突出しているロンドンプランの末脚と能力はマイルでこそ更に引き出されるのではないかと想像します。

兄弟や近親を見てもダートでの活躍馬が多く見られる血統背景から、芝のマイル重賞などの上級条件でどこまで活躍できるかは血統面から鍵になってきそうですが、小倉2歳Sで見せたパフォーマンスからは、マイルでも十分に高いパフォーマンスを期待できる馬とみていますのでG1での好走も期待できる馬だと感じています、来春のNHKマイルCへ向けて順調にステップを上ってほしいですね。


おまけ

この調べをしている中で改めて驚いたのが、小倉2歳Sの同日に行われた2歳未勝利戦のペースセッティングのレースぶり。
逃げてレースを支配したが、前半32.9で入り後半を11.6-11.6-11.8でラストは手綱を抑える余裕でこの持続ラップと、前半もそれほど無理せずにラップを刻んで32.9であったことを考えると、まだもう一段スピードを発揮できて良さそう。
レースタイムは小倉2歳Sを0.2秒上回るタイムでもあり価値も高い。
新馬戦はスタートで出遅れ、後方から外を回して差し脚を伸ばすも差し切れなかったように、現時点では上級条件になるとキレ不足を露呈すると思います。
ただ、今回のように自分でレースを作って、持続力勝負に持ち込めれば上のクラスでも十分に通用しそうです。(距離延長、特にマイルへの延長時は危ない気もするが、、、)
距離の融通はそこまで利かなそうな今の走りから、将来は優秀なスプリンターになっていくのではないでしょうか。要注目の一頭です。


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