見出し画像

今更RDR2やったら骨の髄まで西部に浸った話

はじめに

~BGM~


2023年最も面白かったゲームは?と言われて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
starfield、AC6、ティアキン、SF6、FFXVI、バイオRE4、ホグワーツetc…とにかく豊作の年だったと言えるだろう
そんな今後あるかもわからないレベルで良作が続々と発表発売される中、switchは壊れ、お財布事情的にフルプライスに足踏みして中々話題の新作についていけないでいる中で、9月にsteamのセールであるゲームを購入し、ハマった ドハマりしてしまった
それこそがタイトルにもある「RED DEAD REDEMPTION II」である

RED DEAD REDEMPTION IIとは


RED DEAD REDEMPTION II(以下RDR2)は、GTAなども手掛けるロックスター・ゲームスにより2018年に発売されたオープンワールドのアクションアドベンチャーだ
フルプライスだと8618円(2023年12月現在)といいお値段だが、セールだと3000円前後で購入可能
IIのタイトルからもわかる通りシリーズものだが、時系列としては前作RED DEAD REDEMPTIONの前日譚にあたるため、IIから遊んでも問題ない作りになっている

舞台となるのは1899年アメリカ
19世紀後半のこの地の歴史といえば、南北戦争やそれに伴った第二次産業革命、黒人奴隷の解放といった大きな転換の時代

「西部劇」というと荒野によくわからん茶色いボールみたいな草(タンブルウィードと言うらしい)が風に吹かれてコロコロしてる中でガンマンが決闘してそう、とかいう固定概念がプレイするまであったのだが、これはこの近辺の西部開拓時代、詳細に言えば1860年代後半から1890年を描いたものが多いためのようだ
今作はそういったガンマン達のいわば黄金時代ではなく、それを少し過ぎたあたりを描いている

以下あらすじ

1899年、アメリカ。

アーサーとダッチギャングは逃亡中の無法者だった。連邦捜査官と国中の賞金稼ぎに追われる中、ギャングたちが生き延びるためにはアメリカの荒れた土地で強奪、暴力、盗みを働くしかなかった。抗争に関わるほど、ギャングはバラバラにされる危機に見舞われる。アーサーは、自らの理想と自分を育ててくれたギャングへの忠誠、そのどちらかの選択を迫られる。

steamストアページより

開拓時代は終わり、法執行官たちにより無法者が一掃されていく中で、プレイヤーは「排除される側」のギャングの一員、アーサー・モーガンとなり、物語は進んでいく

ストーリーを彩るキャラクターたち

アーサー・モーガン


『俺達は泥棒だ。世界に必要とされてない』

RDR2の主人公   35歳
幼い頃に母は原因不明で亡くなり、父は病死、天涯孤独となり奴隷として捕らえられていたところをダッチに18ドルで購入され、彼とホゼアに育てられる
読み書き、狩り、喧嘩、射撃、乗馬などあらゆることを教えられながら、文明や法に縛られず自由に生きるというダッチのビジョンを共有して成長していった
高い忠誠心と冷静な判断力により組織を支えて来た功労者であり、ダッチと仲間達からは強い信頼を寄せられている
銃の腕は自他ともに認める程だが、釣りは苦手な様子
ぶつくさ言いながらもなんだかんだ最後にはやってくれるし、ちょっと無理だろそれはとか言いながらなんだかんだ自分の腕で成功させてしまう優秀過ぎるおじさん

ダッチ・ファン・デル・リンデ


『向こうは全力だ。俺たちはヤツらにとって恐怖の象徴だからな』

アーサーの所属するギャング「ヴァンダリン」のボス
カリスマ性、知識、経験に溢れ、自由を何よりも愛し、義賊のような生き方に誇りを持っている
時々無茶な計画を立てることもあるが、アーサーとホゼアがなんとかできすぎるのでなんだかんだ上手くいってきたようだ
その分彼らに大きな信頼を寄せており、時代との軋轢による自分が率いるギャング団の危機を共に乗り越えようとしているが…

ホゼア・マシューズ


『もっと早く知恵を身につければよかった』

ダッチとは20年以上もの付き合いがある熟練のアウトローであり、彼の右腕
アーサーがその実力でダッチを支えているとすれば、ホゼアは頭脳と話術を駆使してダッチを支える参謀のようなポジションで、臨時の医師代わりも務める
アーサーからの信頼も厚く、ダッチ以上に信頼を寄せられている描写もある

