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2015/5/23 Plastic Tree男子限定LIVE『Boys Don′t Cry #1』想い出ライブレポ

僕とライブハウス

僕の人生において、ライブハウスは「友達がライブやるから」という理由で足を運ぶことが多かった場所です。
僕はいわゆる高校デビューをした人で、当時のネオV系ブームからバンド組んでる級友とか、個人サイトで知り合ったバンギャさんとかから仲良くしていただいておりました。
小中と音楽と縁のない生活をしていた僕でしたが、すっかり友達のおかげで音楽ジャンキーになっていて、ライブハウス――箱に行けば友達の出番は勿論のこと、友達のバンド以外の演奏もしっかり楽しませてもらってました。
出演バンドは年齢もジャンルもバラバラだったけど、楽しそうに音楽をやっているバンドの音は知らない人のものでも心地よかったことを覚えています。箱独特の、体の中まで貫くような音圧、良いですよね。
そんなわけで、今回は最初で最後の参戦となっている約9~10年前のライブレポを書いていこうと思います(突然の思い付き、狂気の沙汰すぎる)

心の灯火

2015年。学校を卒業し、キラキラ新卒をした直後に会社が潰れて解雇され、新たに入った会社で仕事楽しすぎて走り回って、ちょっとの拍子で心身をやらかし、一時社会生活から退いていた頃。
ぼんやりと少しダウナーな日々を生きていた僕でしたが、どこかそんな日々を楽しんでもいて、今この瞬間しかできないことをしたいという心の火はずーっと揺らめいていました。

「Plastic Treeってバンドが好きです」

大人になってから尚更、流行のJ-POPとか、本当にいろんなジャンルの曲を聴くようになりました。
それでも、いつだって僕の傍らにはV系というジャンルがいました。
もう命とか、魂に刻まれてる感じもします……w
そんな中で、当時から今もずっと一番好きで在り続けてるバンドがPlastic Treeです。
「推しっているの?」と聞かれたら一番に詠唱します。Vo.有村竜太朗さんのソロも追うくらいには推しです。
僕は小説を書く趣味をしているのですが、文学的な歌詞と、その情景が浮かぶような美しいメロディーが素敵だなと思っています。今もお話を書くときは良く聴いています。
学校を卒業して入社するまでの最後の春休みはぼんやりと『サンデー』を聴いていたし、何となく寂しいときは『バルーン』を流しながら空を眺めてたし、夜は『Sink』で沈んでいることもあったし。あとは『静脈』とか、瞳孔のc/wの『時間坂』とか。
「音楽は人生の栞」なんてどこから仕入れたかわからん言葉が心に残っていますが、僕の人生はPlastic Treeの曲が栞になってることが多いです。だからこそ、そのうち機会があれば、彼らのライブに行ってみたいと思っていました。
友達が演ってたとか呼ばれたからとか、そういう理由じゃなくて、純粋に好きだから観に行きたい。そんな気持ちが強かったのがちょうど2015年くらいでした。
思えば、メジャーなバンドのライブには一切行ったことがない僕です。せっかくなので、ライブヴァージンはいつかプラトゥリに捧げたいなーと思っていました。

音源海月、音符になる決意

そんな僕の目の前に、タイムリーに訪れやがったのが、このライブ。
2015年5月23日 Plastic Treeの男子限定LIVE『Boys Don′t cry』でした。

あなた方のファン層って女子比率のほうが高くない!?
いや俺プラトゥリ好きだけどさ!!!めっちゃ好きだけどね!!?
いきなり男子限定はどうした??ってなるやろ!!?!?!
運命線の五線譜の上で僕らただの音符になるんか???
なるか!!!なるわ!!!

早口オタク心の詠唱

なんて思いながら、心のどこかでは運命のようなものを感じていました。
心の中でオタク特有の早口を詠唱しながら、考えるより先にチケット買ってましたね。五線譜にでけえ音符が乗るのが決まった瞬間です。
よもや、推しバンドの初参戦ライブが男子限定になるとは……

想像上の海月男性

チケットは買ってから数日でソールドアウト。すげえやプラトゥリ。
参戦決定した瞬間から、当日の事を考え始めました。
一番考えたのは、Plastic Treeが好きな男性ってどんな感じなんやろってところです。
容姿をアレソレ言うのは野暮ですが、自分自身がそもそもそれっぽくない感じの見た目をしたファンなので、現場入りして浮くかなあなんてことも考えたりしてました。当時僕の体重は95kg弱あったので尚更です。
まあ、世界には「旅の恥はかき捨て」という便利な言葉があるので、それでいこうなと杞憂を沈めつつ、思えば自分の近くに「Plastic Treeが一番好き!」って人もいないなと気づき、当日来る人がどんな人なんだろうって想像したりしました。それが以下の通りです。

