見出し画像

断髪小説 義姉の欲情(前半)

このオフィスはエアコンの室温設定が高い。
というか私のデスク周りはエアコンの風の通り道になっている。

今日も我慢できなくなってなくなって、トイレに駆け込んだ。
誰にも見られていないことを確認してセミロングのウィッグを外す。
冬でもウィッグを長い時間つけっぱなしにしていると蒸れる。
トイレの中だけど頭の周りにスーッと空気が流れてきて気持ちいい。

私がウィッグを被っていることは、もうみんな知っている。
最初のうちは私もバレたくないと思って、同じウィッグを2つ買って交替でつけていたけど、自分が思うほど他人は気にしていないようだから、いろんな髪型やカラーのウィッグを買ってその日の気分や服装で変えている。
ただウィッグを外すとどうなっているかはみんな知らない。
ウィッグの下は私の大事な秘密だ。

今、ウィッグの下の髪は2センチくらいだ。
このぐらいになるとウィッグの隙間から短い髪が元気にツンツンと飛び出してくる。
大体いつもこれくらいまでは髪が伸びるけど、そこから全部剃られてリセット。
振り出しに戻ってしまう。

だって

あの瞬間がたまらないから…
あの感触がたまらないから…

私は強い欲望にいつも屈してしまうのだ。

話は数年前に遡る。

伝染病の影響で在宅勤務が始まった。
小さい子どもがいる人は在宅勤務を嫌がっていたけど私は一人暮らしだ。
往復1時間の通勤時間がなくなり自分の時間が増えるし残業もない。
煩わしい人間関係からも離れられるし、一人の方が集中して仕事ができるから自分にはラッキーだと思っていた。

しかし1人の時間がずっと続くと退屈になり満たされなくなってきた。
外出も満足に出来ず、他人とのコミニケーションはパソコンを通してできない日々が続く。
仲のいい同僚がいないわけではなかったが、家族や恋人がいたり実家に帰って生活していたりで会う機会もない。所詮はみんな他人なのだ。

寂しさに身をつまされて、私もうるさい親がいる実家に戻ろうかと考え始めた頃に、義姉のサヤカさんが電話をかけてきた。

「私も今一人だから、しばらくいっしょに暮らさない?」って。

兄のアキラは海外で単身赴任することになり、ロックダウンで帰国ができなくなってしまっている。

一応私は兄にも確認をとってサヤカさんの言葉に甘えることにした。

荷物と仕事の道具をトランクに入れて義姉の住むマンションへ。
駅から少し離れたファミリー向けのマンションは確かに一人で暮らすには広すぎる。

「私も一人暮らしで寂しかったのよ。エミちゃんがいっしょだと嬉しいわ」
兄が仕事や趣味で使っていた部屋に荷物を置いて早速一緒に食事をした。

サヤカさんは美味しい手料理とワインを振る舞ってくれた。リアルで他人と気兼ねなく会食するのは久しぶりだったのでちょっと調子にのっちゃったかもしれない。
昼間なのに少し酔って、私はリビングのソファベッドの上で寝てしまった。

どれくらい時間が経ったのだろうか。目が覚めると外は薄暗くなっている。
目が覚めた私に気づくとサヤカさんは

「エミちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど」とカーテンを閉めて近づいてきた。

「なんでしょうか」と返事をすると、サヤカさんはおもむろに自分の頭を両手で抱えて、ズルズルっと後ろにずらした。

えっ?義姉さんの頭が後ろにズレた?

一瞬何が起きたのかわからなかった。酔っているのか思ったがそうじゃない。
サヤカさんはショートボブの髪のウィッグを外したのだ。
初めて見る坊主頭の義姉さん。

私は思わず「うわっ」と声をあげた。

「びっくりさせてごめんなさい。怖かった?」
サヤカさんは妖しげな笑みを浮かべながら私に質問してきた。
目鼻立ちが整った義姉さんは坊主でも美しい。

「いえ。ウィッグだと知らなかったものだからちょっとびっくりしちゃって…」

「ごめんなさいね。いきなり。でねエミちゃん。この頭をあなたに剃って欲しいの」

「私がですか?」

「エミちゃんってアキラさんの頭を散髪したことあるんでしょ?」

確かに中高と野球をしていたアキラ兄さんは少し変わっていて、自分で頭をバリカンで刈っていた。
私も何度か面白がって兄の頭を刈らしたもらったことがある。
だけどなんでサヤカさんが丸坊主になっているんだろう。
去年の結婚式の時は義姉さんはきれいなロングヘアだったのに。
兄にそういう趣味があったのか、義姉の性癖なのかはわからない。

