ビッグモーターの社長の会見と、山一證券の社長の会見を考える

この間行われたビッグモーターの社長の会見がひどかったということで、「以前山一證券がつぶれたときの社長の会見は潔かった」と言っている人がいた。

山一證券。かつて・・・20年ほど前まで存在した証券会社で、野村證券、大和証券、日興証券とともに「四大証券」と呼ばれ日本を代表する証券会社だった。廃業した当時のニュース映像がこれだが、この映像のなかで社長(野澤社長)は「私たちが悪いのであって、社員は悪くない」と語っている。


なるほど。この潔さと比べたら、ビッグモーターの社長の会見には納得がいかない、というのもうなずける。
山一證券廃業は当時センセーショナルな出来事であり、のちに小説にもなっている。ちなみにこの小説は江口洋介主演でドラマにもなっているので、みるといいかもしれない。

この小説を読み解くとわかるのは、
・この野澤社長は山一證券がヤバくなってから就任していて、社長になるまでは状況を全然知らなかったし、状況を知ってからこの会見までは数カ月しか経っていない(対策のしようがなかった)
・極一部の社員の行動が大量の損失を生み出しており、山一證券の殆どの社員は関わっておらず、何故会社が潰れなければいけないのかわかっていなかった。
ということである。

山一證券の場合は、本当に「(殆どの)社員は悪くない」のであって、今回のビッグモーターの件とはおそらく少し話が違う。

この記事にもあるように、山一證券はこの記事の時点で20年前に潰れたにもかかわらず、同期会が行われている。おそらく、お互いに不正をしていたり、後ろめたさがあったらこんな風にはならないだろう。

何故ビッグモーターがこんなことになったのか。それはおそらく、中身ではなく数字を追い求め過ぎたからだと思う。それについては長くなるのでここでは書かないが、色々なニュースを見る限り、多くの現場に出ている社員が問題行動に関わったり、それを目撃しているように思う。
山一證券が潰れた際は、社員の多くは速やかにメリルリンチ等に転職していったようだが、社員が問題行動に関わっていたことが知れ渡っている以上ビッグモーターはどうなるのだろうか。
おそらく、不本意ながら問題行動に関わってしまった社員も多いのだと思うので、そのあたりが救われるような結果になってほしいとは思うのだが・・・


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