マイカ・ベル


『勝者と敗者…それ以外には何もない』

ギャングの中では新参者だが、熟練の犯罪者であり殺し屋
アーサーも彼の実力は認めているが、残酷な面も強く内心毛嫌いしている
どれくらい残酷かといえば、彼が捕まっているところをアーサーが助けに行くミッションがかなり序盤にあるのだが、その際逃げる前に自分の愛銃を取り戻すために街の人間ほぼ全員殺して出ていくくらいは過激
カス野郎

ジョン・マーストン


『今となっては疑念しかない。疑念と傷跡だ』

RDR1における主人公で、1では立派な大人として描かれていたが、今作は正直ちょっと頼りない
アーサーと同じころにダッチに拾われた兄弟分だが、彼ほど勤勉ではなかったようで、後年にはそれを悔いているような描写もある
兄弟分のはずだが序盤でのアーサーの信頼は最悪であり、「バカ」「世界初の狼に噛まれて賢くなった男」「泳げない役立たず」「もう少し賢ければ」など散々
ここまで言われるのも理由があり、彼はギャングのメンバーであるアビゲイルと恋に落ち、ジャックという子を作ったはいいものの、「自分の子供だと受け入れられない」とか言ってその二人をギャングに置いて1年以上失踪していたため
なんだかんだでやる時はやる男

RDR2の魅力

ただ生活するだけでも細かい要素たち

このゲームの魅力の一つとしてちょっと面倒くさいところがある

オープンワールドらしく食事の概念があるが、釣りをしたり、その辺りを走っている動物を狩って肉を入手し、キャンプを張って調理して食べるのも良いし、街の酒場で食事をとってもいい、雑貨屋なんかで缶詰を買っておくのもいいだろう

 入る街の酒場によって様々な料理を楽しめる 画像は子羊のフライ(5$)

だからといって食べ過ぎたり間食を頻繁にすると、太りすぎて走るのにスタミナ消費が大きくなるし、あまりに食事をとらないとやせ過ぎて受けるダメージが大きくなる

時間が経つと髭は生えてくるし髪も伸びてくる
床屋に行かないと髪は切れないし鏡がないと髭は剃れない
ワックスをつけてオシャレもできるが、時間が経てば型崩れしてしまうので度々手入れが必要になる
ストーリーやイベント中のムービーもその時の髪型や服装そのままに再生されるので、否が応でも身だしなみを気にすることになる
風呂に入ってないと拠点に帰ってきたときに女性陣に臭いから水浴びしてきて!!!と言われたりする 加齢臭ではない

左がアーサー ほっとくとめっちゃ髭が伸びる

ぬかるんだ道で喧嘩になれば泥だらけになるし、殴り合いの中で返り血が付いたりケガをしたりもする
そうなったら水に入って洗わないと汚れたままになるし、青あざのままムービーが始まったりもする

時代的に自動車が一般に普及しているものではないので基本的には馬での移動になるが、馬も生き物なのでお腹は減るし、走り続けていると汚れてくるので、エサをやったりお手入れしたりしないとデバフがかかる

馬の尻尾やたてがみ、鞍やサドル等の見た目も変更でき、スタミナに影響する装備もある

また、このゲームには名誉度というシステムがあり、人助けなどの良いことをすれば上がっていくし、逆に悪いことをすると下がっていく
名誉度が変化すると、アーサーの顔つきや発言が変わったり、お店で買い物するときに割引されたり、仲間とのちょっとした会話にも変化が生まれる

これらは一例で一見すると面倒くさいが、やってみるとこれが没入感の一端を担っている
仲間よりも長い時間を共にする馬には手入れすることで愛着が湧いてくるし、何気ない生活の中で髭剃るために一回帰るかな~とか、髪伸びてきたし床屋ある町にいかないとな~とか、そろそろ食事減ってきたけどお金もないし狩りしないとな…とか、アーサーとしての生活にどんどん飲まれていく