サヤカさんはバリカンと電気シェーバーを持ってきて、フローリングの上に小さなシートを敷き服を脱ぐと、下着姿になって正座をした。
真っ直ぐ伸ばした背中は女性から見てもゾクゾクするくらい美しい。

「バリカンの使い方は知っているでしょ。最初はこれで丸坊主にしてちょうだい」

すごく緊張しながらバリカンのスイッチを入れた。

ブーーーーン

静かな室内にバリカンのモーターの音が響いた。
私はサヤカさんの肩に手をおきながら少し産毛が生えている首もとから頭頂部に向けてバリカンを滑らせた。

ジャリジャリジャリ…ジャリジャリジャリ…

女性の細い髪でも刈ると大きな音がする。
最初はその音に少しドキドキしながら少し後ろが出っ張った義姉の頭を刈っていく。

ジャリジャリジャリ…ジャリジャリジャリ…
 ジャリジャリジャリ…ジャリジャリジャリ…

うなじからつむじに向けて黒いイガグリ頭から白い地肌が浮かび上がってくる。
私は白い領域を広げるようにどんどん後ろ頭を刈っていくのだけど、落ちた短い髪が義姉さんの肩や背中にたくさんくっついてくすぐったそうだ。

「義姉さん。背中かゆくないですか?」私は義姉さんの綺麗な背中から髪を払い落としてあげていると

「あー。人に刈ってもらうのってやっぱり気持ちいいわぁ…」と気持ちよさそうに独り言を言った。

後頭部から耳の後ろあたりまできれいに刈り終えると、次は前の髪を刈るために義姉さんの顔が見える位置に移動した。
膝をついて正対すると、サヤカさんはうっとりした表情をして顔を上げて「お願い」と言ってきた。

ジャリジャリジャリ…
 ジャリジャリジャリ…

サヤカさんは髪が顔に落ちないように少し顔を上向きにして、目と口を閉じて額からのバリカンを受け入れている。
頭を刈るたびに左手を義姉さんの頭や肩を触ってしまうが、その度に気持ち良さそうな顔をする。
時々口元が緩み小さな声でモゾモゾ何か言っている。なんだかちょっとした恐ろしさを感じる。

ジャリジャリジャリ…
 ジャリジャリジャリ…

サヤカさんの頭をすべて刈り終えてしまった。
バリカンのスイッチを切ると義姉さんは気持ちよさそうに両手で自分の頭を撫で回し、「エミちゃん。ちょっと撫でてみて」と私を誘ってきた。

おそるおそるサヤカさんの頭の上に手のひらを置いた。
撫でると少しくすぐったく感じるようなチクチクした感触と火照った体温を感じとる。
私はそのまま義姉さんの頭を擦るように撫でて、頭に付いている短い毛をすべて払い落としてあげた。サヤカさんはとても気持ち良さように受け入れている。

「エミちゃん。次はこのシェーバーで全部剃ってちょうだい」

サヤカさんは近くに置いてあった電気シェーバーのスイッチを自分で入れて、お手本とばかりに最初は頭を少し剃って見せて、私に手渡してきた。

サヤカさんの頭は青白くはなっているが、まだ1ミリくらいの髪が存在している。
言われるがまま、私は義姉さんの頭をシェーバーで剃り上げていく。

大きさの割には少し重さを感じる電気シェーバーの丸い刃の部分を柔らかな白い頭皮に押し付けるようにすると
バチバチバチッ…ザザ…という弾けるような音とともに肌の中に埋もれた髪まで5枚刃のシェーバーは奪い取り、スベスベした手触りの部分を広げていく。

サヤカさんはさっきと同じように目を瞑って恍惚の表情でシェーバーを受け入れている。
一体何が気持ちいいのか私には理解できない。とにかく私はただただ剃り残しなく、綺麗に仕上げることを目指して、念入りにサヤカさんの頭を剃り続けていく。
細かい髪を指で払い、剃り残しがないか注意しながら何度もシェーバーを頭にあてて、パチパチと音がなくなるまで義姉さんの頭を剃り上げた。

