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初日上限値段超えの初値決定銘柄の動き【IPOセカンダリー過去データ検証】

IPOセカンダリーに向かうためには過去のデータでどういった動きをしているのか?頭に入れておいて、どこにエッジ(美味しい部分)があるのか知っておかないといけません。

そのため特定のパターンの過去データの検証を行っておいて、特定のパターンでどういった動きになりやすいのかをまとめておきたいと思います。

今回は「初日上限値段超えの初値」で決定した銘柄の動きです。

IPOの初日の上限値段は公開価格の2.3倍となっています。2023年3月27日上場予定だったカバーを例にIPOの初日の気配運用について紹介します。

カバーの初値決定前の気配運用

上記の初値決定前の気配運用については、概ね上場日前日のお昼ごろに東証のホームページに掲載されます。しかしながら毎回ルールは同じですので覚えておくと良いでしょう。

カバーの公開価格は750円。その2.3倍は1,725円になります。

ということで初日の上限値段は「1,725円」です。

上記の東証のホームページのお知らせに上限方向の注意点が4つほど載っていますが、

「(注4)初値は気配更新の上限値段から通常の更新値幅分だけ高い値段まで成立可能です。」

IPO初値が上限値段以上で決まる可能性

という部分が今回の検証議題のポイントとなる部分です。カバーの上限値段は1,725円でした。そこから通常の更新値幅分だけ高い値段までは初値が付く可能性があります。

特別気配の更新値幅に関しても東証のホームページに載っていますので、上記ページを参照して下さい。カバーの場合は1,725円が2,000円未満ですので値幅は40円に該当します。

つまり初日では1,725円+40円の1,765円まで初日で初値決定の可能性があるという状況です。

そしてこのカバーは初日で1,750円で初値決定していますので、今回の議題の「初日上限値段超えの初値」で決定した銘柄の1つになります。このギリギリの2日目突入するか、初日で決まるかというポイントは歪みが出やすいタイミングではあります。

というのも翌日に持ち越すと即金規制という市場規制が入りますので、市場が意図的に買いを抑制して過熱感を冷やす操作が入ります(初値が付くと翌日に解除)。そのため、初日で初値が決定するのと、2日目で初値が決定するのでは大きな差が生まれます。

今回は初日の上限ギリギリで初値が付きそうで、上限値段を超えて初値が付いた過去銘柄を検証して、どういった戦略が可能そうなのかを紹介したいと思います。

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