演芸界の今に思う事 その4

これまでは、比較的苦言を呈したい想いが強かったのですが、今回は素直に良かったと思える内容です。
落語協会パワハラ事案に端を発し、その周辺から思う事を書いてきました。
その一連を伝えて来たYouTubeチャンネルの新しい番組です。
告発側のチャンネルなので違うスタンスの意見をお持ちの方は、見ていていい心持ちはしないかもしれませんので、下に内容を書きます。

今回一般社団法人落語協会が二つの改革案を出しました。

今年6月に行われる協会理事改選から
①従来は理事候補者一同を会員の拍手一括で選任していたが、今回からは理事候補者一人一人を会員の挙手によって決める

②従来は理事同士の互選で候補者を決めていたが、今回から会員ひとりひとりが3名まで推薦できる

①は元々落語協会の定款に書いてある内容なのでそれに従うことにした。
②は協会が大きく舵を切ったと言う事になります。

改革案の巧拙や方法の是非は色々意見があるところですが、一番評価出来るのは組織として運営を任された理事達が具体的な改革案を提示したと言う事実です。
この芸能の継続を願うものとして当初から書いてきたのは、継承者にきちんとメッセージを届けるのが重要だと言う事です。
その意味では今回の改革案は会員各位に伝わったものがあったと信じています。
勿論この事を持って全てが解決するわけではありませんし、単なる一歩で拙い内容かもしれません。
只小さな改革を続けていく事が、この芸能の継続に必要です。
古典に新しい工夫を加えたり、新作落語を作り続けるのと同じ様に。

落語に近い畑では、こんなに悲しい事も起こっています。

現代美術作家・杉本博司氏の国立劇場問題建白書全文:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD189XE0Y4A310C2000000/

記事後半に見られるような事が決して演芸界では起こらない事を切に願っています。
そんな事を思いながら、次はどこの高座に伺うかを考える今日この頃です。


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