見出し画像

イト

クリープハイプのトリビュートアルバム『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』がリリースされ、その中に『イト』をUNISON SQUARE GARDENがカバーした曲が入っている。

上記サイトにある通り、クリープハイプの『イト』はユニゾンの『シュガーソングとビターステップ』から着想を得て作成されていることが語られている。
なので、ユニゾンはそれを逆手に、『シュガビタ』風にアレンジしてカバーした。イントロなんか、本当にそのまんま『シュガビタ』なのである。
この辺りの遊び心というか、ユニゾンが1stアルバムで標榜した「ロックバンドは、楽しい」を体現している感じは、やっぱりユニゾン(主に田淵氏)らしくて、とても良い。『イト』に纏わる上記の経緯を知っていれば、思わずニヤリとしてしまうこと間違いなしだ。
もちろん、その経緯を知らずにユニゾンファンが聴けばイントロで間違いなく「!?」となるし、クリープのファンが聴いてもユニゾンらしさを存分に感じてもらえる楽曲になっていると思う。


この度はどうも 末長くどうか
誰かの糸で ぎこちないお辞儀
この旅はどうも 雲行き怪しい
誰かの意図で やるせない動き

『イト』クリープハイプ
作詞:尾崎世界観

私自身、元々、この『イト』という曲が大好きで、“糸”と“意図”のダブルミーニングを始め、上記で引用した“この度はどうも〜”と“この旅はどうも〜”なんていう言葉遊びなんて「やられた!」と思った。
特に難しい言葉選びではないのに、この歌い出しに全てが詰まっていて、(MVではもっと簡素だけど)どことなく操り人形をイメージさせ、それを操っているのは自分であり、操られているのもまた自分である、といったような情景を想像させる。
これが私のnoteの自己紹介にある「言葉を捏ねくり回して遊ぶ」という、まさにソレなのである。
歌詞だけで「そんなの好きになるに決まってるじゃん!」という感じで、さらに曲はユニゾンの『シュガビタ』から着想に得ているなんてもう、目の前にカツカレーが用意されている、みたいな状態である。
とんかつとカレーなんて組み合わせたら美味しいに決まっているのだから。

そんなクリープハイプが作り出したカツカレーを、ユニゾンも作ってくれたのだから、そんなのもう美味しいに決まってる。レストランのメニューに書かれた「カツカレー」の文字に異様に惹かれるなんて、絶対みんな経験しているはず。
今までは「クリープハイプ」という店で出していた「カツカレー」が「UNISON SQUARE GARDEN」という店でも味わえるようになったらしいから、これは食べておかないと!となること必至である。

そんな「クリープハイプ」と「UNISON SQUARE GARDEN」の『イト』という曲、どちらもとても良いのでぜひ聴いてほしい。
なお、カツカレーの例えは完全に個人的な好みです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?