幻冬舎BL小説ならこれ!〜2021年の場合〜

皆の者、集え集え〜!幻冬舎の日が来たぞ〜!
ということで、毎年恒例の半額セールがきたので、2021年の私が読んで欲しいおすすめ作品を挙げていきます。

幻冬舎の2レーベル(リンクスとルチル)はどちらも寒色のイメージがあります。青系の表紙をよく見た気がするからかな。

ところで、おすすめ記事書いている途中って、誰が見てるんだろうと思ったりもするのですが、まあ自己満足ですよ、noteなんてとも思っているので、幻冬舎の日におすすめしたい作品紹介は毎年恒例にしたいです(要するに自己完結)
見てるよ!という奇特な方、おまえのオススメで読んだこれは面白かったわという方、いるよと教えてくれると嬉しいです!私もオススメ教えてほしい🕊

ちなみに私はまだ入手していなかった小中大豆作品中心に買いました🐰
カートに入れた作品に、もう持ってるがまた買うのか?というアラートが出たり、積読は一生減らないなと思う今日この頃です。


坂井朱生「たかが恋です」(イラスト:あかつきようこ)

燃え尽き症候群の帰国したての年上男前シェフ攻×天然生活力ゼロ受

突然ですが私は生活力のない受という存在が好きです。実生活で卵をうっかり電子レンジに入れて爆発させるような人と暮らすのは勘弁と思うのですが、これがフィクションの受だと許せてしまうし、かわいいなあと思ってしまう。というわけで、今作はそんな受です。
攻は海外でも一流まで上り詰めたシェフだけれど、現在は燃え尽き症候群のように料理への情熱が消えかけている。そんな状態で帰国したタイミングで恩人である受兄に頼まれて、受と同居してハウスキーパーの役割を任されることに。
考えごとを始めると他のすべてのことが疎かになる受を可愛いと思ったり、攻の作る料理になんでもおいしい!と笑顔な受を餌付けしてみたり。
受は頭はよくても生活力がない天然で、独り立ちできるようにならないと!と頑張るも天然パワーで空回り(ドジっ子)でもそれがラブイベントだったりするので、なおニヤニヤしちゃう。
基本は攻目線で話が進んでいくので、攻と一緒に天然な受を愛でていく話です。そして受兄にもちゃんと筋を通す男前攻。安心安全の攻です。

ということを書いていて思い出したのですが、こちら(下記)も幻冬舎から出ている生活力ゼロな受のお話でした。この手の話は攻視点のことも多いかも。今回紹介したどちらも基本攻視点です。珍しい。

崎谷はるひ「きみと手をつないで」(イラスト:緒田涼歌)

チャラい見た目だが仕事はきっちりするハウスキーパー年下攻×生活力ゼロの売れっ子ホラー小説家受

散歩すらひとりでさせることを躊躇うような、どこかに飛んでいきそうな儚げ受のお世話を甲斐甲斐しくする攻です。本当にな~にもできない受(できなくてもいいようにハウスキーパーを雇えるような職業、収入になったともいう)ですが、住み込みで働く攻と暮らしていくうちに、受の情緒も成長していき、二巻ではついに攻を奪われないように!とめちゃくちゃ頑張ります。攻は人から好かれるということに気づくことができるようになった受にほろりときたりもする。成長物語でも。
受は小説家になることを薦め、今も公私共に支えてくれた当て馬(?)に依存していた気があるし、この当て馬男もなかなかずるいなーと思うのですが、無事年下攻が攫っていきますのでご安心を。
天然な受に振り回される攻がお好きな方には特におすすめ🕊


佐倉朱里「月と茉莉花」シリーズ(イラスト:雪舟薫)

