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恐怖! おすすめ機能の罠

昔からネット記事のおすすめ機能が嫌いだった。たまたま検索した結果やネットサーフィンで少し見かけた記事を眺めた程度で似たような記事だけを無限におすすめされる。押し付けがましさも嫌いだが、それ以上に自分の内的世界を増幅させられているのではという恐怖心も感じていたからである。ネット記事ならその程度で済むだろう。ピクシブ百科で見たスコタコの記事からプラモデルの発売告知や、Apple Musicで聞いた海外アーティストが近日国内でライブを行うことを知るなど決して悪いことばかりでもない。ただおすすめに対する恐怖心。SNS社会の現代では、エコーチェンバーやサイバーカスケードといった学説名みたいなものがついているほど何となくの恐怖心は実際にエライ人も危惧しているんだなって思った。
だが今一つ実感がなかった。ネットで怒りをぶち撒けてる人はイーロンのおすすめで無限に見ることが出来るので事実ではあるのだけど、あくまでネット上の他人。街中ですれ違う人ぐらいの感覚でしかない。
そんな中、数少ない友人がぬいぐるみを買って写真をあげるぬいぐるみ界隈なるものに最近参加してると知った。彼はドナルド・トランプの運営するSNSを永バンされてるなど色んなニッチなネット界隈にやたらと参加している変で世界一おもしろい奴なのだが、彼によるとぬいぐるみ界隈に参加してる住民は40代あたりの女性が多いらしい。「ほーん、そんな世界もあるのか。趣味が持てていいじゃん」ぐらいの感想だったのだが、彼のSNS上は界隈の情報が流れてきて、ぬいぐるみ自慢なら微笑ましくていいのだが、オタク男のおすすめでは飛んでこないだろう女の悪口やマウント、しまいには界隈のボスが自身に対して反抗的な人物を見事なSNS上で吊し上げファンも利用しボロカスに叩く、所謂ファンネル行為をそうとは悟らせないように行なってるらしい。勿論殆どの界隈民はおそらく平穏に過ごしているのだろうが僕の知らないおすすめ欄が作成されていることに肌身を持って感じることができ知らずのうちにGoogleにカスタマイズされている事の恐怖心を覚えた。
Googleもイーロンも営利企業なのでおすすめを洗練した形にするのは広告のマネダイズが効率化するためなので、タダで使わせてもらってる身としては彼らに文句を言うどころかインフラとなりつつある昨今、感謝も少しはしなくてはならないのかも知れない。ただ、グローバル企業に思考をカスタマイズ・コントロールされた結果、隣のやつが、手元の黒い板で同じ世界を全て共有しているとは限らない。インターネットは無限に近い小宇宙の集合知であることを忘れず、サイバーカスケードに陥らないようにしていこうと改めて思いました。

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