個人的想像

  1. 文系、小説とか好き

  2. クリエイティブな趣味を持っている

  3. Sサイズのシャツ着てる、めっちゃお洒落

  4. 邦洋問わずポストロック、オルタナ、シューゲイザー好き

  5. バンドやってる、バンドサウンドが好き

理由まとめ

1~2 → プラの音と歌詞は触れてて創作意欲が上がるという主観から
3 → プラの衣装は普段着っぽさもあるし、ファンもお洒落そう
4 → 公言されてるルーツを辿って他にもいろんなの聞いてそう
5 → 4から自分も演りたい!ってなってる人多そう

偏見ばっかですんません。なんか脳内だとこんな感じなんです……
もう時効ってことでここはひとつ……

現場入りというやつ

当時はまだ愛知に住んでいたので、夜行バスで東京入り。
朝からめっちゃくちゃ時間はあったので、秋葉原とか池袋とか、気になる場所を散策。遠征の楽しみの一つですよね。
せっかくの関東なので行きたいお店とかに足を運んで、良さげな時間で渋谷入り。場所を調べながら箱に向かいました。
グッズとかは先に売ってたみたいでしたが、ライブシャツはやっぱりサイズがないのでバンドタオルを一枚買いました。
開場の前から、会場付近にはライブシャツとか他のバンドシャツ(ランクヘッド)とかを着ている兄ちゃんとか、プラトゥリ男子限定どんなもんじゃいといった様子で視察に来てる女性の方とかがちらほら居ました。
想像してたところでいうと、3~5の層が多かったような気がします(うろ覚え)
現場のスタッフさんに促されるまま並んで、荷物とかロッカーに入れて会場である渋谷GUILTYの中へ。

セットリスト

時系列で覚えてる限りなぞっていきたいと思うので、vif-musicさんが公開されているセットリストを頼りにさせていただきます。(※)
引用元:Vif-Music

客席に入って消灯するまで、周りの皆さんはソワソワ落ち着かない様子。
「今日どうなるんだろう…」って空気で満ちていました。
僕はもう楽曲以外全部が初体験なので「生音聴ければいいから、危なそうなら後ろ下がろうー」って感じで開き直ってました。ステージ上手寄りの中列くらいのところでぼんやり待っていると、ふわふわと暗転。
どよめきの中にMy Bloody ValentineのOnly Shallowが流れて、海月男子の黄色い声が聞こえてきました。SEの中メンバーが一人一人ステージに上がっていって、最後に竜太朗さんがお立ち台に上がった時は、想像上の方みたいな印象が強すぎるあまり「ああ、現実にいるんだな……」なんて思っとりました。

1. Thirteenth Friday

まずは静かな立ち上がり。ぐんにゃりとした重低音が心地よくて、一曲目からうっとりしてました。たろさんはたろさんの印象が崩れないなあと思って、ある意味音源とかインタビュー記事のままの心象を受けました。
ファンの皆さんも静かに、音を聴いて感じたまま体がふらふら右に左に揺れていた記憶があります。

2. 涙腺回路

13thからどんな展開になるんだろうと思っていたら、いきなりジャギジャギギターのイントロで、涙腺回路だってわかりました。なるほど、心に刻まれている。『男子限定LIVE』を始めてきたなと思った瞬間でした。
涙腺回路の演奏中、竜太朗さんが合間のギターソロで体を大きく折り畳んでいて、静が動にスイッチして、この曲で完全に『入った』ように思えました。

3. GEKKO OVERHEAD

ウツセミは本当に好きなアルバムなので、これも知ってる!という嬉しさがありました。なんか、拳上げて「Oi!!Oi!!」ってやるのめっちゃ楽しくて、危なそうだったら後ろ行こうーなんて気持ちはどこへやら。今日はこういう感じのノリでぶっ通すのかな、とか瞬間的に思いましたが、もう正直どうでもよくて楽しい時間にひたすら心を躍らせてました。
まさに『夢中』という言葉が一番しっくりくる表現ですね。

4. みらいいろ

「やぁやぁ」「よぉよぉ」という掛け合いもありつつ、男子限定楽しみだったよーみたいなMCを挟んでからのみらいいろ。こうして生で聴くとギターカッコいい曲だなあと思う。
遊戯王5D'sのアニソンにプラ?!とびっくりしたことを思い出しながら、これもまた拳があげられて楽しいったらなくて……w