「ありがとう。ごめんなさいね。こんなことさせちゃって」

義姉さんは髪を体中にびっしりつけながら満足げに頭を撫で回したあと、私からシェーバーを受け取り剃り残しをきれいに仕上げてスイッチを切った。

そして…

「ねえ。エミちゃん。もう一回両手で頭を撫でて私を気持ちよくしてちょうだい」とねだってくる。全部終わったと思っていた私にサヤカさんはさらに求めてきたのだ。

正直どうしていいかわからなかいし怖くなったけど、私はサヤカさんの背後に回って、両手でボーリング玉を磨くように手のひらでスベスベに仕上げてあげた丸い頭を撫でてあげた。
すると義姉さんはその場に両膝を付きやがて私の膝に頭を載せながら「ハァァ…うーん…」と悶えるような声をあげながら感じ始めた。

びっくりして手を止めると

「ねえ。やめないでもっと撫でてちょうだい」と義姉さんは私の腰に抱きついてねだってきた。
私はサヤカさんの頭を膝に載せて優しく撫でてあげた。
清楚なイメージだった義姉さんがウソのように欲望を露わにしている。
一体どうすればいいんだろう…キスとかそういうこともした方がいいのかな?
戸惑うまま私は義姉の頭を撫で回し続けた。

数分後「ありがとう」と義姉さんは満足したような声で私にお礼を言ってきた。

「びっくりさせてごめんね。お風呂場で髪を流してくるわ。そこは後で片付けるからゆっくりしてて」と言い残してバスルームに行ってしまった。

レジャーシートで蠢いたからサヤカさんの短い髪はフローリングにまで散らかっている。落ち着かないからきれいに掃除をしたいけど、掃除機のある場所もゴミの捨てる場所もよくわからないから、ひとまず義姉さんの言うとおり待つしかない。

手で集められるくらいの片付けはして、ソファベッドでスマホをいじりながら気持ちを落ち着けようとする。

初めて女の人の頭を剃ったこと。義姉さんの気持ち良さそうな声。手のひらに感じた体温。肌の匂い…。思い出すとなんだか自分も久しぶりにエッチをしたい気分が沸いてきて身体がムズムズしてくる。

30分くらいして、サヤカさんがバスルームから出てきた。
服は着ていなくて頭と身体にはタオル巻き付けている。
温かい湯に浸かっていたのか、少し肌がピンクに染まっている。サヤカさんは冷蔵庫から水を取り出すと私の隣に座って気持ち良さそうに飲み干した。
そして頭のタオルを取って、また私の膝に頭を載せてきた。

「エミちゃん。ありがとう。とっても気持ち良かったわよ」

湿り気を帯びた義姉さんの白い頭に照明が反射して美しく光っている。
義姉の頭皮に小さなホクロを2つほど見つけた。
なんだかたまらなくかわいくって、そしてエッチな気持ちが抑えられなくて、義姉さんの頭を手のひらで優しく撫でてあげた。
もしかしたら、バスルームでもう一度髪を剃り直したのかもしれない。さっきよりも抵抗感がなくすべすべした感触で気持ちがいい。

義姉さんは猫のように気持ち良さそうに体を丸めてニコリと微笑んだ。
きっとお兄さんがいなくて、ずっと一人で寂しかったんだろうな。
溜まっていた欲望を自分に曝け出して、安心して私に今身を任せてくれていることが、たまらなく愛おしくなってくる。

頭だけじゃなくてきれいな形をしている耳を指でツンツンと触ってあげると、「うーん…」と気持ちよさそうに身をくねらせた。

(義姉さんってかわいい)

私は少しいい気になって、義姉の頭や耳だけでなく耳の周りや首筋を撫でてあげたり、口唇に指を触れて猫のようなサヤカさんの反応を楽しむ。

サヤカさんは時々恥ずかしそうに私の膝に顔を埋めたり、逆に甘えるような目をして笑いかけてくる。
戯れはエスカレートしていき、ソファーベッドで身をよじるように動いているサヤカさんの身体に巻きつけていたバスタオルが外れ、義姉のすべてが目の前に露わになった。

「サヤカさん。ごめんなさい」

調子に乗りすぎた私も悪い。
あわてて声をかけると、義姉さんは裸のままソファーベッドの上に正座して私をじっと見つめた。
「えっ。サヤカさん。どうしたんですか?」
最初は真剣な目をしてたが、やがて口元を緩めて笑った義姉さん。

そしてガバッと私に襲いかかるように抱きついてきたのだった。(続く)

※スキ❤️ 1500 ありがとうございます。
 長いので2つに分けます。
 後半はR18にして週末に公開します。
 この作品が気に入った方はぜひスキをクリックしてください。
 過去作品も読んでください。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?