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どこでもドアについて真剣に考える①

どこでもドア。それはみんなの夢。
説明不要の夢のアイテムである。

遅刻しそうな時。どこか遠くへ行きたい時。誰かに会いたい時。誰しもが「あったらいいな」と思うはず。しかし、ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。
本当に「あったらいいな」と言っていいのだろうか?
急にそんな事を言われても困るかもしれないが、今回はどこでもドアが実際あったらどんなことになるかを真剣に考えてみようと思う。

といっても、考え始めたら色々あることに気付いたので、今回はまず、「どこでもドアの成立する条件」について書いてみようと思う。ちょっと難しく聞こえるかもしれないが、大したことは書いてないので読んでみてほしい。




ではまず、以下の質問から考えていこう

Q どこでもドアの行き先としてまず思い浮かぶのはどこ?
A しずかちゃんの家のお風呂

正解!!!

アホなやりとりはさておき。これは、漫画やアニメだから「キャー!のびたさんのエッチ―」で済むわけだが、実際はそうはいかない。
住居不法侵入である。
「いきなり何を言うんだ」と思うかもしれないが、しずかちゃん目線で考えてみてほしい。風呂に入ってリラックスしていたら、いきなり扉が出現して中からのび太がやってくるのだ。恐怖以外の何物でもない。しかも、一度や二度ではない。
こんなことを何度もされて、それでもなお鼻歌交じりに風呂に入れるしずかちゃんの胆力の凄さには驚かされる。

少し話がそれたが、これではプライバシーがないどころか、自由に他人の家に出入りできれば泥棒も簡単に出来てしまう。密室トリックだって簡単だ。

そう考えると、どこでもドアで建物の中には入れてはいけないし、建物の中から出れてもいけないようにしないと犯罪に利用されてしまう。まずこれが1つめの条件だろう。また、私有地やスタジアム、はたまた自然公園など、屋外でも本来自由に入れない場所へも出入り出来ないようにする必要がある。

じゃあ屋外ならどこでもいいのか?そういうわけにはいかない。
単純な器物破損やひったくりなど、屋外でも犯罪行為に使うことは出来る。しかし、外でも使えないとなったら使う場所がなくなってしまうので、どこでもドアの移動履歴は全て管理されていなければいけない。普段は自身で移動履歴を確認できるだけだが、警察などから開示請求があったらどこでもドアを管理する会社から警察に情報が行くことになる(会社って何?と思うかもしれないが、未来デパートで売られているからにはどこでもドアにだって製造販売元の会社がいるはずである)。これが2つめの条件。

また、どこでもドアで簡単に外国にいけるようになると、国際問題にも発展する。戦争に利用される可能性もあるし、どこでもドアを使って銃や麻薬の密輸が行われる可能性もある。また、移動した人間に悪意がなくても伝染病を運んでしまう可能性もある。
そうなると、どこでもドアは国内移動しか出来ないか、国際移動するには空港のような特殊な場所で検査を受ける必要が出てくる。

先程から犯罪対策の話ばかりだが、仕方がない。それほど強力なアイテムだし、1つあるだけで世界を混乱に陥れるには十分なシロモノなのだ。

最後に、非常に重要な条件として、どこでもドアは四次元ポケットとセットではないということである。
「どういうこと?」と思うかもしれない。
そんなあなたは、どこでもドアを使用する際のプロセスを思い出してほしい。どこでもドアを使うプロセスは基本的に以下の3ステップになる。

1.四次元ポケットからどこでもドアを出す
2.どこでもドアを使って移動する
3.移動先でどこでもドアを4次元ポケットにしまう

おわかりいただけただろうか。どこでもドアは基本的に四次元ポケットとセットなのだ。タケコプターのようにポケットにしまっておくことは出来ない。四次元ポケットがなければ、常にドアが外にでっぱなしになるのである。
持ち歩こうと思えば出来なくもない程度の大きさのドアだが、正直ダルいだろう。
例えば、どこでもドアを使って会社の前まで来て、社員全員がどこでもドアを持ち込む。会社のなかにはどこでもドア置き場が作られ、そこに社員のドアが置かれる。会社ならまだいいが、スタジアムのように数万人もの人が集まる場所では、数万個のどこでもドア置き場が必要になる。正直に言ってクソ邪魔だとおもう。


ということは、どこでもドアは個人が持ち歩くというより、バス停のように町中の様々な場所に設置されていて、ドアから別のドアにはいつでも自由に移動できる・・・という程度のモノにするしかないのかもしれない。
例えば、遭難した際にどこでもドアがあれば一瞬で家に帰れる・・・なんて考えを持った方もいるかもしれないが、それをするにはドアを持って山登りをしなくてはいけない。やはり、バス停や駅のような場所(どこでもドアステーションとでも呼ぶべきか?)のような場所を作って、そこでどこでもドアを利用するしかないと思う。

他にも色々あるかもしれないが、これまでの内容をまとめると
屋内(屋外でも他者の私有地内等)では利用できない
移動履歴は管理される
国際的な移動は制限される
バス停や駅のかわりにどこでもドアステーションのようなものが設置され、そこのみで利用可能

ということで、バスや電車と似たような使い方になるしかない、と想像する。
ただし、24時間利用でき、移動時間が不要、国内ならどのステーションからどのステーションへも自由に移動可能、というあたりが異なるため、非常に便利な道具として利用できる。また、バスや電車と違ってステーションを作る際に地理的状況を一切加味する必要がないため、限界集落のような場所にもステーションを作る事が出来るというメリットもあろう。


当初想定されたどこでもドアとはだいぶズレたかもしれないが、この程度の制限は必要であろうと思う。
では、次回はこのどこでもドアが出来た際のデメリットについて考えてみようと思う。

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