5. テトリス

デデッ!デデデッ!デデデデッ!デッ!
パラリラパラリラパラリラパラリラッ!
「「「「「「 はいっ!!! 」」」」」
これっ!!これねえ!!めっちゃやりたかった!!!!!
できた!!!!!うれしい!!!!!(IQ3)

6. 梟

音源で聴くとすごくクールな曲って印象だったんですけど、今冷静に振り返ると、男子限定LIVEという場所で聴いた梟はとても雄々しい熱い曲って印象に変わって面白かった。多分、ずっと拳上げてたせいだと思います……

7. リプレイ

「どっから来たの?」とかMCが終わって、再び静かな立ち上がり。梟からメロディアスな流れが続きます。僕はどちらかと言えばこういう少し寂しい感じの曲が好きなので、
リプレイは単曲リピして聴くくらいには好きな曲だったので、生で聴けて嬉しかった……
ノリがいい曲が続いて『男子なりに応えるぞ!』と言わんばかりに拳を上げて応えていた客席側が、この曲はすっかり聴きモードに。
アウトロ抜けかけのあたりからみんな静かな拍手でメンバーに賛辞をおくっていて、人って暖かい生き物なんだなって感じました。

8. Sink

リプレイ終わって、イントロ始まった瞬間心の中の「Oi!!Oi!!」がやみませんでした。Sink聴きたいと思ってたけど、本当に聴けると思ってなかったよ……

赤い月をずっとながめた
それだけでなんで泣くんだろう
僕は消えたくなる

https://www.uta-net.com/song/97496/ より抜粋

「僕は消えたくなる」の部分、竜太朗さんシャウト気味でした。
まさにザクザク切るような声で、表現に圧倒されたのを覚えています。
アウトロから客席はまた拍手で賛辞をおくっていたんですが、竜太朗さんが「よくできました」みたいな言葉を返してくれて嬉しかったです。

9. カオスリロン

この辺記憶が定かでないんですが、まあもう楽曲がそんな感じなので客席もそんな感じです(全投げ)
全ッ然覚えてないけど、竜太朗さんの声が切り裂くような感じに変貌していたような気がします。めっちゃはしゃぎました(小並感)

10. あバンギャルど

現場で使うラッパみたいなスピーカーのアレあるじゃないですか。アレで歌われてました。ライブの現場全部アレで歌ってるんですかね……w
右に左に振りとか全然知らないけど、やってみっか!って感じで見様見真似。振りを一曲通したらいい運動になりそう……w

11. マイム

マイム、マイム、マイムー!!!
この振りやりたかった!!!!!
MVで覚えててよかった!!!!!
やったー!!!!!
……でした。

12. ヘイト・レッド、ディップ・イット

この辺もうキャッキャしすぎて楽しかったことしか覚えてない……
なんも覚えてない……

13. バンビ

あ、僕プラのバンビめっちゃ好きなんですよ。ムーンライトのc/w曲で聴いて、いいなーと思ってたらアンモナイトに収録されて嬉しかったです。
楽曲のエピソードどっかで読んで、恋愛曲なのかなと思ってたのが全然違って、それからすっかりお気に入りの歌になりました。
歌ってて楽しいのでたまにカラオケで歌います。

14. メランコリック

もう、あの、メランコのフリやりたいみたいなとこあったんですよ。
でもさあ、この流れで来たら色々壊れちまうよ。壊れちまったよ。
めっちゃくちゃ楽しかった、本当に。
煽り聞いて、拳上げて、折りたたんで。
ライブでやりたいこと大体やった感じ。

15. ―――暗転。

ああ、ここ休める……と一息つきました。
この時期のアルバム、インスト曲が味出してて良いですよね。
ここでメンバーさん奥に戻られました。

アンコール『海月からプラ男へ』

風物詩といっていいものかアレですが、アンコールもまたライブの一部分ですよね。戻ったメンバーさんにコールが始まるわけですが、
「アンコール!アンコール」とか、
「ボーイズドンックライ!ボーイズドンックライ!」とか、
「プーラー男!プーラー男!」とか
「男しかいないんだから髪直してもしょうがねえだろ!」とか、
しまいにゃもう「ハッ、ヤッ、クッ!!!ハッ、ヤッ、クッ!!!」と、なんとも野郎らしい雑なアンコールが始まり、メンバーさんが戻ってくるや「Hoooooooo!!!」という黄色い声でお迎えした感じです。
竜太朗さんが「僕ら一応V系なので、髪直そうと思ったんだけど、鏡曇ってて直せませんでした」と、苦笑い。少し霧っぽいのは演出なのかなと思っていたのですが、箱の中の熱と高湿度によるスモークだったみたいです。
ライブってすげえな……

16. puppet talk

竜太朗さんが「お前ら呼んだな?呼んだってことはまだまだいけるんだな?こうなったら俺らと君らの体力勝負だ!」と言って始まったこの曲ですが、未履修でした。聴いたことはあるけど聴き込んでないので、もうアドリブで頭振ったり周りに合わせてはしゃぎ散らかしていました。知らない曲でもノるの楽しい!!!

