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ゴダール初見

ゴダールを見てない奴はモグリだと自分で勝手に自罰的に思ってたので意を決して初めて『勝手にしやがれ』鑑賞した。別に観たことない名作なんて山のようにあるので何にも恥ずかしいはずはないのだからさっさと観れば良かったのにと今更ながら思う。
感想としてはフランス語がネイティブでは無いので詩的なやり取りはよく分からない。男女の逃避行をしつつも(実際逃げてるのは主人公だけだけど)その間で交わされる思想のやりとりが引用だけを用い、パンッと投げっぱなしで終わらせずカットの繋ぎや絵面で観客に想起させるところが(モンタージュっ言うんだっけ)観客を信頼してるのかなって思った。そして僕のようなマヌケでも映像の美しさ、画面のパースの良さや60年代当時のフランスの空気感が心地よく、街ゆく人々が明らかにエキストラじゃなくて街中で勝手にカメラを回していることで関係ない道ゆく人々さえ舞台装置と化す技量は凄いなと感じた。
宇多丸のゴダール特集を聞いて、ゴダールは元々映画評論家で、前時代的名作フランス映画やハリウッドなどからサンプリングしつつ、批評的再解釈を加え自分の映像表現に落とし込んだヒップホップ的な手法であると言ってた。もしかしたらヒップホップに興味がある今、僕のことをゴダールが読んでいたのかも知れない。そんなワケないか。たけし映画がもの凄い好きなので、彼が影響を受けたゴダールなどのヌーベルバーグ映画。できる限り見ていきたいそう思わせる大巨匠のデビュー作だった。

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