[掌編小説]テキサス・キャノン・ボール
近所のコンビニを右に曲がって、暫く真っ直ぐ行くと、10畳程の小さなコインランドリーが見えて来る。
その隣に、同じ位小さな蕎麦屋がある。
2人掛けのテーブルが4つあり、入り口には5.6冊の新聞や雑誌がブックスタンドに並んでいて、厨房には棒切れみたいな腕の大将が、何時も寸胴鍋をかき混ぜている。
メニューは掛け蕎麦、盛り蕎麦の2種類のみと少ないが、喉越しは格別だ。どれだけ口に詰め込んでも、喉が蕎麦に合わせて形作られたかの様にフィットする。
私は学生時代から合わせて6年間通っているが