移動することの楽しさ


冒頭で少し触れたが、自分の中で西部劇といえばやはり荒野のイメージが強かった
しかし今作のプロローグは過酷な吹雪の中の雪山から、第一章は田舎街始まる

雪山
1章の主な舞台となるヴァレンタイン
周囲は緑に囲まれており、道も舗装されておらず、木造の建物が目立つ


勿論イメージ通りの荒野も存在するし、産業革命によって発展した大きな街も存在する
とにかくマップが広い、広すぎる
普通に馬で走ってるだけだと移動するだけで数分、距離によっては当然のように10分近く取られたりもする
少なくともストーリーを進めている時点では一体どこまで広がるのか全く想像できなかった
が、ただ広いだけで終わらないのがこのゲームの魅力だ
産業革命が進んだとはいえ、まだまだ手つかずの自然が多い時代
ロックスターの技術力による素晴らしいグラフィックで描かれた自然の中を馬を操って駆け抜けるのは何物にも代えがたい体験だった
ただ緑が続くのでなく、山あり谷あり、時として大きな牧場を目にしたり、郊外に小さな家が建っていたりもする
果ての見えない農園を目にすることもあるし、滝があって川があって大きな湖があって、時として湿地帯が出てきて…と、あまりにも広いマップの中でも見飽きるようなことはなかった
このあたりの美しさはちょっと自分のスクショの腕ではいい感じに撮影できなかったので、steamのコミュニティページを覗いてみることをお勧めする


そんな移動にスパイスを加えてくれるのがランダムイベントの存在だ
移動しているとき、街を歩いているとき、ストーリーやサブイベントとは別にちょっとしたあれこれに巻き込まれることがある

道の途中で呆然としている女性に話を聞いてみると、どうやら乗ってきた馬が転倒して死んでしまったので、街まで乗せて行ってくれないか?と聞かれる 
そこまで距離もないしいいかな?と思って彼女を後ろに乗せて街へ向かうと、あの馬は小さなころから育ててきたとか、文句ばかりで何もしない夫なんかよりずっと勇敢だったとか、他愛のない会話をアーサーとして、街まで送ると礼を言って別れる
また違う日に森の近くでこちらを呼ぶ女性がいて、また街まで乗せてくのかなぁとか思って近づいてみると、いきなり馬から降ろされて乗っていかれそうになる キレたので頭を撃ち抜いた

急に悲鳴が聞こえたと思ったら毒蛇に噛まれたとわめく男性が出てきて、薬をやると去っていく
しばらくして近くの街に行ってみると、あんたに命を救われた礼だと近くの店で1品奢ってくれた

これらはほんの一部だが、こういったちょっとしたイベントのおかげで、ただ移動したり生活しているだけでも楽しめる
またこれらの中でのアーサーの発言などは先述した名誉度によって変化する…らしい(善人プレイしかできなかったので未確認)

最高のBGM

このゲーム、なんとBGMも滅茶苦茶良い
spotifyでサントラが配信されているが、聴いていると本当に心が西部に染まっていく気分になる

激しさを感じる曲から、ノスタルジックな曲まで幅広い
こういういかにも西部っぽい楽曲たちが最高のタイミングで差し込まれる訳だからそりゃもう興奮しないわけないのだ
こんなので演出されるんだからリアルの顔つきまでカッコつけたくなるのも仕方ない
(ちなみにこういった楽曲たちは「オールド・ウェスト」としてジャンル分けされているらしい)


アーサーの葛藤、生き様


このゲームのストーリーは、あらすじからも察せられる通りあまりうまくいかないことの方が多い
また、アーサーは時として暴力や強盗など悪事に抵抗がない残虐な面もあるが、快楽や趣味で人を殺したりはしないので、根からの極悪人ではない(こういった部分の擦れから来る悩みを仲間に打ち明けるシーンも存在する)

変化していく時代に付いていけないギャングたち、上手くいかない生活、そういったものの中で、アーサーは悩み、自分のような血に染まった無法者はどう生きるべきか向き合っていくことになる

このゲームはモノローグが非常に少ないが、その分演技や演出にも力が入っており、ちょっとした表情の変化、キャラクターの息遣い、ゲームからムービーへのシームレスな移行とで更にプレイヤーをRDR2の世界に引き込んでいく

いやもうほんとにストーリーやキャラクターの関係性について語りたいことは山のようにあるが、語りすぎてネタバレになってしまう方が怖いので、この辺りは是非プレイしてみてほしい

おわりに


「記憶を消してもう一度プレイしたい作品」というのはオーバーな表現だと思っていたが、そう言って過言ではないゲーム体験を初めてできたのがこのRDR2だった
今までそこそこの本数をゲームしてきたが、最高のゲームは何か?と言われれた時、今は間違いなくこのゲームを推すと思う
クリアした時の満足感はありふれた表現ではあるが、まさしく1本の映画を見終えたような感覚だった
結構な頻度でセールをしているので、蛮族の諸君については是非一度プレイしてみてほしい

では良いクリスマスを


追記
セールしてた
8600円が2900円に!!!!!!!!!!
これは年末やるしかない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?