純の話
愛のために死ぬことより綺麗な終わり方はない
という話を聞いたという話を聞いた
幼い頃に出会ったあの荒唐無稽な言葉を胸に抱いてから
ずっとずっと愛を想い愛の為に生きてきた
数年愛を信じて生きてきたのに
去年の暮れからは愛を疑い愛を探りながら
愛するようになってしまった
それ故今年開催したい気持ちの絵の展示に
良い意味を齎すように思うので結果オーライではあるのだけれど
本当に、愛の為に死ぬことが最も
清らかで聡明で至上のもののように思う
愛する人に殺されたい
愛する人と共に死にたい
愛する人を想いながら死にたい
綺麗なまま死にたいと思った頃がある
死に方を考えた夜もある
そんな馬鹿げた物語を夢見ながらも
結局無様に死にゆくのだろうな、とも
愛に囚われながら愛を死ぬまで
語れるのだろうか
夜は死に際が美しく、朝は生まれる瞬間が美しい
って、誰の言葉だっけ?
不毛な会話をずっとしていたい
終
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?