炎の話
久しぶりに観劇をしたせいか
雨と呼ぶには些か自信のなさそうな霧のせいか
価値観の共有が出来る友人のせいか
夜だというのに心境は晴れやかだ。
転生を繰り返すあの子もいつまでたっても足踏みをしているあの子も過去に取り憑かれているあの子も
なんにも足りないけれど大丈夫だ。
今なら大丈夫。向き合える気がした。
唯一の救いなんてなくても
絶望も孤独も裏切りも憂鬱も
あの時心臓を鷲掴みにした瞬間も
全部自分のものにできる。飲み込める。
1人でも誰かと一緒でも
全部経験に変えることができる。
別に誰かに伝わらなくても良いんだよね
どこまで自分が孤独を嫌っても
不完全で不在で不器用で
不細工で不可侵で
それでいいね
猶予は6年もあるじゃん
終
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