ブラックジャック実写化をする権利が与えられたとしたら~選挙戦を見て思う~

少し前に書いた内容を放置していたので、少し内容が古い・・・かも。




往年の名作漫画、ブラックジャックが実写ドラマ化して、ネットで賛否両論が起こっている。ちなみに、賛否両論というのは「否」のほうが多い場合が多く、これも同じだ。
特に話題になっているのは、ドクター・キリコ役の女性。

白髪の女性がドクター・キリコ

滅茶苦茶カツラっぽい。なんじゃこりゃ。テレビなんだから、何かもっとやりようがあるでしょう。
本来男性であるキャラクターを女性にすること自体に賛否両論あるのに、この見た目がさらに議論を醸している。

正直、原作を重視しているとは思えないキャスティングやキャラクターの女性化は様々な作品で起こっている・・・と思う。こういうのは(作者の手塚治虫は故人であるという話はさておき)原作者の意向だけではなく、様々な意思が働いてキャスティングされると考えられるため、脚本家を叩けばいいというものではないと思う。

例えば、この実写化

ハゲのおっさんを実写化するのに役者を鈴木京香にするとは、どういう意思が働いたのかサッパリわからない。
たとえば、カイジや嘘喰いのように、原作に女性キャラクターが殆どいない作品なら理解も出来るが、この漫画は普通に女性キャラもいるのだ。猶更わからない。

私としては原作を大事にしてほしいし、男性キャラは男性キャラのまま出してほしい。脚本家のオリジナルの解釈ではなく、原作に忠実なものを作ってほしいと思う。

しかし、実際に自分が、既存の作品をある程度自由に作り変えられる立場になったらどうなるだろうか?というのを考えてみる。

ケース1 同人誌


同人誌とは、ご存じの方も多いだろうが、漫画等の特定のキャラクターを元にオリジナルのストーリーを描いたものである。あらゆる漫画等が同人誌の元ネタになっているので、千差万別の同人誌が存在し、今後もきっと作られていくだろう。
同人誌とはいわずとも、Xなんかを見てると同人誌的なイラストが目に入る。原作に忠実なものもあれば、独自の解釈により描かれることもある。よくあるのは、キャラクター同士の恋愛、いわゆるカップリングネタだ。作品中で多少の描写がカップリングもあるし、そうではない場合もある。同性同士の場合もある。もちろん、誰かの独自の解釈を受け入れられる人もいるし、受け入れられない人もいる。

ケース2 マスコミ


都知事選の最中も、何故か知事選が終わってからもそうだが、特定の候補を攻めたり、逆に称賛したりというポストをよく見る。名前を出すのは良くないかもしれないが、特に蓮舫氏、石丸氏についての賛否両論が多い。蓮舫氏を応援する人は蓮舫氏を応援すると同時に石丸氏等を否定し、石丸氏を応援する人はその逆、といった感じのものも見られる。
どうも、自身が応援する候補にとって有利な情報を発信しているようだ。これだけ聞くと問題ないように見えるが、前後のやり取りを切ったり背景の説明を省略したりと、都合よい情報が伝わるように工夫している場合がある。切り取り動画だけを見るとAが正しいが、全ての状況を理解するとAが間違っている、というような場合だ。
情報の発信には、ある程度の制限がある。限られた時間や文章量のなかで、あったことを全て伝える事は出来ないので、ある程度の取捨選択は必要になる。しかし、取捨選択を恣意的に行うことで視聴者に与えるのはいわゆる「マスゴミ」と揶揄される行動である。これを、一部の人たちが行っている。


何が言いたいかというと、自分で加工して、自分に都合の良い情報を発信したがる人がいる、ということだ。

原作にはないオリジナルストーリーの漫画を描く人も、特定の政治家を応援するために発信する情報を恣意的に選ぶ人も、本質的にやっていることは同じ。「既存のものを自分の好みに作りかえて不特定多数に見てもらうよう発信する」だ。ただ、不特定多数に見てもらうように発信してはいるものの、実際に求めているのは賛同だけだ。
これを、テレビのキャスティング権を持つ人間がやったらどうなるか・・・と、ただそれだけのことなのだ。

きっと、ドクターキリコが女性などというネタをオリジナルで描いていた人もいただろう。それに賛同する人もいただろう。同人誌レベルだったら、それもいいのかもしれない。ただ、ドラマではそうもいかない。キャスティングだけで大々的にニュースになり、そのドラマを見る予定が無い人間の目に入り、叩かれたりもする。
それだけの事だ。

ただし、原作ありきのドラマはあくまでも原作が無いと作れない。既存の物語を少し変えるのは難しくないが、イチから物語を作るのは非常に大変なのである。

脚本家の意図もあるだろうし、他にも色々な意図が絡んでのキャスティングだとは思う。

しかし、原作への愛だけは失わずにいてほしいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?