年下烈王攻め×敵国の盲目公子

架空の中華国が舞台です。自国が攻の国を裏切ったことが原因で、攻の国に連れてこられたと知っている受は、自分の運命を覚悟している。受自身は盲目だという理由で公子にもかかわらず、蔑ろにされ、いないものとされていたのに(でもそのおかげで一族郎党皆殺しのなか生き残っている)
一方攻は受がなにを考えているのかわからないと苛立っている。そんなところから始まるふたり。
攻は賢王でもあり、民にとってはとてもいい王だとは思うのですが、性格がちょっと荒っぽい。だから嫋やかで物静かな受のことが理解できずに苛立ちもする。ふたりのすれ違いはだいたいが言葉の交わしあいの足りなさが原因。攻は言わずともわかるだろうと思っているし、受は攻が思ってもいないことを深読みしてしまう。
私は自国で蔑ろにされていたがために、名前も持っていなかった受に攻が名前を与えるシーンが好きです。名って呪いでもあるから、もう体から魂から自分のものだと刻み付ける行為ですよね……萌える。しかも、つけた名前が「月心」ですよ!粗暴なふるまいをする烈王から出てきた名前がこれだと思うと、攻は受のことを月のように綺麗だと思っているんだな…とニヤニヤします。
00年代の作品なので初手合意なしだったりもするのですが、00年代の攻には珍しい感じの溺愛攻になっていくなと思いました。受がなにをされても(それこそ攻に殺されても)いいと思ってるから、私がどうこう言えないっすねという気持ちになる。
最終三巻目のラストはBLとしては賛否両論だと思うのですが、私はオメガバースもない、男性体が子供を産めない世界であるなら妥当だなと思っています。ただ、地雷な人もいるだろうから結論から言うと攻は受も納得の上、后をつくります。この女性も含めた三人は共犯者のようにして歴史書に名前を残す…というエンディング。ここも含めて、私は好き。


椎崎夕「近すぎて遠い」(イラスト:花小蒔朔衣)

年上包容力攻め×トラウマ持ち健気受

過保護攻です!事故で両親を亡くした受は同じ事故で片足が不自由。他にも姉と結婚した男が原因の事件があったりで、それはもうキャパシティーオーバーの、いっぱいいっぱいで生きている。自立心がないわけではないのに、ままならない。そんな受なので、攻も過保護になりますねと思う。
攻からの溺愛が従兄のおにいちゃんとしてなのか、恋愛対象としてなのかという鉄板のすれ違いももちろんあります!長い付き合いがあるからこそのすれ違いだし、まだ学生の受と成功したオトナである攻という現代の身分差があってこそ。
続編ではさらに自立したいと藻掻くものの、攻の過保護が壁になったり、それが原因で周囲もうまくいかず、おまけに攻ともすれ違ったりという続編ならではのやりとりも読めます。続編になると、そこまで受を過保護に囲いたがる攻が悪いよ…という気持ちになるから不思議。
健気受と過保護攻の心臓がギュッとなるほど切な甘い話が読みたい方にはおすすめ🐰


中庭みかな「きんいろの祝祭」(イラスト:榊空也)

男前誠実攻×運命が決まっている健気受

受は金色の瞳をもち、契る相手にしかその瞳を見せず、そのかわり豊穣などを約束する「きんいろ」という存在。
このお話はラストがハッピーエンドではあるものの、「きんいろ」に定められた運命のせいで切ないものとなっています。でもこれがすごく萌える。
表紙に三人いる理由、当て馬(ではないような気もしますが…)をさせる必要はなかったのでは!真正面からいきなさいよ!と攻に思うのですが、朴念仁で不器用な攻には難しかったんだろうな。
でもね、もう本当にラストがいいんですよ(回目)これに関してはネタバレしたくないので読んでもらうしかないのですが、受の瞳に関するラストがもう……もう……私が言えるのは読んでくださいということだけ…。

中庭みかな「キャンディカラーの世界できみと」(イラスト:すずくらはる)

無口な男前シェフ攻×なかなか目の出ない小説家受

こちらもおすすめ。現代もの。すでに付き合って同棲もしているふたりですが、今幸せだからこそ感じる恐怖もあり……という甘くも切ないストーリーが大変よいです。攻は寡黙ですが、見えない溺愛攻で、いい男。『付き合ってもらっている』と思っている受と、いや本気で好きなんだが?という攻とのすれ違い解答編は大変おいしいですね。大好き。
そして表紙にもいるニワトリがまたいい味を出しています(受の相談相手)


今回はちゃんと読み返すことができなかったので、2~3巻で終わる作品を中心にチョイスしました。次の幻冬舎の日までにシリーズ系の作品も読み直してまとめておきたいですね。来年までの目標としておきます🧸

みなさんは幻冬舎の日、なにを買いましたか?

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