17. ナショナルキッド

プラの楽曲のタイトルコールすごいお洒落でいいんですよ。
このライブでも「天まで届け、バンビ」みたいなコールしてたような気がするんですけど、ナショナルキッドでもこの曲なりのコールあったような気がします。ってか、いつからケンケンは上裸だったんだ……
これもまた観客席ボウボウになってました。僕の喉もさすがにカラッカラだった……w

18. Boy’s Don’t Cry(The Cureカバー)

ファンの方が酒樽を贈っていらっしゃったようで、升にはプラのロゴが入ってたりとまさに男気といった粋な計らいに、竜太朗さんがお名前を告げられて、その方のお名前コールから鏡開き。一杯飲んでからまたギターをもって鳴らした竜太朗さんが「あれ?」といった様子。
観客席かステージかわからないですが「Aから!Aから!」って教えていたのが一番印象に残ってます。客席からなら、もうすっかり戦友ですね。
ちなみに、僕がThe Cureの音源に触れたのは、このライブからです。
好きなバンドのルーツってやっぱり聴いてみたいもんじゃないですか。

19. サイコガーデン

多分すごい前の曲だと思うんです。全然知りませんでした。
でも、もうここまでくると大体メロディーラインと周り見てれば曲中の振りはわかる……w

Ex. Ghost

GhostをExとした理由が、竜太朗さんのMCで「予定してなかった」と話されていたからです。
Ghostやってくれた理由は「お前らを暴れさせるためだァ!!!」でした。
もうね、「君ら」もいつの間にか「お前ら」です。煽り、竜が如し。
Ghostってそこまで激しい印象なかったんですけど、これも生で聴いてめっちゃくちゃ激しい曲なんだなと体感しました。
Ghostのアウトロはなんか終わりたくなさそうな引きがあって、「ああ、我らがPlastic Treeも楽しんでくれていたんだな」と思えました。
お互い殴り合った後に握手交わしたような良さ、といっていいのかな。
「またやろう!!!絶対だよ!!!」ってめっちゃくちゃ無邪気な子供みたいな竜太朗さんがなんか可愛かった……なんか妖精おるって……
てなわけで、Ghostで〆でした。

ライブが終わって

終わって帰っていくときも「またね!!!」とキラキラしたご様子の竜太朗さんに「ありがとーーー!!!」って大声で返していて、とても温かな、くっそアツい場所だったなと思い、僕も荷物をロッカーから出して帰路につきました。その日の夜行バスで帰ったけど、今思うと良くあんな弾丸スケジュールで動いたな……w
アキラさんがライブ中のMCで言ってた通り、やっぱりライブハウスはアツかったようで、ライブハウスを出ると程よく涼しくて、風がとても心地よかったです。
女性の海月の方たちも様子を見に来ていたようで、会場から出ていく男子のヘトヘト具合を見て驚いておいででした。
僕も帰りの道中で飲み物買うまで気づかなかったのですが、シャツがヨレ散らかしてくしゃくしゃになってて、一人でめっちゃくちゃ笑ってました。
この日に飲んだペットボトルのオランジーナは、人生で一番美味かったです。

結局このライブ以降自分の仕事やら都合がつかず、これが最初で最後のライブになってしまっているのですが、本当に行ってよかったと思います。
素敵な夜にライブヴァージンを散らせたと思うし、人生初参戦はこのBoys Don't Cryでよかったと言い続けられる自信があります。
あと、やっぱりPlastic Treeは音がいいバンドだということを体で感じることができたのと、音源と生演奏では随分印象も違うなと思いました。
まあまあ忙しさが続いているので動けていませんが、体に余裕ができたらまたどっかでライブ行きたいな。

書いててびっくりしましたが、7,000字あるらしいです。
考えながら書くと1,000字/1時間くらいという自己分析もできたので、良い土曜になったのではなかろうか。
長文になってしまいましたが、今回はこの辺で。
それでは、それでは。

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